2013年4月20日掲載
昨年5月、我が最愛且つ飲み友の家保さん(家ちゃん)が62歳で命の幕を閉じました。彼とは熱帯雨林の地パプアニューギニアを皮切りに、マダガスカル、タンザニア、ボルネオと一緒に旅をしました。彼がこよなく好きだったのは、2回旅したコスタリカでした。病(肝臓がん)に侵されながらも、一緒に飲み、歌い、語らい、そんな時、「もう一度行くとしたらコスタリカへ」との思いを熱く語っていた彼でした。逝くときもコスタリカで10年前に買ったTシャツで旅立ちました。葬儀の前日、お姉さんに「たー(家ちゃん)は末廣さんと一緒に行きたいんよ」と言って頂き、遺骨を胸にコスタリカへ旅に出る決心をしました。
3月19日早朝、伊丹から成田へ。ダラスフォートワース空港経由サンホセ行きの旅路でした。 英語が全く駄目なオヤジが、無謀にアメリカ経由で行くなんて・・.特に税関で、遺骨(小さいけど)の運搬で犯罪関与の嫌疑をかけられたら、との不安でいっぱいでした。最後には開き直りと、家ちゃんが付いていてくれる、の気持ちを胸に飛び立ちました。宿泊先のトロゴンロッジは、偶然にも10年前に家ちゃんと泊まった同じ部屋でした。何しろそこは標高が3000m近いにも拘らず、当時は暖房設備がなくて、ベッドサイドの白熱灯のスタンドで、二人で暖をとったことがよみがえってきました。ケッツァールやたくさんの鳥たちがいるSavegreの森に、彼の遺骨と写真を埋めました。鳥たちの声を聴きながら、あの穏やかな顔で静かに眠っていることでしょう。「おーい、家ちゃん!幽霊でもお化けでもいいから出て来て、一緒に酒飲んで、歌おうや」
(末廣 義則)