2014年4月25日掲載
指導課交渉(2014・2・18)報告
指導課との定期交渉が2月18日に行われたが、教職員課と継続して協議してきた超過勤務の解消・業務の削減について、指導課が教育課題として現場に下ろしてくる内容が超過勤務をさらに増やすという逆行した事態を引き起こしていることを問題としました。このことについて、指導課は教職員課と「共同歩調」を取っていくと回答しました。超過勤務の解消について、今後、ねばり強い闘いを組んでいかねばならないと思いました。
卒業式をひかえて「日の丸・君が代」の強制に反対する闘いがもうひとつの重点でした。一昨年度の山田組合員への「君が代」処分について、これまでの市教委・校長の責任を追及しました。今後、職務命令によって「日の丸・君が代」の強制しないこと、いかなることがあっても「処分による強制」をおこなわないこと、また、今年度の卒・入学式において、職務命令を背景にして、事前に『国歌斉唱』時の起立・不起立などについて個別に態度表明を求めるなど、教職員の「内心の自由」および「良心の自由」を侵害する行為を校長に求めないこと等を要求しました。さらに、思想・信条の自由を侵害し、個人情報保護条例に違反する「不起立調査報告」「口元チェック」などをしないことを求めました。
また、昨年度の寿栄小学校における卒業式についての2度目の「職務命令」の発出について、その事実関係を糾明し、校長及び市教委の責任を追及しました。この件について、組合員から「斉唱時、式場から出る」という提案があったことを市教委は校長から報告を受けていないという事実が判明しましたので、組合として市教委に強く抗議し、校長への再調査を求めました。その結果、市教委は校長への調査を約束しました。
第二次安倍政権になって、国家主義の強化、道徳の「教科化」等が企図されています。また、「心のノート」にかわって、「私たちの道徳」が4月より児童・生徒に配布されるとことになりました。「私たちの道徳」については、従来の「心のノート」についての確認と同様の確認、「私たちの道徳」についても「副読本ではなく、資料である」と確認できました。今後、道徳教育の押しつけに反対した取り組みを強めていかなければならないと思いました。
今年度は新指導要領により改定された小学校の教科書採択に入ります。前回の中学校教科書採択に関して、「情報公開審査会答申」「教育委員会決定」を獲得しましたが、今年度の教科書採択に関して、情報公開を要求し、採択過程を「ブラックボックス」にさせない取り組みを進めて行かなければなりません。交渉ではその情報公開請求の通告をしました。なお、「→以降」が市教委交渉の結果です。
(松岡)
(1)夏休み水泳指導・管理運営規則改悪について
① 夏休み中の職員の勤務実態を考えず、このような経過で決定された管理運営規則改悪は受け入れられない。
② 5日間の夏休み水泳指導を撤回されよ。
③ どうしても実施するのであれば、警備員、産休、育休、傷病休職、病気休暇等の講師、支援学級にかかわる非常勤講師、支援員の配置を保障されよ。
→水泳指導日に警備員を配置できるよう努めたい。病気休暇の配置については、大阪府教委に引き続き、要求していきたい。プールの給水回数、水質の維持について要求については、市教委は課題として認識し、管理部と協議していく。
(2)2学期制について
① 2学期制は各地で問題点が露出し、続々撤退を余儀なくされている。 デメリットしかない2学期制を高槻市は廃止されよ。
② 教職員への2学期制アンケートを実施すること。アンケートで出された疑問や不安・反対意見を課題として受けとめ、総括すること。
→アンケートについては、検討していく。二学期制について、京都市教委の状況を研究した。現状維持と考えている。引き続き検討していく。
(3)連携型小中一貫教育について
① 指導課は、教職員課と連携し、時短制度の意義を共有し、「連携型小中一貫教育」の業務削減に努められよ。
→連携教育の中で会議等業務量が増えている。教職員課とは「業務の削減」について協議を重ねてきたが、指導課は「業務削減」の認識が薄いのではないかと追及した。指導課としては、教職員課と同様「共通課題」として認識していると回答した。
②~④(略)
(4)特別支援教育について
支援学級入級児童・生徒の増加に伴い、そのニーズは多様化している。また、「通常」学級在籍の支援を必要とする児童・生徒も増えてきている。しかし、現場では職員の数が足りず、児童・生徒への学習保障・安全保障は十分とはいえない。児童 ・生徒の教育や安全を保障するため、教員の定数増、実態に見合った加配・備品設 備の整備を早急に実現されたい。
① サポート教室について (略)
② 特別支援コーディネーターについて
・支援学級担任以外で、コーディネーターとしての仕事が十分できる職員を各校1名配置すること。また、今年度、配置されている学校名と配置理由を明らかにされ たい。
→今年度は特別支援コーディネーターの配置はない。学校内で校長が指名する。
③ 児童・生徒に対する支援体制について
・種別による設置を進める、重度自閉症児等在籍の1クラスの定員を減らす等で、十分な人的保障をすること。
・正規職員が配置されない場合、市の責任で人的保障をすること。その配置については、現場の要望を十分考慮して配置すること。また、今年度の配置校と種別配置 人数を明らかにされたい。
・「通常学級」在籍の支援を必要とする児童・生徒に対する支援体制確立のため、対応できる職員を配置すること。
→特別支援員の配置についての資料を入手。特別支援員の配置は、各校の実態をきっちり把握して取り組むよう要望した。特に南大冠小学校の実情を訴え、支援員の配置を 強く要望した。
④ 備品や設備の整備について(略)
(5)道徳教育・日の丸・君が代・元号
① (略)
② 「心のノート」が今年度よりまた児童・生徒に配布されたが、「心のノートは副読本ではなく、資料である。」との従来の確認は今年度も変更がないことを確認されたい。
→上記を確認。「私たちの道徳」についても「副読本ではなく、資料である」と確認した。
③ 学校に「愛国心」を押しつけないこと。引き続き「愛国心の評価」を入れないこ と。
→「数値などの評価」は入れない。
④ 2011年6月13日に公布・施行された、「大阪府の施設における国旗の掲揚および教職員による国歌の斉唱に関する条例」は、日本国憲法が基本的人権として保障する自由と権利とりわけ教職員の良心の自由を侵害しており違憲である。したがって、同条例の廃止を大阪府に求めること。
⑤ 一昨年度卒業式における山田組合員への懲戒処分及び再任用取消は、現在、人事委員会に不服申し立てをし、審理中であるが、これは「思想・良心の自由」の侵害及び再雇用の機会を奪う不当なものであり、強く抗議する。今後、職務命令によって「日の丸・君が代」を強制しないこと、如何なることがあっても「処分による強制」をおこなわないこと。また、今年度の卒・入学式において、職務命令を背景にして、事前に「国歌斉唱」時の起立・不起立などについて個別に態度表明を求めるなど、教職員の「内心の自由」および「良心の自由」を侵害する行為を校長に求めないこと。また、思想・信条の自由を侵害し個人情報保護条例に違反する「不起立調査報告」などを校長に求めないこと。
→今年度の卒業式・入学式に関する「通知」を入手。(7頁)山田組合員の処分に関して、市教委・校長の責任を強く追及した。ピアノ伴奏については昨年の通知と同様。
⑥ 2012年度寿栄小学校卒業式における職務命令発出に係る件について
(a)市教委は、3月18日、大角校長から「寿栄小学校において当該組合員に対して職務命令発出がなされた」という報告を受けたか。また、その中で「組合員から『斉唱時、式場から出る』という選択もあるという提案があった」という報告を受けたか。市教委はその報告に対してどんな指導及び指示をしたのか。
・ 市教委は、3月19日朝、大角校長からどんな報告を受けたか。そして、その報告に対してどんな指導及び指示をしたのか。
(b)今回の職務命令発出における市教委及び校長の責任について明らかにされたい。
・3月18日の大角校長と当該組合員との話し合いにおいて、組合員から「斉唱時、式場から出る」という選択もあるという提案があったにも拘わらず、大角校長は提案を受け入れず「(先生の)意思が聞きたい」と執拗に「内心の告白」を迫ったことについて。
・寿栄小学校において、前年度に引き続き職務命令が出されるという「職務命令の乱発」について。
→組合員から「斉唱時、式場から出る」という提案があったことを市教委は校長から報告を受けていないという事実が判明した。組合として強く抗議し、校長へ再調査をもとめ、市教委は校長への調査を約束した。
⑦~⑨(略)
(6)新学習指導要領に関して
① (略)
② 「道徳教育の充実」・「伝統文化尊重」が重点化されているが、「国家統制的内容」として特定の価値観を道徳教育推進教師が中心となって画一的に押しつけないこと。又政府の「教育再生実行会議」の第1次提言を受け、文部科学省は道徳の教科化の検討を開始した。 道徳の教科化に対しての市教委の見解は如何?
→時期を見て、別途協議する。
③~⑤(略)
⑥ 学力テストについて →別途協議
(7)教科書採択に関わる情報公開について
2012年7月4日付け高槻市情報公開審査会答申(高情審答申第62号)及び それを受けての同年7月31日付け高槻市教育委員会決定(高教指第579号) に従い、2014年度小学校教科書採択に関わる選定委員会等の情報公開は全面公開されたい。
→組合として、選定委員会の文書公開(会議録の公開も)すると通告する。新年度に教科書採択までの選定委員会等のスケジュールを組合に情報提供し、情報公開に対応出来るようにする。連絡窓口は安田課長。
以上