2005年4月10日掲載
3月30日午前10時より休憩時間未払賃金等請求訴訟の第5回口頭弁論が行われました。遠くは北九州から、そして兵庫・大阪から駆けつけてくださった12人の友人たちの支援に支えられ、原告の主張を熱っぽく展開しました。
まず原告代表の松岡からは、「準備書面(4)」の重点的を主に2点を中心にして主張しました。
1)給特法の立法趣旨からして、限定4項目に属さない勤務は損害賠償の対象であり、原告に給与請求権があることを判例をもとに主張し、被告大阪府の見解に反論しました。
2)学校現場の実態では、休憩時間が「手待時間」であり、労働時間であることの認識が被告高槻市にはないことを批判し、判例を提示し展開しました。
その他、被告高槻市が、大阪府の依頼した休憩・休息時間の実態調査を拒否した問題、厚生労働省の勤務時間管理に関する基準を周知徹底していない問題等の批判をしました。
また、前々回から原告代表の松岡と原告のうちの1人で、準備書面の補足という形で弁論する戦術をとりました。その原因は第1回口頭弁論で裁判長が意見陳述を2名認めた以外頑として認めなかったことにありました。私たちは弁護士のつかない本人訴訟をしているのだから、みんなが弁護士のようなものだし発言しない手はないと考えました。15分と切られた弁論時間(なぜか大阪地裁は15分で弁論を終わる慣行がある)、私たちの弁論の後に他の事案が入っていないかをにらみながら(今回も私たちのあとに他の弁論は入っていなかった)、今回は松岡と志摩・家保の2名の発言作戦を敢行しました。
松岡が準備書面全体の強調点を説明、あと志摩・家保がそれぞれがつけた被告高槻市への求釈明を補足説明しました。実に30分の時間をとることができました。2人とも迫力満点。やったね!
今回で原告5人全員が休憩時間が奪われている実態を意見陳述できました。提訴して1年が経ちましたが、裁判を自分たちの掌中におさめることまでできるようになったと感慨ひときわでした。(松岡)
家 保 達 雄
今回は、原告代表(松岡)による「準備書面(4)」を提出した背景、ならびにその内容で主張している、基本的な論点の整理と展開の説明の後、原告2名が「求釈明」についての補足説明をするという組み立てで臨んだ。当日の 809号法廷の審理予定では、午前中、他の予定が入っていなかったので、原告2名の「補足説明」にもある程度時間延長は可能という判断で入廷した。
私が「求釈明」したのは、高槻市の「準備書面(1)」で、原告の当時の現場実態を記述した部分について、「・・・、これを『追われる日々』と主張するのは誇張以外何物でもない。」という、実態を確かめる訳でもなく断定的に判断することのできた根拠を明らかにせよ、というものである。「準備書面(2)」でも「釈明」を求めていたにも拘わらず、高槻市側からの「釈明」は一切無かった。
今回の「準備書面(4)」では、より具体的・現実的に時間計算をした上で、「休憩時間」が取れなかった実態を突きつけたつもりである。時間数算出には、結構時間がかかったが、私としても「感覚的に」だけではなく「成る程、そうだったんだ」と納得できる資料となった。「休憩時間」取り崩し、時間外勤務当たり前、持ち帰り残業仕方無しの当時の状況を思い起こすと、先述した高槻市の言いぐさに、むかっ腹も立つと言うものである。
そんなこんなの思いもあり、今回の「求釈明」についての「補足説明」では被告高槻市にも、ある程度「現場実態を知らずして、筆がすべった」という弱点を感じさせることになったかも知れない。閉廷後の「反省会」で、枚方の松田氏が言われていたように「こうした裁判は被告が相手というより、原告の思いを裁判官にわかって貰うことが大切」というのは頷ける。
裁判官たちに原告の「思い」や「怒り」がいくらかでも伝わっただろうか。
今回の口頭弁論の法廷にも、数多くの方々に傍聴に来ていただき、本当に心強く思いました。また、その後の反省会でもいろいろなご意見を聞かしていただきありがとうございました。
この裁判が、これからどういう展開になっていくのか分かりませんが、今後とも支援よろしくお願いします。
志 摩 覚
春休み中の口頭弁論ということもあり、たくさんの方々が傍聴に駆けつけて下さいました。
まず松岡さんが、準備書面の補足説明という形で、教員を無権利状態に追い込んだ「給特法」の4項目以外の勤務=休憩時間中の労働に対する給与支払いの正当性、論拠点を要領よく提示しました。毎回口頭弁論の先頭に立って訴訟をリードしてくれてる松岡さん、さすが堂に入ったものでした。 高槻市の準備書面は、回を重ねるごとに雑になり酷いものになってきています。原告が主張する休憩時間中・勤務時間終了後の労働実態に対して、被告校長に言い逃れの知恵を授け、悉く「不知」「否認」「誇張」の裁判用語で逃げきる算段です。
高槻市の反論に対して、何処からでもいいから風穴を開けていきたい、というのが原告共通の思いです。で、今回トウトウ自分が補足説明をする順番がきてしまいました。(喋るの嫌やな~苦手やな~。)
当日の朝方までスキー旅行のスケジュールが絡んでしまい、栂池から大阪まで車を運転しながらも口頭弁論が気になり、言うべき事を頭の中で転がしていました。
準備書面の ①職員会議等の会議②2003年度の休憩時間の文書明示③情報主担者会議出張の3点の求釈明について補足説明をしましたが、緊張のあまり途中で「あれ?自分は何を言いたかったのかな?頭が真っ白になるとはこういうことか。」という場面も経験もしました。
最後まで言い切れたのは、「被告への怒り」「仲間との連帯感」の2点に尽きると思います。普段穏健を装っている家保さんの激しい突っ込みも爽快な気分にさせてくれましたし、「裁判とは何か」を少し分からせてくれた今回の口頭弁論でした。
被告の次回準備書面が楽しみです。