2003年11月22日掲載
諫早市在住の野崎です。
諫早市立の小学校の6年生は全部、教育出版社の社会を使用しています。絶対評価になり、評価をどのように教員がつけているのか、生徒の到達度をはかる、「評価基準表」の開示請求をしました。なお、出版社とこの「評価基準表」との関係は定かではありません。
★まず、6年社会の教科書(教育出版)は14単元から成り立っています。”国を愛する心情をもとうとする”という表現がされている単元は【4.武士の登場から天下統一へ(2)】と、【5.民衆の成長と社会の変化(1)】でした。
1.大昔の人々の暮らし
2.大陸に学んだ国づくり
3.武士の登場から天下統一へ(1)
4.武士の登場から天下統一へ(2)
5.民衆の成長と社会の変化(1)
6.民衆の成長と社会の変化(2)
7.新しい時代の幕あけ
8.二つの戦争と日本・アジア
9.アジア・太平洋に広がる戦争
10.平和で豊かな暮らしを目ざして
11.身近な暮らしと政治
12.憲法とわたしたちの暮らし
13.日本とつながりの深い国々
14.地球の環境と平和
4.武士の登場から天下統一へ(2)を見てみましょう。
★「単元の評価基準」では
◆社会的事象への「関心・意欲・態度」
1)信長・秀吉・家康に関心を持ち、人物の行動や考え方、
業績について意欲的に調べ、考えながら追及しようとする。
2)調べたことをもとに、信長・秀吉・家康の果たした役割に
ついて理解を深め、わが国の歴史や伝統を大切にし、国を
愛する心情を持とうとする。
この「関心・意欲・態度」の項目では、十分満足できる(A)とお
おむね満足できる(B)努力を要する(C)のABCのランクに
評価されます。
これを見れば、日本の国とは書いていませんが、わが国の歴史
は、信長・秀吉・家康の天下統一の内容ですから「国を愛する
心情を持とうとする」の”国”は日本を指してるとみていいでしょう。
★「評価場面」(方法)では
生徒の「発言・ノート」「行動観察・ノート」「作品」で評価をします。
これらもABCのランク付けをします。
★「具体的な評価目標」では
生徒の「思考」「技能」「知識」「関心」を評価をします。
同じくABCのランク付けをします。
5.民衆の成長と社会の変化(1)を今度はみてみましょう。
★「単元の評価基準」では
◆社会的事象への「関心・意欲・態度」
1)家光の権力の大きさに関心を持ち、江戸幕府の始まりや政治に
ついて意欲的に調べ考えながら追及しようとする。
2)調べたことをもとに、家光の果たした役割について理解を深め、
我が国の歴史や伝統を大切にし国を愛する心情をもとうとする。
ここでもやはり、家光の国は日本ですから、日本の歴史や伝統
を大切にし、日本の国を愛する心情をもつことが望まれる授業
になるのではないでしょうか?
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ちょっと笑ってしまった箇所をご紹介します。
11.身近な暮らしと政治
◆社会的事象への関心・意欲・態度
1)国民生活の安定と向上を図るために大切な働きをして
いる我が国の政治に関心を持ち、意欲的に調べ、考えながら
追及しようとする。
↑
おいおい!生徒に嘘を教えたらいかんよ!国民生活を脅かしている
今の政治と経済不況は年間3万人以上の自殺者を出しているのに・・
この社会の教科書のトーンは全般的に、日本の歴史を美化し、天下
統一を賛美してる偏った教科書に感じました。批判を社会科で学ぶ
ことにはほど遠い。専門的な先生方はどう思いますか?