2013年11月11日掲載
ラテンビート映画祭で「ダヤニ・クリスタルの謎」(マーク・シルバー)を見た。監督はメキシコのマーク・シルバーで、メキシコ・イギリスの合作映画だった。2010年、アメリカのアリゾナ州とメキシコの国境に位置するソノラ砂漠である出稼ぎ労働者(アメリカ側から見た「不法移民」)の遺体が見つかった。この場所は国境警備隊が「死の回廊」と呼ぶ危険区域である。遺体は身分証明書を所持しておらず、手掛かりは彼の刺青「ダヤニ・クリスタル」の文字のみだった。
映画では、この謎の遺体の人物像と、刺青に残されたダヤニ・クリスタルの謎を探っていく。 ナビゲーター役のメキシコの俳優、ガエル・ガルシア・ベルナル(「モーターサイクル・ダイアリーズ」で若きチェ・ゲバラを演じた。)は、移民労働者と一緒にメキシコ側からアメリカへ国境を越え、謎の人物の心象風景に迫る。中南米諸国から不法に国境を越えねばならない出稼ぎ労働者の実態に鋭く迫ったドキュメンタリーで、大きな感動を覚えた。
「ダヤニ・クリスタルの謎」公式ホームページ
http://www.whoisdayanicristal.com/