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弁護士会勧告を獲得

2005年4月10日掲載

 3月11日は嘱託で現勤で務校している中学校の卒業式予行だった。
 1・2時間目が時間割変更で私の担当する授業はなく、3・4時間目が卒業式予行なので、休んでもよかったんだが、母の入院という事情で休みを残しておこうと思い、出勤した。
 職員会議にも参加できず、決定権から排除されているので、予行をのぞきに行っても仕方がないので、行かないつもりだったのだけれど、予行の前に職員室に行くと机に「君が代」の楽譜が配ってあるので、ビックリして、予行を見に行くことにした。同僚の障害児学級担任に聞いたが、楽譜は昨年も配った(「君が代」の練習はしていないが)そうだ。後日に校長とのやりとりで分かったが、楽譜の配布は2000年3月の「君が代」導入時よりやっていた。
 予行を後ろから見ていて驚いた。
 教頭が1・2年生に対象に「起立・例」の練習をさせた。開会宣言のあと「国歌斉唱、全員起立」の号令をかけ、何度もその練習をさせる。「このときは生徒全員だけでなく、保護者・来賓も全員立ってもらわなければならない。全員立ってください。」なんという強制!これでは生徒全員が立つ。

 それだけではない。「君が代」のテープが流れ始めたとき、教員たちがが「君が代」の楽譜を配ったのだ。唾棄すべき奴らだ!
 このようなことは高槻全体の傾向ではないのだが、職員が管理職のいいなりになり、弛緩しているところはこんな体たらく、最悪の強制になるのだ。学校の決定に関われない嘱託であることに苛立ち、一日中胸くそが悪かった。

 夕方、母の入院先の大阪の病院に行き、帰宅したが、気分はブルーだった。
 ところが、一通の封書が届いていた。「大阪弁護士会」からの。封を切ると、高槻市立柳川中校長宛の「処分結果について(通知)」と「勧告書」が入っていた。後で、知ったが朝日新聞の夕刊に大きく報道されていた。(「勧告書」と新聞報道は先に「心のノート・ガラガラポン」に掲載)
 これは私と同僚が申し立てた卒業式・入学式の「君が代」強制に関する人権救済についての勧告だ。
 「歌わぬ自由・起立しない自由」を生徒に説明をせよという勧告内容だ。おもしろいと思ったのは、弁護士会から校長は(社会的)「処分」を受けたことになる点だ。多くの教職員が「君が代」強制に反対して「処分」を受けている。今回は逆になる。溜飲が下がるとはこのことだ。
 今年度の卒・入学式に間に合うとは思わなかった。
 人権救済の申立者は2人とももう柳川中にはいないんだが、校長は「あいつら出てからもたたりやがる」としかめっ面をしているでしょう。(その後、2人で会見を申し入れたが校長は拒否。校長はこの3月で退職。校長へのささやかな「退職祝い」となった。)
 早速、「勧告書」をあちこちに流した。この勧告を高槻市内だけでなく、全国あっちこちで使っていただければと思う。
 勤務校でも校長が退職、新校長がやってきた。大阪弁護士会の勧告を使い、予行での「君が代」強制をやめるよう校長交渉を取り組もうと考えている。私が抽出授業で関わっている生徒たちは今年度は3年生なので、この子たちへの「君が代」強制を許すわけにはいかない。今から来年の卒業式には強制しないと約束させたい。ねばったら道はひらけるということを確信した。(松岡)