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休憩時間未払賃金等請求訴訟報道内容

2004年5月1日掲載

休憩時間未払賃金等請求訴訟・報道内容

先生「休憩取れぬ」提訴
高槻の公立小 700万円求める
(朝日新聞大阪本社版 03・4・22朝刊)
 授業の準備や生徒指導で忙しく、休憩時間を満足にとれないとして、大阪府高槻市の公立小学校の教諭ら5人が21日、府などを相手取り、休めなかった分の不払い賃金など計約700万円の支払いを求める訴訟を大阪地裁に起こした。

 訴えたのは元中学校教諭の松岡勲さん(60)ら5人。訴えによると、労基法は1日最低45分の休憩時間を義務づけているが、5人が02年4月から2年間について計算したところ、休憩時間のない日は300日前後に上った。休憩時間は無給のため、5人はそれぞれの45分あたりの給与に該当日数をかけた計約360万円の不払い賃金を府に請求。当時の勤務校の校長などに計330万円の損害賠償を求めた。

教師「休憩時間分の給料払え」
   子供相手で「実質は勤務」
高槻の5人 360万円求め提訴
(読売新聞大阪本社版 03・4・22朝刊)
 大阪府高槻市の市立小、中学校の教師五人が「子供相手の仕事で休憩時間が取れずに勤務しているのに、その分の賃金が支払われていない」として、大阪府に二年分の未払い賃金計約360万円などの支払いを求める訴訟を二十一日、大阪地裁に起こした。
 訴えによると、高槻市教育委員会は二〇〇二年度から一日四十五分の休憩時間を何時から取得するか、教師ことに具体的に明示するよう各校長に指示。原告らはそれぞれが勤務する学校の校長に休憩時間が決められていたが、クラス担任を務めるなどしており、授業や学校行事などの準備などで休憩が取れなかった。
 また、原告らは「休憩時間が保障されず、肉体的、精神的損害を受けた」として、高槻市と各校長に計180万円の損害賠償も求めている。
 大阪府教委教職員企画課は「訴状を見たうえで対応したい」と話している。
 八尾坂修・九州大大学院教授(学校経営学)の話「教師の休憩時間を厳密に定めるのは元々無理がある。学校内で教師と管理職が弾力的に運用すれぱ済む話だ。なぜ話し合いで解決できなかったのか、理解に苦しむ」

「休憩時間も働いた」
高槻の教諭ら未払い賃金求め提訴
(毎日新聞大阪本社版 03・4・22朝刊)
 高槻市立小、中学校の教諭と元教諭5人が21日、「休憩時間にも勤務したのに賃金が支払われていない」などとして、府や同市などを相手取って未払い賃金など計約692万円の支払いを求める訴えを大阪地裁に起こした。
 訴えによると、5人は02、03年度の2年間で、それぞれ300日前後にわたって、昼休みや授業終了後の休憩時間(45分間)が取れず、打ち合わせや授業準備などに費やした。しかし、時間外手当は支給されなかった。5人は「休憩時間に勤務するのは労働基準法に違反しており、肉体的、精神的疲労は甚大だ」などとして、未払い分の賃金と慰謝料として、1人当たり約129万円~約162万円を求めている。
 大阪市内で会見した元教諭の男性(60)は「学校現場では休憩時間が取れないのが実態で、過労につながっていることを知ってほしい」と訴えた。【堀川剛護】

大阪地裁に提訴「教師に休息時間を」
(MBSテレビ
 ページ更新4月21日(水)19時25分)  
 法律で保障された休憩時間を取れないのはおかしいとして、大阪の公立学校の教師らが、休憩時間に働いた分の賃金の支払いを求める裁判を起こしました。
 原告は、精神的に追い詰められる教師が多い状況を改善したいと話しています。
 訴えを起こしたのは、高槻市内の公立小学校や中学校の現役の教師や元教師、あわせて5人です。
 労働基準法では、1日45分の休憩時間が認められていますが、訴えのなかで5人は、休憩時間中も生徒の指導や教材の準備に 追われて、ほとんど休むことができないうえ、その分の賃金が全く支払われていないと主張。
 そのうえで、2年間の未払い賃金あわせて360万円余りを支払うよう、大阪府に求めています。
 原告らは、精神的にも追い詰められる教師が多いなか、この裁判が教育現場の労働環境を見つめなおすきっかけになればと話しています。