2015年6月20日掲載
3月11日、高槻市役所前抗議集会(大阪ユニオンネット春闘総行動)が行われました。AETスーパーバイザーのDさんは、「高槻市と市教委は、AET達の期待を裏切った。」と日本語で訴え、大きな拍手が起こりました。
同11日に、ゼネラルユニオン(高槻AETの5名が組合員)と北大阪合同労組(Dさんが所属)、両組合が申立人となり、高槻市とトゥーンバ市連合協議会を相手どり、大阪府労働委員会へ不当労働行為救済申立書が提出されました。
以下、請求された救済内容を一部掲載します。
(1)両被申立人は、市教委元幹部が家主である住宅への、職権利用の居住強制を行わず、かつ転居を理由とした雇用契約更新拒否を行わないこと。
(2)高槻市は、組合員の直接雇用廃止の強行のための代替措置である「語学業者との偽装派遣ー偽装委託」の違法な入札を、直ちに中止すること。
(3)トゥーンバ市は、組合員の高槻での転居や、ゼネラルユニオン加盟に介入したり、「一部AETによる政治問題化と破壊的行為」などのメールを、送信するなどした労組と労組員への中傷をやめること。
(4)高槻市は、両組合員全員と永年、雇用契約を締結しながら、労組加入への対抗として、「雇用契約書は間違って結んできた。委託や有償ボランティアだった」などの労働者性否定を、突然開始したが、これらを直ちに撤回し、雇用責任を果たすこと。また、「組合員への労働法適用【労災保険・雇用保険・社会保険・労基法など】への妨害をやめること。
(5)両被申立人は、下記謝罪文を、両市の全戸対象広報誌の1ページに、また、両市ホームページのトップページに30日間掲載しなければならない。
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謝 罪 文
トゥーンバ市のAET講師
ゼ ネ ラ ル ユ ニ オ ン
北 大 阪 合 同 労 組 各位へ 高 槻 市 長 濱 田 剛 史
トゥーンバCEO Brian Pidgeon
私達は、両市間が姉妹都市でありながら、それに基づいた、高槻市立学校へのトゥーンバ市民の講師【AET】招聘にあたって、高槻市教委幹部ら所有の住宅への入居を強制し、「家賃支払を拒否すれば雇用契約解除」としてきました。
それに耐えかね、地震なども危惧したAETが一斉に転居しましたが、私達は、それに激怒してしまい、両市は突然、講師派遣と雇用を一方的に中止し、AET全員を雇い止めにするという間違いを犯してしまいました。
また、両市が20年来、「雇用契約」を締結してきていながら、年次有給休暇・健康診断などの法定義務を怠ってきました。公的強制保険である労災保険・雇用保険・社会保険などにも加入させませんでした。
そして、労組が結成されるや、対抗として、「雇用でなく委託だ。ボランティアだ。市職員ではない」などと、あってはならない虚偽の反論を始め、発覚後も、公的保険への加入を妨害してまいりました。
これらの間、人権を侵害され続けた講師たちが、高槻市長やトゥーンバ市長に対して、面会や改善を、再三要請したにもかかわらず、両名は、これを黙殺しました。全員の雇い止めを決定したのが市長部局であったのが明白になった後も、高槻市長は、一度も面会や労使交渉にさえ、出席しませんでした。
一方、高槻市は、AET講師の直接雇用の代替として、「職安法と派遣法違反の偽装委託」の業者を、入札で募集する「丸投げ」をしてきました。このことは、法違反のみならず、語学教育の質を下げ、学校現場に多大な混乱を与え、児童・保護者・教職員にも、大きなご迷惑をおかけしました。
そして何よりも、英語教育と国際交流のため、高槻に住み、学校現場で奮闘して頂いていた講師とスーパーバイザー各位に、多大の被害を及ぼし、結果、職を奪い、日本滞在の道をも閉ざす違法行為と人権侵害をしてしましました。
ここに、大阪府労働委員会の命令に基づき、謹んで謝罪申しあげます。
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3月19日 学労ネット・高槻は、教育センターの中西所長以下3名に、雇い止め事件が起こった経過を尋ねるとともにAETの雇い止めは不当であることを訴えました。しかし、中西センター長は、「雇い止めは、小学校で英語が教科化するため・・・・現AETでは力不足」と事実を隠蔽し、高槻の子ども達とともに歩んだAETを切り捨てる答弁に終始。私たちをあきれさせました。
3月31日 高槻市教委は「組合員は労働者ではない」と主張してきましたが、二つの公的機関がAETは市に雇用された労働者だと認定しました。
労働基準監督署が、X組合員のケースを労災保険が適用されるけがとして正式に認定しました。また、公共職業安定所がY組合員の雇用保険加入資格を正式に認めました。2人とも市の主張に反し、労働者として認定されたのです。
(ジェネラルユニオンHPより)
4月 AET8名のうち、3名はオーストラリアに帰国しました。Dさんも残りの5名も日本で再就職しています。
4月21日 MBSのヴォイス「憤懣本舗」でAET雇い止め事件が「英語を教えられない!原因は住居トラブル」という題名で放映されました。
*PCやスマホで「高槻AET 憤懣本舗」と検索すれば視聴できます。
不当労働救済の判決に至るまで数年かかると言われています。英語講師の賃金は決して高いとは言えません。彼らの厳しい闘いに見合う、正しい判決が出されることを強く願い、最後まで共闘したいと思います。
(長谷川)