LA SIESTA

家保さんの思い出vol.10
我が家の猫事情」(9)
-ロック行方不明となる-

2012年2月6日掲載

 昨年、忘れもしない11月22日。午後2:00過ぎの自由散策。みんな鼻をひくひくさせながら嬉々として出かけたのに・・・。
 普段なら1時間~1時間半もすれば、さみだれ式にみんな帰ってくるのです。その日もそうだろうと思っていたのに2時間経っても3時間経ってもロックだけが帰ってこない。2002年4月に我が家で生まれた6匹の内の1匹です。あと半年ほどで10歳になる、兄弟の中では1番おっとりとした男の子なのです。その日は待てど暮らせど帰っては来ませんでした。夕方も、夜も、明け方も名前を呼びながら近所を捜し回ったのですが・・・音沙汰無し。
 一体どうしてしまったんだろう?帰ってこれない理由は?①交通事故、②犬や子どもにでも追いかけられて道に迷う、③どこかに潜り込んで抜け出せない、④車の荷台にでも乗り込んだまま移動した、⑤それとも・・・。
 3日が過ぎ一週間も経つとかすかな望みも消えていきます。もう没して久しいが以前にジェリーというこんな猫もいました。時たま外泊が続き、帰らない日が3日、5日、10日となり、そしてそれが2~3度繰り返されて結局判明したことは彼は別宅通いをしていたという事実でした。ロックの性格では無理だとは思うけれど、もしかしてあのジェリーのように・・・。

「立ち別れ いなばの山の峰に生ふる 
まつとし聞かば いま帰りこむ」・・・。

 奇蹟がおこった。12月2日、何と10日ぶりに弱々しく鳴く猫の声。夕方5:00過ぎロックが帰ってきたのです!! 警戒しながらもすり寄ってきた身体は薄汚れ、腰骨も浮き出てかなり窶れたたたずまい。嗚呼、誰に何に感謝すればいいのだろう。思わず抱きしめてしまいました。目立った外傷はありません。どこでどうしていたのやら。それまで何となく意気消沈していた他の猫たちも大興奮の態でした。体力が回復したのは2週間後、もとの体形に戻ったのはゆうに3週間を経過してからでした。
 ヒトもペットも他の動物たちも一歩外域に出れば常に危険と隣り合って生活しています。何に遭遇するかわかったものではありませんが素晴らしい出会いや発見もそこにはあるのです。
 危険は承知で、ウキウキの自由散策は勿論今も続いています。   

(イエティ)


(体力回復後のロックです)