娘と話す 不正義ってなに?
 
アンドレ・ランガネー/著
及川裕二/訳
斎藤美奈子/解説
泉沢儒花(Bit Rabbit)/装丁
定価1000円+税
IISBN978-4-7738-0715-8 C0036 Y1000E

 

社会の不公平に、子どもたちは気づいている
世界の子どもたちはみな理解したがっている。
「すごいお金持ちもいるのに、食べ物もない人がいるのはなぜ?」
「食べるものがなくて泥棒する人は悪い人?」
子どもたちは、社会に良識のルールがあることを見て取っている。
親は子どもたちに語らなくてはならない。
この不正義な世界のありようを。

【著者紹介】 アンドレ・ランガネー
1942年パリ生まれ。遺伝学を専門とする生物学
者。パリ自然史博物館生物人類学研究所ディレク
ター、ジュネーヴ大学教授。日本で紹介されてい
る著書に『人類のいちばん美しい物語ー自然・文
明・進歩』(筑摩書房)、がある。

サルバドールの朝
   

金日成・金正日体制と東アジア
 
渥美文夫/著
制作室クラーロ(水野慶子)/装丁
46判、上製・186頁
定価1500円+税
ISBN978-4-7738-0714-1 C0036 Y1500E

 

停滞したままの日朝国交正常化交渉、一歩も進展しない拉致問題。
世界の現状を見ると左翼の復活は緊急不可欠だ、とする著者は、北朝鮮―日本関係をテーマに、「だが、どのように?」と問う。
北朝鮮の金父子体制の批判的分析もないままに有効性なき旧来の理論にしがみつく日本進歩派と左翼の理論的停滞を内側から撃ち、来るべき東アジアの未来を展望する。

【本書の目次より】                
金正日の拉致謝罪/九〇年代の北朝鮮/在日朝鮮人の北朝鮮帰国/抗日パルチザン部隊の指導者・金日成/朝鮮民主主義人民共和国の建国と朝鮮戦争/重工業優先・農業集団化/金日成個人独裁/党の唯一思想体系確立のための十大原理/金親子体制/金日成・金正日の対外工作/金日成・金正日による朝鮮総連支配/金正日の軍事独裁体制

サルバドールの朝
【著者紹介】
渥美文夫(あつみ ふみお)
1940年、大阪府に生まれる。日本を含めた21世紀の東アジアの政治・経済の動向に強い関心をもつ。拉致問題顕在化以降も、北朝鮮論、金父子支配体制論、朝鮮・日本関係論について、従来の歴史認識を改めようとしないがゆえに右翼ナショナリズムの言論攻勢に対抗できない日本進歩派・左翼のあり方に、本書では自己批判をこめて問題提起する。
 


赤字で町はつぶれない
米寿の「ワイン町長」が語る

 
丸谷金保/著
46判、並製・334頁
定価1524円+税
ISBN4-7738-0711-0 C0036 Y1524E 

 

商店街のシャッター化、高い失業率、若者層の流出、お年寄りの孤立、農業基盤の崩壊――数少ない大都会の繁栄をよそに、各地域はどんな危機に直面しているのか。

深刻な状況が次々と明らかになっている。かつて、北海道は池田町の町長として、独創的なアイディアを駆使して「町づくり」の実績を挙げた「ワイン町長」が、経験豊かに語る地方政治論。

ここには、地域再生に向けての、熱い思いと、応用しうるヒントがいっぱい詰まっている。

赤字で町はつぶれない
【著者紹介】
丸谷金保(まるたに かねやす)
1917年、北海道池田町生まれ。明治大学法科卒業。
戦争から復員後、自宅で農業兼養鶏場を営む。地方紙編集局長、
農民同盟事務局長などを歴任後、1957年池田町長に当選。以後
76年まで務める。その間、町政の重要な一環としてワイン造りを推
進、これが成功して、全国的にも有名な「町づくり」のモデルとなる。
参議院議員を2期12年にわたって務めた後、政治家を引退。米寿
を迎えたのを機に、地方政治への熱い思いを本書にまとめた。
 


サルバドールの朝
鉄環処刑された一アナキスト青年の物語

 
フランセスク・エスクリバーノ/著
潤田順一/訳
46判、上製・248頁
定価2200円+税
ISBN978-4-7738-0709-7 C0036 Y2200E

 

フランコ支配体制末期の1974年のバルセロナ。警官殺しの罪を問われ死刑囚ではあったが、恩赦される可能性のあった25歳の政治青年は、なぜ、残虐刑によって処刑されたのか? 現代スペイン人の心を、なお疼かせる理不尽な「青春の死」を描くノンフィクションの力作。

◆東京・シャンテシネ07 年9 月22 日ロードショー以後、全国各地で公開予定のスペイン映画話題作の原作本を緊急出版!

サルバドールの朝
【著者紹介】
フランセスク・エスクリバーノ(Francesc Escribano)
1958年、ビラノバ・イ・ラ・ゲトルー(バルセロナ)に生まれた。バルセロナ自治大学(ベジャテラ)で、視聴覚コミュ二ケーション学準教授を務める。ジャーナリストとして新聞社やラジオ局でも仕事をし、1990年ごろから主にテレビで仕事するようになった。カタルーニャ語放送TV-3の『30分』という番組では放送開始当初からのスタッフの一人であり、8年間携わった。のちにジョアン・ウベダとともに再びTV-3で仕事をし、『市民』『カンガルー』『本当を言えば』『ジェネレーションD』『私生活とベルビチェ病院』などの番組の発案者となった。ペニンスラ出版からは『赤い大地の跣足派修道士―ペラ・カサルダリガ司教の生涯』(2000年)が出版されている。
 

私のなかの「ユダヤ人」

 
ルティ・ジョスコヴィッツ/著
四六版、上製・220頁
定価1600円+税
ISBN978-4-7738-0708-0 C0036
Y1600E
 

「ユダヤ人である」ことに束縛されて生きてきたひとりの女性が、「外人」か「日本人」かということを大事にする日本に住み始めて、考えたことは?
本書は、著者自身の来歴を語りつつ、卓抜な異文化論でもある。

【著者紹介】ルティ・ジョスコヴィッツ 
1949年、イスラエルに生まれれる。
1953年、一家で(両親、姉マルヴィナ、三つ子の兄アロンと姉シュウラと一緒に)フランス、パリに移住。
1968年、パリを離れイスラエルへ。
1969年、イスラエルのキブツで一人の日本人、広河隆一に出会って、初めてパレスチナ問題を知る。
1970年3月、彼とともに3カ月間パリに滞在した後、来日。現在、日本でフランス語を教える傍ら、「ユダヤ人問題」やパレスチナ・イスラエル問題を考え続けている。

私のなかの「ユダヤ人」
   

つながる日本海 新しい環日本海文明圏を築くために

 
武藤誠・北川フラム編/編
A5版・308頁
定価2500円+税
ISBN978-4-7738-0707-3 C0036 Y2500E

 

なぜいま日本海か――新潟からの問いかけ
21世紀の新たな東アジアのパラダイムを模索して、
2001年から04年にかけて行なわれたレクチャー、シンポジウムの記録

「背中を見る方法」鶴見俊輔 
日本海「三つの過去」古厩忠夫
豊かな交流の歴史 藤本強 水野敬三郎 秋道智彌 福田アジオ

いま直面している環境 加藤真 宮崎信之 黒田一紀 得丸久文

平和の海を築くために 大沼保昭 金泰昌 中村喜和

森と川と海が育む暮らし 磯辺行久 尾田栄章 安田喜憲 平野秀樹 池内了 篠田昭 平山征夫 山田栄

つながる日本海
   

逸格の系譜 愚の行方

 
北川フラム/編
B5版 変型・272頁
定価2500円+税
ISBN978-4-7738-0706-6 C0036 Y2500E

 

越の国・新潟が育む
秀逸なる人格たち
個性的で自主自立の気概溢れる
その生きざま=愚の真実

対談―[坂口安吾]島田雅彦×高橋源一郎
   [西脇順三郎と堀口大學]工藤美代子×白石かずこ
   [北一輝]別役実×吉田喜重
講演―[北一輝]朝倉喬司・[小川未明]阿刀田高
   逸格評伝29本/逸格プロフィール47人/付年譜・資料一覧

良寛 坂口安吾 北一輝 鈴木牧之 親鸞 堀口大學 小林古径 諸橋轍次西脇順三郎 日蓮 田中角栄 河合継之助 土田麦僊 吉田東伍 大杉栄 直江兼継 井上円了 濱谷浩 土田杏村 小川未明 中村十作 横山操 石黒敬七 上杉謙信 内山愚童 長谷川巳之吉 牧口常三郎 杉本鉞 生田萬 庭野日敬 大橋佐平 涌井藤四郎 益田孝 平出修

逸格の系譜
   

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2006

 
北川フラム/監修
大地の芸術祭実行委員会東京事務局/編
井原靖章+井原由美子/デザイン
A4版 並製・304頁
掲載図版400点以上
定価4800円+税
ISBN 978-4-7738-0704-2 C0071 Y4800E

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震災と豪雪を乗り越え、輝きを増した第3回「大地の芸術祭」。大地の芸術祭2006にエントリーした全作品、イベントの記録を掲載する記録集がついに登場。760平方kmという広大な地域に人口74,000人、過疎高齢化に悩む中山間地にひと夏で30万人以上が訪れた。337点の全作品とイベントをすべて掲載。地域・世代・ジャンルを超えた人々の協働により、新しい地域づくりのモデルとなった「越後妻有方式」の全プロセスを凝縮させ、10年間にわたるプロジェクトのすべてが詰まった1冊!

【内容紹介】
《妻有の宝物・里山のアート》2006年大地の芸術祭の全作品・イベントを収録。
《妻有学》大地の芸術祭の背景である越後妻有の気候、風土、生活文化
《プロジェクトレポート》空家プロジェクト、「小白倉いけばな美術館」、「うぶすなの家」3つの地域プロジェクトのレポート
《大地の芸術祭50日録》ディレクター北川フラムによる芸術祭の50日
《妻有の10年》1996年プロジェクト発足から2006年まで、難産の軌跡、応援団の手記、妻有びとインタビューなど
《4つのエッセイ》各界の知識人・専門家は芸術祭をどう評価するのか
福武總一郎(株式会社ベネッセコーポレーション代表取締役会長)、中原佑介(美術評論家)、アリソン・キャロル(アジアリンク財団アーツ・プログラム・ディレクター)、筑紫哲也(ジャーナリスト)

   


娘と映画をみて話す・民族問題ってなに?

 
山中速人
泉沢儒花(Bit Rabbit)/装丁    
定価1300円+税
ISBN978-4-7738-0705-9 C0036 Y1300E

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民族間の対立・衝突やテロ事件に悩む世界の国ぐに。 外国人労働者の増加によって変化しつつある私たちの社会。 気がつけば、世界はさまざまな「民族問題」であふれている。 でも、民族って一体なに? どうして民族が問題になるの? 「クラッシュ」「ホテル・ルワンダ」「ライフ・イズ・ミラクル」 など、数かずの話題の映画を観て、民族問題の背景を知る。 「民族問題」を育んだ 幻想と現実
(目次)
第一夜 「極北のナヌーク」をみて話す
異民族との最初の出会い(ファースト・コンタクト)
第二夜 「地下の民」をみて話す
西洋が侵入し支配した時代
第三夜 「アルジェの戦い」をみて話す
独立を求めて民族は闘う
第四夜 「ぼくの国、パパの国」をみて話す
人びとが移動する「ひとつ」の世界
第五夜 「クラッシュ」をみて話す
自己主張し、衝突するエスニック
第六夜 「ライフ・イズ・ミラクル」をみて話す
創られる「民族」という神話
第七夜 「ホテル・ルワンダ」をみて話す
民族問題の影に隠れるものの正体

   


壁の涙 法務省「外国人収容所」の実態

 
「壁の涙」製作実行委員会

定価1300円+税
ISBN978-4-7738-0703-5 C0036 Y1300E

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母国に帰ることができない外国人たち。入管収容施設でいま、何がおきているのか?「その存在を知ること」からすべてが始まる。被収容者たちの声を届ける徹底調査ルポ。

目次
第1章 入管被収容者への支援の現場から(大きな自転車を買うから
檻のない檻―収容体験者の証言から知り得たその実情
日本の外国人政策と入管収容施設)
第2章 難民と外国人に嫌悪感ある日本―被収容者の手記
第3章 入管収容の実態―その証言と解説(被収容者とわたしたち
収容される人々
収容状況
医療問題
暴力行為
仮放免
強制送還
入管の「国際化」にむけて)
第4章 国家の壁と民族―インタビュー 山村淳平

   


鴉の目―大道寺将司句集II

 
大道寺将司
辺見庸序文
本永惠子/装丁    
A5判 上製・127頁
定価1500円+税
ISBN 978-4-7738-0702-8 C0092 Y1500E

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忘却が記憶を制圧してはならない。
忘却による記憶殺しを許してはならない。
少なくもこれからは
記憶殺しに加担してはならない。
そのことを本書は黙示する。
最終次元の言葉で静かに語っている。
【序/記憶と沈黙 辺見庸】より

【著者紹介】
大道寺将司(だいどうじ・まさし)
1948年 釧路市生まれ
1969年 法政大学文学部史学科入学
1974年 三菱重工業本社ビル爆破 
死者8人 負傷者385人
1987年 死刑判決確定
確定死刑囚として現在に至る
著書に「明けの星を見上げて」、(れんが書房新社 1984年)、「死刑確定中」(太田出版 1997年)、「友へ 大道寺将司句集」(ぱる出版2001年)がある

   

グアヤキ年代記  遊動狩人アチェの世界

 
ピエール・クラストル
毬藻充
粟津潔/装丁
A判・上製・約480頁
定価4800円+税

ISBN978-4-7738-0700-4  C0339 Y4800E

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ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリが崇拝した人類学者ピエール・クラストルの処女作。彼はパラグアイの先住民族・グアヤキの宿営地で、1年間インディオとともに生活し、今は失われた部族をつぶさに観察した。

子どもの誕生、成人の儀式、狩人たちの遊動生活、一妻多夫文化の原因と掟、徹底的に暴力を拒む政治システム、儀礼的殺人の風習、同性愛者の生と死……。そして彼はついに、グアヤキの秘められた風習・食人習慣をつきとめる! 本書は、32、3歳の青年であったクラストルが書き記した400ページを超える力作の完訳である。

【著者紹介】
一九三四年に生まれ、パリで哲学を研究した後、民族学を研究。パラグアイのさまざまなインディオの部族と数年間を過ごす。フランスに帰国して一九七四年に国立科学研究センター研究員、一九七六年にフランス国立高等研究院(EPHE、第五部門、宗教科学)の教授になる。一九七七年に事故で亡くなった。著書に、『国家に抗する社会』(渡辺公三訳、水声社、一九八七年)、『大いなる語り――グアラニ族インディオの神話と聖歌』(毬藻充訳、松籟社、一九九七年)、『暴力の考古学―未開社会における戦争』(毬藻充訳、現代企画室、二〇〇三年)などがある。