学労ネット

文部科学省交渉報告
官僚の風が戻ってきた!!

2011年1月22日掲載

松  岡   勲

 12月26日の文部科学省交渉は、服部良一衆議院議員の紹介で、午前11時から文部科学省本館ビル5階会議室で行われました。全国各地から14組合24名の参加者で行われました。文部科学省側はいつも以上に若手の官僚4名が対応しました。交渉時間は、昨年の55分間に遠く及ばず、40分程度で打ち切られ、勤務時間関係は1~2点しか質疑できませんでした。

 教員免許更新制反対と勤務時間の縮減の2点を重点項目として回答を聞きましたが、どの回答も、文部科学省の責任回避ばかりが目立つ無責任この上ないものでした。

 免許更新制講習は来年度も継続され、その廃止も怪しげです。担当官は「文科省として一度も免許更新制廃止の決定をしたことはない。」と言っていました。今年度、免許更新講習に参加していない教員は、新聞報道のあった5000人(全体の6%)から、冬休みの講習・放送大学のインターネットでの受講も入れても、2050人(全体の2.4%)にしか減らせない、免許失効者が2950人も出そうだという無責任な体制であると分かりました。今年度中に教員養成制度全体の改革とからめて更新制をどうするかの答申が出るとのことだが、交渉団は強く更新制の廃止を要求しました。

 勤務時間の縮減については、都道府県や市町村教育教育委員会に責任があり、文部科学省は、過大な超過勤務の現実の是正も、出退勤時刻の確認、記録すら指導しようとしない、教育委員会へも何ら対応しないというひどい回答でした。始業・終業時刻の確認、記録について、「使用者が現認し、記録する」方法を採ることという要求に対しても、「それも一つの方法」であり、「自己申告の方法」もふくめてであるとの不誠実な回答でした。

 交渉に参加しての感想です。昨年は政権交代が9月にあり、官僚体制が同様の極みにありましたが、今年は新政権の公約(マニフェスト)が次々と破られ、紹介窓口の社民党も与党から離脱しましたので、対応が昨年と違い形式的、官僚的なものでした。全学労組事務局は、文科省との約束時間は30分だが、昨年同様1時間近くはいけるだろうと当初考え、交渉戦術を建てていましたが、40分で交渉は打ち切られました。交渉内容も誠意のないものばかりで、「風向きが変わった!」と感じました。まさに官僚の風が吹いていました。