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人事院の分限処分指針

2006年10月21日掲載

 新聞記事を整理していて気になったのが、以下の「人事院の分限処分指針」です。これってやがて地方公務員、教職員にも影響が出てくるでしょう。(新聞記事のため転載禁止)

国家公務員:分限処分で初の指針 人事院

 人事院は13日、無断欠勤や職場でのトラブルを繰り返すなど問題がある国家公務員を免職・降任する「分限処分」で、処分までの手続きを示した指針を初めてまとめ、各省庁に通知した。上司が注意しても無断欠勤などを続け勤務態度が改まらない職員に対しては警告書を渡し、それでも改善しない場合は分限処分を行うなどの対応を盛り込んだ。

 指針では、病気休職・休暇の期間が計3年を超える職員について別の手順を作成。2人の医師の診断で、今後も就労できるとの見込みがない場合は分限処分にする。また、失そうするなど行方不明になった職員に関しては1カ月以上、連絡が取れない場合は処分の対象になるとした。

 人事院によると、分限処分を受けた職員は05年度までの10年間で毎年約30~50人。国家公務員法は処分の適用例をおおまかには定めているが、訴訟に持ち込まれるケースもあるため、各省庁は人事院に処分指針の作成を求めていた。【川上克己】
(毎日新聞 2006年10月13日 20時44分)

社保庁の不祥事受け、分限処分の運用指針示す…人事院

 人事院は13日、勤務実績が著しく悪い職員などを免職、降格させる国家公務員法の「分限処分」に関する初の運用指針を、各省庁などに通知した。

 分限処分の対象事例を明示し、処分前の警告書の交付など具体的な手続きを盛り込んだ。

 指針策定は、社会保険庁の不祥事などを受け、公務員への処分を厳格に実施するため、小泉前首相が人事院に指示していた。

 指針は、過去に処分取り消し訴訟に発展した事例の判例などをもとに、<1>遅刻や無断欠勤を繰り返した<2>勤務時間のほとんどを図書館で個人的な勉強に費やした<3>暴力を伴う言動で周囲の職員に恐怖感を与えた――など分限処分に該当する事例を列挙。心身の病気が疑われる場合の受診拒否や、1か月以上の音信不通なども処分対象とした。

 手続き面では、勤務実績不良や問題行動については、注意や指導、配置換えなどの対策を講じた上で、警告書を交付して弁明の機会を与え、それでも改善が見られない場合に処分を行うことができると定めた。心身の故障による処分については、職務命令として医師2人に受診させ、ともに「業務に支障がある」と判断した場合に限るとした。

 分限処分は国家公務員法に基づく処分の一つで、制裁的意味合いを持つ懲戒処分と異なり、免職されても退職金は支払われる。同法は分限処分の基準として、<1>勤務実績不良<2>心身の故障による職務への支障<3>適格性の欠如――などを定めているが、基準に該当するかどうかの判断は各省庁に任せられており、成績不良や適格性欠如による処分は毎年数人程度にとどまっていた。
(2006年10月13日21時36分 読売新聞)

分限処分の指針に関する通知について

平成18年10月13日
人   材   局

1 人事院は、本日(10月13日(金))、分限処分の指針(「職員が分限事由に該当する可能性のある場合の対応措置について」)を各府省に通知した。

2 本指針は、分限処分の検討が必要となる典型的な事例について、任命権者として行うことが考えられる手続や留意点等の対応措置をまとめたものである。

3 指針では、任命権者として行うことが考えられる手続や留意点等の対応措置の標準例を示したほか、裁判例で示された分限事由についての考え方を確認するとともに、参考として勤務実績不良又は適格性欠如の徴表と評価することができる事実の例や実際に分限処分が行われた例などを紹介した。

4 各府省において、本指針を参考にして、分限制度の趣旨にのっとった対処が行われ、公務の適正かつ能率的な運営がより一層図られることを期待している。

以   上

>>>「職員が分限事由に該当する可能性がある場合の対応措置について(通知)」の概要(PDF)