学労ネット

市教委交渉報告

2016年11月9日掲載

(2016.8.10)
   
 5月26日に開催した学校労働者ネットワーク・高槻第18回定期大会の決定に基づき、労働条件に関わる要求書を市教委に提出し、交渉を行った。

A.地方公務員法55条(交渉)に基づき、誠意と責任を持った交渉を確認。

B.病欠者の実態
 市教委は、2015年度の疾病による病欠・休職・退職数、及びそのうちの精神疾患(精神疲労)に伴う病欠・休職・退職者数の資料を提供した。説明は、数字の増減のみで、実態の分析や改善策は、何ら示されなかった。
組合の要求
・病気休暇取得者が、昨年度より増えている。数字の増減のみに注目するのではなく、勤務時間や業務内容との関係から原因を考え、改善することを要求。
・再任用職員が病気休暇を取得した場合、代替講師が配置されているかどうかを調べて報告すること。

C.勤務時間短縮に伴う制度変更について
(1)市教委は、学校の業務を削減する行程を作るプロジェクトチーム設立について「研究を継続している」と言う。しかし、どう進んでいるのか全く見えてこない。また、昨年度2月に全校で実施された、出退勤把握システムの試行実施に基づく、時短への具体的な方向性や、システムの改善策も示されなかった。
組合の要求
・プロジェクトチーム設立を強く要求。
・出退勤把握システム試行実施の結果・分析・システム運用の総括を文書で提供すること。

(2)学校内の業務削減に向けての業務削減基準作成について、市教委は、タブレットやパソコンの活用・35人学級等で各課と連携し、どんなことができるか考えていると回答。 
組合の要求
・現場の忙しさが一向に変わっていない事を主張。教職員課・指導課等が連携して、現場に具体的な基準を示すことを要求。

D.再雇用制度及び高齢者部分休業制度について
(1)再任用職員及び高齢者部分休業取得者の配置について
 今年度(2016年度)、再任用短時間勤務職員であるS組合員が、規定に反する初任者指導の「校内指導教員」に配置された問題について。高槻市内でこのような事案は1件のみであった。担当は教育センターであるので、教育センターの担当者と組合の話し合いの場をもつことを確認した。

(2)再任用職員の配置については、再任用希望者(新規・更新)の意向や希望を正確に把握することを確認したが、昨年度、市の意向調査からもれた対象者がいたり、学労ネットのN組合員が、何の説明もなく本人の意向に反した配転をさせられた問題があったので、再度校長を指導することを確認した。

(3)2014年度の定期交渉で確認されたにもかかわらず、今年度(2016年度)も、再任用短時間勤務職員が3小学校(6名)で担任をしている実態が明らかになった。市教委は、来年度は0にすると明言した。
組合の要求
・今年度も規定に反した実態がある。市教委として、こうなった理由を府教委に、どのように伝えているのか確認して、組合に連絡すること。

E.休憩の保障と勤務実態調査関係
(2)市教委は、一度は約束しておきながら「予算がきびしい」という理由で、今年度も労働安全衛生組織を設置していない。
組合の要求
・労働安全衛生法違反であるので、きちんと進めていくよう強く要望。
※市教委は、ストレステストを実施
 労働安全衛生法が改定され、予算がついたので、今年度中に全ての学校・全職員に実施する。
・ストレスチェックを、産業医の健康相談とのリンクを考えて進めること。
・チェック項目は、ハラスメントの視点を取り入れ、きちんと研究して決める事。

F.評価育成システムに関して
(2)昨年度の自己申告票提出率99.9%、開示面談の実施率100%、不服申し立て1件。大阪府に上げた「平成27年度(2015年度)評価育成システム実施状況報告」の情報は、開示請求してほしい。
(3)保護者アンケートにおける個人情報は、適切に管理している。評価分布の分析はまだできていない。校長会での提示以降に提供する。
組合の要求
・評価育成システムに断固反対する立場は、変わらない。
・評価育成システム実施状況報告を、国・府に出した時期に提供するよう要求。

G.宿泊を伴う学校行事に関わる勤務時間の割り振りについて
(1)休憩時間の明示方法、休憩時間の明示内容は、校長会で周知した。休憩時間を取得できなかった場合の措置は、校長の専決事項である。
(2)今年度(28年度)は「勤務時間の割振りに関する実態調査」を実施しない。
組合の要求
・市教委は、「校長会で周知」しただけである。適法な休憩時間を付与するために、また、休憩時間を取得できなかった場合の措置についても、市教委として何ができるか、きちんと考えるよう要求。

H.勤務地を離れた研修について
 教育公務員特例法22条2項の「勤務場所を離れた研修」について、長期休業中において今後も変更がないこと、それ以外においても変更がないことを確認した。
(末廣)