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14年度対市交渉要求

2015年2月8日掲載

 学労ットは、2月2日、高槻市と交渉を行います。争点は、時短制度への市教委の取り組みについて。勤務実態や市教委が出退勤管理を配布されたタブレットで教職員にさせようとしている事についても追求していきます。

要     求     書


2014年11月14日

 高槻市長  濱田 剛史 様
 高槻市教育委員会
 教育委員長 中村 公美子 様
 教育長   一瀬   武 様


学校労働者ネットワーク・高槻
執行委員長  松 岡  勲 

(中 略)

A.地方公務員法55条(交渉)に基づき、誠意と責任を持って交渉を履行されたい。
B.勤務時間短縮に伴う制度変更について
(1)市教委は、時短制度の遵守、追求のため学校の業務を削減する行程を作るプロジェクトチームを市教委各課を広く横断する形で立ち上げられよ。この取り組みがどこまで進んでいるのか、進捗状況を述べられよ。
(2)市教委は学校内の業務削減に向けて、業務削減基準を作られよ。
①勤務実態調査の進行状況について述べられよ。どのような形で校長会に提案されたのか?
②各教職員に、パソコンを貸与するとの事であるが、業務量削減や勤務実態把握とどう関わるのか?
C.再雇用制度及び高齢者部分休業について
◆「高齢者部分休業」について
(1)「高齢者部分休業」について、2014年2月4日の交渉で確認された以下の点について再確認されたい。
①申請の承認について
・府教委に対して、希望者は無条件に取得できるよう働きかけること。
・校長の恣意性を排除し、無条件で承認するよう校長を指導すること。
②休業日に関して
・休業日を配慮した学校行事等の計画をするよう校長を指導すること。/・行事等が行われた場合は、校長は高齢者部分休業取得者には出勤の義務がないことを所属職員に周知徹底するとともに、高齢者部分休業取得者が職場の同僚に気兼ねしないで済む「適切な配慮」のもとに学校運営を行うよう指導すること。
・勤務せざるを得ない場合は「振替で対応」し、「振替」が授業時間にかかる場合は、充分な補充体制をとるよう管理職を指導すること。/・公務災害の扱いは通常の職員と同じであることを確認すること。
③「介護休暇」「病気休暇(休職)」に関して
・それらの取得に関しては、通常の職員と同じ扱いであることを確認すること。/・その場合、代替者の処遇については、不利益にならないよう府教委に働きかけること。
④授業時間及び校務分掌の業務量について
・校務分掌及び授業時間については、出勤日数に案分された業務量にとどめるよう校長を指導すること。
⑤取り消しについて
・校長の恣意性を排除し、休業者本人の希望がない限り、あり得ないことを確認すること。
(2)「休業日代替」について
高齢者部分休業者の休業部分代替を、希望に基づき再任用短時間勤務職員(23時間15分)で充当するよう府に働きかけられたい。
(3)今年度、高齢者部分休業取得組合員の勤務校において、「休業日代替」が再任用短時間勤務職員で充当されたが、その際に大きな不都合が生じた。教職員課は2014年7月14日の交渉で、「原因をはっきりさせ、今後不都合が起こらないようにする。(不都合解消のため)教職員課として何ができるか考える」と回答された。そして、10月8日・15日に教職員課担当者が当該職員に電話で対応された。しかし、何ら不都合の解消には至っていない。職場の状況を把握し、緊急に対策を講じられよ。(後略)

◆「再任用制度」について
(1)再任用制度について2014年2月4日の交渉で確認されたい。以下の点について再確認されたい。
①非勤務日に行事等が行われた場合は、再任用職員には出勤の義務がないことを所属職員に周知徹底し、再任用職員が職場の同僚に気兼ねしないですむよう「適切な配慮」のもとに学校運営をするよう管理職を指導すること。
②非勤務日に再任用職員が勤務せざるを得ず、振替が授業時間にかかる場合は、充分な補充体制をとるよう管理職を指導すること。
③非勤務日に勤務して、「公務災害」に該当する事由が惹起した場合、身分上通常の職員と同じ扱いである事を確認すること。
④再任用短時間勤務職員が「介護休暇」や「病気休暇(休職)」を取得する場合、身分上通常の職員と同扱いである事を確認すること。
⑤「週23時間15分勤務を希望する再任用職員は、原則3日間勤務である。4日間勤務については、本人の了解が大前提であり、強制はない。」ことを校長に指導し文書としても提示する。

(2)再任用制度のルール作りについて
①今年度再任用職員の配置に関して、現場に教育上大きな不都合が生じ混乱を招く事案があった。「再任用希望者に対して丁寧なヒアリングを実施する」との方針では制度上の欠陥があると考える。
従って再任用募集の希望調査にあたっては、新規・更新全ての再任用希望者に対して高槻市独自の「意向調査」を実施し、再任用希望者の意向・希望を正確に把握すること。
ア.希望する勤務時間に関する調査/イ.希望する学校名(現任校での任用希望の有無)に関する調査/ウ.今後取り組みたい職務内容、具体的な教育実践内容/エ.希望調査にあたっては、再任用職員の職務内容に「初任者指導担当」が追加されたことに伴いすべての職務内容を事前に周知すること。
②勤務時間・勤務場所・職務内容に関しては本人の希望を最大限尊重すること。とりわけ短時間勤務再任用職員が希望する週あたりの勤務日数や勤務場所については、本人の希望を最大限尊重すること。
③高齢者部分休業者の休業部分代替を、希望に基づき3日間(23時間15分)勤務の再任用職員で充当するよう府に働きかけられたい。
④再任用短時間勤務職員の担任配置について
該当者に配布された「再任用制度について」(平成26年10月1日付)において、「4職務内容等」の項に(短時間勤務職員は担任等の常勤を前提とした業務は担えない)と明記されている。しかし、高槻市では、短時間勤務職員(週3日勤務)が担任配置されている事例があると聞く。事実かどうかお答え願いたい。  
⑤2014年度の人事日程の情報を提供されたい。

(3)再任用制度変更に係る勤務条件に関して
週31時間勤務の廃止に反対するとともに、本人の勤務形態(勤務条件)についての意向を反映する保障のない理不尽な再任用制度見直しに反対する。この件に係る諸課題について誠意ある回答をされたい。
①週23時間15分勤務で週4日勤務の場合(6時間×1日、5時間 45分×3日間の勤務時間の割振り)における休憩時間ついて明らかにすること。
ア1日の勤務が6時間以下であるので労基法上の制約はないが休憩時間をどうするのか。
イ.6時間を超える勤務があった場合、校長は休憩時間を付与しなければならないがどの時間帯に休憩時間を保障するのか明らかにすること。
②週23時間15分勤務で週4日勤務の場合、例えば8時30分始業なら14時15分(あるいは14時30分)に勤務が終了する。実質的に校務分掌や学年所属・学年分掌を持つのが困難になるなどの問題解決について明らかにすること。
③週4日勤務の再任用職員(6時間×1日、5時間45分×3日間)は、時間講師のような働き方にならざるを得ないと思うが、服務監督権者としての貴教委の見解を問う。(中略)

D.病欠者の実態
2014年度の市内在職者の疾病による病欠・休職・退職、及びそのうちの精神疾患(精神疲労)に伴う病欠・休職・退職の実態を明らかにされたい。また、管理職・首席教諭の希望降格者数、正式採用されなかった新任教員数も明らかにされたい。

E.労働安全衛生法の実施及び休憩の保障と勤務実態調査関係
(1)2014年度の産業医の健康相談の実績データーを示されたい。また、職員の健康維持のために早急に面接指導の体制を確立されたい。
(2)これまで実施されてきた退勤調査は、「出」退勤調査ではなく、また一部の学校の調査であるため不十分である。今年度は、休憩時間取得実態調査を含め、教職員の超過勤務実態を明らかにするために、全学校の超過勤務実態調査を実施されたい。
(3)労働安全衛生法改正後、一度はその実施を約束しながら、その約束を破り、市教委は労働安全衛生組織を設置していない。これは労働安全衛生法違反であり、早急に労働安全衛生組織を確立されたい。

F.評価・育成システム関係
(1)授業アンケートの以下の問題点についてどのような解決策をとられているか答えられよ。
①15歳以下の個人情報収集には本人の承諾と保護者の了解がいるが了解をとっていないことについて。また、対象者(児童生徒)が反対する保障をしていないことについて。7月の交渉では、「未成年については条例に規定がない。条例上問題がないか法務課とも検討している。」と回答されたが、法務課との検討の結果を述べられよ。
②前回交渉時に、「アンケートは、集約したら授業者の個人情報」と貴市教委は回答されたが、授業者の承諾をとらずに、管理職がデータ化・評価していることについて。同交渉で「パソコンでのデータ処理については、法令上問題がないか保護条例審議委員会にかけている。」と回答されたが、下記の「高槻市個人情報保護条例」の第1条、第3条(下線部)にあるとおり、教員の承諾をえないまま、データ処理することは、基本的人権の侵害に相当し、同条例に違反している。市教委の見解はいかがか。(中略)
③アンケートを正規の授業時間に子どもに書かせていることは学習指導要領違反であることについて。同アンケートが府の立案であっても、実施責任は高槻市である。教育委員会の見解を述べられよ。
(2)自己申告票の作成・提出は、職務の一環とされているが、自己申  告票の提出は、職務命令的な強制をもって行うべきでなく、あくまで主体的・自主的なものであることをあらためて確認すること。
(3)評価育成システムに関わって問題が生じた場合、随時組合と協議をすること。

G.勤務場所を離れた研修について
教育公務員特例法22条2項の「勤務場所を離れた研修」について、長期休業中において今後も変更がないことを確認されたい。また、それ以外においても変更がないことを確認されたい。

H.週休日服務の振替に関して
2004年度大阪府「週休日における教職員の教育活動等に係る服務の取扱いについて」の通知の運用については、昨年度2014年2月4日の交渉の場で確認された、以下の(1)~(6)までの再確認をされたい。
(1)業務の拡大につながらないこと。/(2)一方的に命じるものではなく、参加者の同意が必要であること。
(3)「週休日に行われた教育活動等」については、別の日に振り替えられねばならないこと。
(4)「週休日における教育活動等に係る実施報告書」の作成・管理の徹底をはかり、事前に振替日程の設定が確実に為されること。
(5)対象となるのは教職員(講師も含む)であり、若特・特嘱職員も含めて、この制度を管理職に都合良く利用させてはならないこと。
(6)これに関わる服務が週休日(非勤務日)においてである以上、「評価・育成システム」の「評価」対象ではなく、システムとは無関係であること。

I.宿泊を伴う学校行事に関わる勤務時間の割り振りについて
今までの交渉の場('14.2.4)で確認された、以下の(1)~(10)までの再確認をされたい。また検討課題として残された(11)(12)について回答願いたい。
(1)宿泊を伴う学校行事に関わる勤務時間の割り振りは、規則に基づいたものであり、事前に校長が教職員にその旨周知させ、教職員の意向を汲みながら校長から割り振りをおこなうものであること。
(2)1泊2日の宿泊行事の「勤務の割振り変更」は、1日の「勤務を要しない日」と1回の「半日勤務日」とする(合計は1.5日)。さらに場合によっては2日の「勤務を要しない日」の割振り変更もあるという事であったが、今後も変更がないこと。
(3)2004年6月10日交渉時、「労基法により休憩時間の翌日繰り越しはできない。」と回答された。それにつき休憩時間が翌日に繰り越さないよう、各職員に宿泊行事中に休憩時間の割り振りをし、休憩時間を取らせる義務を履行するように校長を指導すること。
(4)2005年度9月から割振期間が後8週から16週までと変更された。過重労働から来る心身保護のための回復措置であり、本来なら当たり前の最低8週目までに取れるよう校長を指導する事。
(5)宿泊行事の深夜の仮眠時間について
休憩時間や勤務時間が割振られていない時間については拘束時間外であり、当然職員が自由に利用できるものである。仮眠時間を自由裁量で過ごしてよい。(2008年1月31日交渉時の確認)
(6)勤務を解く時刻を、実態に応じて明確にすること。また勤務を解いた後は、管理職の責任において宿泊行事を遂行すること。
(7)(3)(6)に関しては、 校長が義務を履行したか、市教委が事後に点検・確認をし、教職員の健康維持の徹底を図ること。
(8)正規の勤務時間以外において急遽勤務した場合に夜間勤務手当は支給されないが、児童・生徒の負傷、疾病等に伴う救急の業務で正規の勤務時間以外に3時間以上従事した場合には、教員特殊業務手当(3時間以上6時間未満3.000円、6時間以上6,000円)の支給対象になることを校長及び各学校に対して周知すること。
(9)妊産婦(妊娠中の女性又は出産後1年を経過しない女性)および就学前の子どもの育児を行っている職員、家族の介護を行っている職員については、労基法第66条(時間外労働、深夜労働、変形労働時間制の適用を原則禁止)に抵触することなく、育児・介護休業法、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(以下、給特法という。)第7条の趣旨に基づき、宿泊を伴う引率業務を命じないことを原則にして運用するよう校長および各学校に対して周知するとともに指導すること。
ただし、本人が希望する場合は、個別の事情に十分配慮して宿泊行  事への参加を判断すること。
(10)夜間勤務手当(午後10時から翌日午前5時までの正規の勤務に対して1時間につき時間単価の125%を支給する)は勤務が15時間30分を超えると支給されない。実勤務が15時間30分を超えないよう校長を指導すること。
(11)児童生徒の安全確保を第一に、労働基準法に基づく適法な休憩時間を付与するために交代勤務が可能な引率人員の増員をはかること。この課題について市教委は2014年2月4日交渉時「何ができるかを考える」と回答した。具体的な提案をされたい。
(12)数年来「検討する」と回答しながら未着手のままの「勤務時間の割振りに関する実態調査」を、今年度は速やかに実施し、労基法違反の勤務実態がないか精査すること。又実施にあたっては、休憩時間確保に向けた取り組みをはじめ勤務時間の割振りと割振り変更の在り方ならびに夜間勤務手当など学校現場に資する内容とされたい。
(調査項目)
①勤務時間の割振り(休憩時間を含む)。/②別の勤務日への割振り変更(勤務を要しない日などの扱い)。/③週休日の代休措置。④休憩時間の明示の有無および取得状況。/⑤夜間勤務手当の請求時間数。
  (中  略)
K.夏期休業中の勤務について
教職員の夏期休業中の勤務については、従来からの市教委回答「格段の理由が無く勤務を強制すべきものではない。また、「『日直・宿直』の復活ではない。」を再確認されたい。

L.学校環境衛生について
高槻市内の教育関係諸施設において、安全な環境が整えられているのか、次の点についてデータ等を示して明らかにされたい。
(1)校舎等の耐震化について
2014年度に校舎の耐震化がなされた学校名と、
2015年度の計画。また、市内全校の耐震化は予定
(2015・平成27年度完了)通りなされているのか。
(2)校舎の老朽化への対応策について
①2014年度に校舎の老朽化対策がなされた学校名と、2015年度の計画。/②第三者機関の診断結果の公表と、その対応策。
(3)理科室、少人数授業教室、家庭科室等の特別教室に、エアコンを早急に設置されたい。
(4)夏休み5日間の水泳指導日が設定され、入水日が増加した。子どもの健康を鑑み、プール給水を2回に戻されよ。
(5)回収された実験用セラミック金網について
①総務課は、3年前明けに回収された実験用セラミック付き金網(以下金網)のアスベスト含有率、その該当校、その他の学校の金網の処分について、全小中学校と保護者に情報公開されよ。情報公開されないとすれば、その理由を述べられよ。
②ナリカ製金網(岩手小8枚)には、トレモライトが17%、ケネス製金網(6校該当90枚)には、トレモライトが20%弱、それぞれ含まれていた。これはJIS規格の0.1%未満を大きく上回る。
2007年に大阪府立高校の化学担当の男性教諭が中皮腫で死亡している。理科実験で使用したアスベストとの関連が認められるとして、地方公務員災害補償基金大阪府支部審査会が、今年2014年1月に校務災害として認定していたことが報道された。(3月18日付朝日新聞)
この教諭が実験にアスベストを使用した期間は1978年~84年。アスベストが、29年を経て教諭を死に至らしめたことになる。29年前に原因がしっかりわかっていたら、教諭は命をとりとめたかもしれない。特に高槻市の中学校の理科担当教諭は、長年アスベストが付着した金網を使ってきた事になる。教職員の福利健康を守るのは、教育委員会の大きな仕事であり、同件を市教委が看過することは、職務を放擲することになる。市教委は、トレモライト含有における健康被害の可能性を即調査されよ。(後略)