2006年7月22日掲載
労働基準法第34条(休憩)では、「使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない」となっています。
教員の場合、学校の日常労働は休憩を取れないことを前提にして動いて問題なのですが、「勤務が8時間を超えるときは休憩は1時間」ということが案外知られていません。これは宿泊行事中の休憩時間の際に生かせます。
大阪の場合、宿泊行事の振り替えは1泊2日の場合は4時間(半日)、2泊3日の場合は8時間(1日)となっています。高槻ではこれでは実際の勤務の実態と合わないし、また、深夜の「仮眠」を勤務と位置づけるかどうかの問題などがあり、あと半日分を校長裁量の「回復」として取らすことを市教委に認めさせています。
さらに、宿泊行事中の「休憩時間」の問題があります。宿泊行事では、日常の学校での勤務以上に休憩は取れません。私たちは宿泊行事中にも休憩時間を割り振らせ、実際には取れないのだから(本来はその日のうちに校長が休憩時間を取らせなければならないのですが、休憩が取れない行事を認めた管理職に責任があるので)、校長裁量で休憩時間を後日に回復措置させることになっています。1泊2日の宿泊行事中、それぞれ勤務時間は8時間を超えますので、休憩時間の回復は「1時間を2回=2時間」となります。ということで、宿泊行事の勤務の回復は、4時間(振り替え)+4時間(回復)+2時間(回復)となります。このようにすれば、宿泊行事での疲労回復は少しはましになるでしょう。
以下は、大阪市の休憩時間に関する新聞記事です。何かの参考にしてください。(一作)
残業中休憩なく「違法」 大阪市に人事委改善指導
昼休み45分のつけ? 職員は複雑「早く帰る方がいい」
(新聞記事本文はPDFをご覧ください。こちらです。)
大阪市が職員の就業時間を7時間45分とし、昼休みを45分にしていることが波紋を呼んでいる。市人事委員会は「職員が残業した際に、休憩を取らせていない」と労働基準法違反を指摘し、市に改善を指導した。市は各所属長に注意を促したが、職員からは「残業中にわざわざ休憩を取るのも難しい」との声も出ている。【堀川剛護】
労働基準法では、労働時間が8時間を超える場合、途中に少なくとも1時間の休憩時間を労働者に取らせなければならないとしている。
一方、市の場合、勤務時間は7時間45分。労働時間が8時間を超えないため、昼休みは午後0時15分~同1時の45分間としている。もし、正規の勤務時間後に15分を超える残業をすると、同法上は、少なくとも15分の休憩が必要となる。
ところが、ある市職員が昨年9月の1カ月間、計66時間残業したのに、こうした休憩時間を一切、取っていなかった事例1件が市民の通報で発覚。市人事委員会が今年3月9日付で「不適切」と指摘した。
指導を受けた市は「実態としてどの程度、違反があったか分からない」と説明するが、残業中に休憩を取るより早く仕事を終えたいと考える職員が多いと考えられることから「他にも同様の不適切ケースが類推される」として、休憩時間を適切に与えるよう各部署に通知した。
ただ、労基法に厳格に従えば、休憩を取ったように装う「サービス残業」が出てくる可能性もあるという。職員からは「30分の残業でも15分休憩するのはちょっと……」という声も漏れている。
毎日新聞 2006年6月13日 大阪夕刊