2010年1月16日掲載
昨年12月4日、全国から13組合、22名の参加によって全学労組の文部科学省交渉が行われました。全学労組の申入書には、13項目の要求・質問がありましたが、交渉時間が限られているため、超過勤務解消と教員免許更新制度廃止の2点に絞って交渉しました。文部科学省の出席者は、初等・中等教育局教職員課の森島係長(教員免許更新制度担当)、初等・中等教育局企画課の高橋専門職(超過勤務問題担当)、初等・中等教育局財務課の小泉専門職(賃金問題担当)の3名(他に窓口役1名)でした。
教員免許更新制度の回答では、教員免許制度の「抜本的見直し」作業に入るので、その作業完了後でないと免許更新制を廃止するかどうかの確認はできないということでした。2010年度中の国会では、見直しの提案はできないだろうとの発言もあり、来年度限りで教員免許更新制度が廃止されるとの確約はありませんでした。あきらかに政策変更が為されているとの印象を受けました。また、更新講習に受からなかったら免許は失効すると公言し、解雇になるかどうかの確認には答えませんでした。文部科学省は、免許更新制を見直すにしても、新たな研修制度を増やすことを狙っているようです。
超過勤務時間の把握のために出勤・退勤時刻の確認・記録をする必要があることは、昨年の交渉の確認同様に今回も認めました。各都道府県教育委員会に個別にも超過勤務解消の取り組みを行うように指導しているそうです。超過勤務を放置している校長を刑事告発してほしいとの質問には、答えませんでした。私から、高槻市教委がようやっと調査に腰を上げたが、「退勤時間の確認だけで、出勤時間を調査をしない無茶苦茶なものである」と発言しておきました。交渉は最初30分の予定でしたが、約1時間、現場の実態を突きつけ熱く議論できました。
午後2時からは、参議院議員会館内で、全学労連・全学労組共同主催の「教育の完全無料化!」「教員免許更新制廃止!」「学校事務の共同実施反対!」総決起集会を85名の参加で開きました。増田全学労組代表・菅原全学労連議長のあいさつに続き、文部科学省交渉の設定やデモ申請でお世話になった服部良一衆議院議員からもあいさつがありました。闘争報告としては、全学労連からは、沖縄・神奈川・群馬から、沖縄の基地の問題や事務の共同実施による事務職員削減策動との闘いなどそれぞれの課題・闘いが紹介されました。全学労組からは、大阪教育合同の井澤さん、兵庫自教労の高橋さん、千葉学校合同の小川さんから、組合の取り組みや特別支援学校の突然の統合発表への反撃の取り組み、不適格解雇阻止の取り組み経過の報告などが報告されました。組合の次代を担う若手の報告者が多かったのが印象に残りました。
午後4時からの「国会請願」デモでは、社民党が参議院議員面会所で山内議員、衆議院議員面会所では重野幹事長が出迎えてくれ、エール交換を行いました。文部科学省前・財務省前で力強くシュプレヒコールを行い、その後日比谷公園の脇を通って銀座までデモ行進を行いました。
昨年は都合で高槻からは文部科学省交渉と全国総決起集会に参加出来ませんでしたが、今回は参加ができ、教育政策をめぐる全国状況や全国の仲間の闘いを感じ取ることができて、大変よかったと思いました。
(松岡)