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文部科学省の教員・保護者意識調査

2006年10月27日掲載

 文部科学省が教員と保護者に対して「意識調査」を実施した。その目的は「近年、教育現場を取り巻く環境がますます多様化・複雑化している中において、学校及び教員の果たすべき役割等について、保護者及び教員本人など、様々な対象から調査することで、あるべき学校及び教員の役割等を明確にする」としている、また、その内容は「教員に対し、仕事や職場での満足感、負担感、ストレス、多忙感に関することや教員としての役割、給与や評価に関するアンケート調査を行う」とし、「保護者に対しては、教員に期待することや教員の給料や評価についてアンケート調査を行う」としている。(「教員、保護者意識調査概要」)

(調査対象)
公立小中学校保護者10、000人程度、校長、教頭、教諭10、000人程度
(調査の実施)
文科省→リクルートに委託
教員勤務実態調査第1期(7月)実施校対象校の教員を対象とする。
保護者調査は同上校の1学年を無作為決定、その第1クラス在籍児童・生徒の保護者を対象とする。
(調査日程案)
2006年10月調査票配布、集計作業及び分析、検討
11月集計結果(速報値)
12月最終報告書(案)

 調査内容の設問には、教員に対して勤務実態から来る意識を把握しようとする側面とともに「給与・評価制度」について教員を誘導する設問となっており、問題を感じる。また、保護者に対しての設問では、教員に対しての不満や不信を煽り、教員給与について「能力給」や指導力不足の教員の処分を肯定させる等の誘導があり、問題点が多い。この調査で文科省が何を狙っているかが分かる。
>>>「教員、保護者の意識調査」のアンケート内容はPDFでご覧ください。(こちらです。)

 なお、同時期に小・中学校の勤務実態調査に続いて、高校の勤務実態調査が行われている。(調査は義務制学校と基本的に同様の内容である。)
(調査時期)
1、10月16日~10月29日(2週間))
2、11月 6日~11月19日(2週間)
3、11月27日~12月10日(2週間)
(調査対象校)
各期120校(延べ約360校)
(調査対象教員)
校長、教頭、教諭、養護教諭、講師(常勤)、実習助手
毎月約7、000人程度、延べ約20、000人
(調査実施)
文部科学省→ベネッセに委託