2006年12月14日掲載
文部科学省のホームページに「教員勤務実態調査暫定集計(7、8月分)」が掲載されているとの情報があり、早速ダウンロードして読んだ。文部科学省ホームページの「教職員給与の在り方に関するワーキンググループ(第9回)議事録・配付資料」がそれです。
本年11月24日に開催されたその会合での配布資料は以下の通り。容量が多いが、非常に重要なデーターの公表ですので、ダウンロードされることをおすすめします。
なお、ここには毎回の議事録・配布資料が掲載されているので、このワーキンググループで教員の労働や教員給与の在り方についてこれまでどのような論議をされてきたかチェックをする必要があると思う。(一作)
<新聞記事のため転載禁止>
<配付資料 >
資料1-1教員勤務実態調査暫定集計(7、8月分)の概要(PDF:227KB)
資料1-2教員勤務実態調査(第1期)暫定集計(7月分通常期)(PDF:309KB)
資料1-3教員勤務実態調査(第2期)暫定集計(8月分夏期休業期)(PDF:312KB)
資料1-4 教員勤務実態調査調査票(PDF:284KB)
資料1-5 昭和41年教職員勤務状況調査(年間グラフ)(PDF:28KB)
資料2 教員勤務実態調査(第1期・第2期)暫定集計を踏まえた論点
資料3 教育公務員の勤務時間について
資料4 今後の開催予定
<7月分(7月3日~7月30日)の勤務時間/日>*ただし勤務日
小学校 10時間37分(残業時間 1時間48分、持帰り時間 47分)
中学校 11時間13分(残業時間 2時間25分、持帰り時間 25分)
小・中学校平均 10時間56分(残業時間 2時間08分 持帰り時間 35分)
*超過勤務時間=残業時間+持ち帰り時間で、勤務日の1日あたりの小・中平均の残業時間は2時間43分である。(データーには職種別の数値が出ている。)
*休日の超過勤務時間=残業時間+持帰り時間は、小学校(47分)中学校(3時間35分)になる。中学校のクラブ指導の過重な負担が表れている。
*なお、データーには担任・担任外、クラブ顧問の有無別、教諭の年齢別等の比較があり、もっと多元的な分析が可能である。
<7月分の休憩・休息時間>
小学校 09分 中学校 10分 小・中平均 09分
*なお、調査では「休憩時間が取れたとする基準」(自由利用等)の説明はない。また、休息時間についても項目に「休憩・休息」とあるのみである。そのような曖昧な質問であるが、45分の休憩時間にもかかわらず、たった「9分」しか取れてない現実が明確となっている。
<8月分(7月31日~8月27日)の勤務時間/日>
8月分については、夏期休業中であり、(中学校のクラブ指導や登校日を除いて)子どもが登校していないので、勤務時間も概ね8時間余、休憩時間も取れている。これは当然のことである。しかし、教育公務員特例法に保障された「勤務場所を離れた研修」(いわゆる「自宅研修」)がどの程度取れているか気になるところであるが、調査票では「校務としての研修(校外)」という項目があるのみで不明である。
また、今後の討議の方向として以下の論点が提示されており、どのような討論がなされたか興味深いところです。
<教員勤務実態調査(第1期・第2期)暫定集計を踏まえた論点>
【教員の業務の整理・効率化】
○ 教員の業務の整理・効率化をどのように行うべきか。
・ 教員が本来行うべき業務の範囲をどう考えるか。
・ 部活動指導の位置付けはどうあるべきか。
・ 教員が行う業務についてどのように効率化を図っていくか。
・ 事務の共同実施など学校事務についてどのように効率化を図っていくか。
【教員の勤務時間と教職調整額の在り方】
○ 教員の勤務時間の在り方をどう考えるか。
・ 教員の勤務時間の弾力化についてどう考えるか。
・ 超勤4項目の在り方をどう考えるか。
・ 教員の勤務時間の把握・管理をどのように実施するか。
○ 教職調整額を超過勤務手当に変更すべきか。
○ 教職調整額を維持する場合、現行の支給対象・支給率についてどう考え
るか。
なお、<教育公務員の勤務時間について>という資料が掲載されており、超過勤務(超過勤務手当の問題)、勤務の振替(変形労働時間制)の問題等について、労働法制的な知識と検討の必要があると痛感した。