2016年3月16日掲載
2016.2.10 指導課交渉報告
(志摩)
(1)夏休み水泳指導・管理運営規則改悪について
職員の勤務実態を考えず、不当な経過で決定された管理運営規則改悪は受け入れられないと抗議し、人的配置の保障を要求した。
夏休み水泳指導に関しては、指導課が責任をもって人的配置することを確認。
(2)2学期制について
各地で撤退せざるを得なかった2学期制の問題点も挙げ、高槻市が導入時にメリットだと吹聴していた学力UP・授業時間確保・特色ある学校づくりも達成されていない実態を問い質した。教職員向けのアンケートを実施し疑問や不安・反対意見を課題として受けとめ2学期制を廃止するよう要求した。
(3)連携型小中一貫教育について
○連携型小中一貫教育で生じた業務量の増大について
・連携型小中一貫教育により教職員の業務量は増大し、子どもの授業時間も減っている現状を訴えた。授業時間数が不足するからと予定されていない午後からも授業をするよう言い出した校長がいた。これ以上現場が混乱しないよう、連携型小中一貫教育に関する研究授業の為に生じた授業カット時間数を指導課が主体的に調査し、個別的な具体的データを把握するよう要求した。指導課は教育課程の時数調査を実施しており、改めて授業カット時間数の調査はしないと回答。
・携型小中一貫教育に関する件で休憩時間が取得できているか調査し把握するよう要望があったことは教職員課に伝えると答えた。
○小学校の存在意義の矮小化、中学校文化の前倒しになるデメリットについて
中学校の上から目線的対応が小学校児童の自尊感情を損なっている。小学校存在意義の矮小化・中学校文化の前倒しの危険性・小学校でしか出来ない育ちの意義等について指導課が機会ある毎に指導するよう要求した。
○施設一体型小中一貫校設立について
・様々な問題点を孕みながら「連携型小中一貫教育」が2017年度(平成28年)から全中学校区で実施とされている。そんな中、市長は突然、2015年6月の本会議で、「27年度に『施設一体型小中一貫校』設立に関する検討委員会を立ち上げ、平成28年度以降に審議会を立ち上げる」と施政方針を述べ、教育指導部長も同内容の答弁をした。組合は、指導課に説明を求め、教職員課にも状況を確かめたが、どちらも「まだ何も動いていない。全く分からない。」という無責任な返答であった。この件について、組合は一切説明を受けておらず、抗議し、早急な説明と検討委員会の文書等関係資料を提供するよう要求した。
指導課は、一緒に事業を進めている管理部の了承を取り、施設一体型小中一貫校の設立経過・検討委員会の文書資料・スケジュールについての資料を組合へ提供すると回答。(2/15に寿栄小に連絡して文書を提供)
・施設一体型を検討する前に指導課がやるべきこととして、連携型小中一貫教育のメリット・デメリットの総括をし結果を教職員にも丁寧に知らせていく必要性を説き、指導課は了承した。
(4)特別支援教育について
○児童・生徒に対する支援体制について
・児童・生徒の教育や安全を保障し命を確保するため、教職員の過重労働軽減をするため、教員の定数増、実態に見合った加配・支援員を要求した。
・寿栄小に対し市が当初「定員を1名超えても増設はできない」と返答し、現場に不安と動揺を招いた。クラス定員越えで学級増設ができない状況が起こらない様、市が府へ強く要望するように要求した。
・又ダブルカウントの復活を府へ要望するよう要求した。
(5)道徳教育・日の丸・君が代・元号
○道徳教科化について
組合は、道徳教科化は戦前の皇国史観・軍国教育に基づく修身の徳目の復活であると考える。高槻市が主体性を持って道徳教育の押し付けに反対するよう、また、高槻の人権教育に抵触しないか検討し今までの高槻教育の良さを追求するよう要求した。安田指導課長は、特定の価値の押し付けではなく、子どもが流されず内容について主体的に考えられる高槻の道徳教育をめざしたいと返答した。
○私たちの道徳について
「私たちの道徳は副読本ではではなく、資料である。」との昨年と同じ確認を粘り強く要求したが、指導課は「私たちの道徳は副読本ではではなく、道徳用教材である」との回答に固執した。
○日の丸・君が代について
・戦前の天皇制国家・天皇制教育で日の丸君が代が歴史的にどんな役割をはたしたと認識しているかを指導課に質した。
安田指導課長は「日本が戦争をした時の旗であり戦争を勧めた天皇を称える歌であるという解釈は変わり、日本国民の象徴として日本の平和を願った歌であり国旗である。」「日の丸は平和の旗と国が言っている。」と発言。それが記載された出典文章を示すように迫ったが、課長は指示できず個人的解釈に終始した。
・高槻市が学習指導要領に基づいた適切な指導の中身だと回答した4点指導(国旗掲揚、式次第に「国歌斉唱」明記、起立斉唱、ピアノ伴奏)は学習指導要領には書かれておらず、学習指導要領に基づいて4点指導を行ことは勇み足である。学習指導要領に基づきというならば趣旨からいってこうだと説明する必要があり、学習指導要領の本文を記載して説明しなければならない。これは高槻市の判断として説明すべきである。説明も一切なしで教育委員会の恣意的判断で4点を強制し、あろうことか交渉中に組合員の内心の自由にまで踏み込んだ安田課長の答弁を追及した。さらに安田課長は「国旗は壇上で正面の高い位置に張り付けるのがふさわしい」との問題発言をし、「学習指導要領の特別活動の中に、起立して斉唱する指導をすることが書かれている」と個人的解釈で学習指導要領を勝手に変えるお粗末さも露呈した。
(6)学習指導要領に関して
○土曜学習支援事業「学びup講座」について、学習塾のトライと提携した経過説明を求めた。
指導課は、プロポーザル方式(提案型入札)を取り、立ち上げた委員会で決めた観点を基に市が希望する教育を業者に示し、2社の提案内容を検討した結果トライを選定したと説明。他1社の名前については公表できるか確認し組合へ報告すると指導課は回答した。
○今年ALTが1年間に3人も交替し授業に支障を来たした。また1月末で雇用が切れるので働き方が厳しい。ALT制度より優れている都市交流員の体制を復活するよう要望した。
○学力テストについて
・来年度も学力テストの学校別結果を公表しないことを確認。
・中学3年生の学力テスト結果が内申に加わることで制度が2転3転している件では、この間ずっと子ども・保護者に心配をかけ不安を与えてしまったと市教委が見解を述べた。
・今行われている学力テストは5科目重視であり、4教科以外を軽視する塾や教員さえ出されかねない学校が生じる傾向に拍車をかけている。一定の基準を作るのであれば総合的な学力を測る基準でなければならない。教育委員会は根本的に学力の捉え方を考え直す必要があると組合は指摘した。
(7)その他・・・教科書採択について
組合は、今年も採択の教育委員会前に全面情報公開してもらえた礼を述べ、近々、吹田・茨木にならい、事務局が作成し採択の委員会で各教科担当者が読み上げた説明原稿を情報公開請求する旨を伝えた。