読者から

心のノートは今も深刻な教育の問題です

2008年1月20日掲載

 サイト拝見させていただきました。『心のノート』問題を扱った充実したサイトだと感じました。

 ある人から聞いた話ですが学校側は『心のノート』を家に持ち帰らせないそうです。理由は親の目に触れさせたくないからだというのです。いったい、いつから公教育の場は親に見せられないような教材を使う所になってしまったのでしょうか?教育現場でこれほど深刻な事態が進行しているのにマスコミはあまりこの問題にきちんと向き合おうとはしません。

 そのため親も今学校で何が起こっているのか把握できていません。心理学の手法が国家によってこれだけ広範に使用されるのは、ナチスドイツ以来のことではないでしょうか?

 このままでは日本の教育のはいったいどうなるのか心配になります。

 教育現場でも意識の高い先生は、『心のノート』を使ったそぶりだけして実際には使わないようです。だからといって安心はできません。

 そうしたまじめに生徒のことを考えている教職員とスクールカウンセラーがうまく協同できないことも現場で様々なひずみを生み出しているようです。

 あるスクールカウンセラーは、学校現場での仕事に臨みましたが現場の教職員からの信頼が得られずノイローゼ気味になり退職したということです。別のスクールカウンセラーから聞いた話ですが学校に配属されるとあまり動かないように指示されたそうです。

 すべてがそうだとは思いませんが、学校現場からスクールカウンセラーはあまり信用されていないようです。大人の利害関係が教育現場にひずみをもたらしています。そうしたひずみはすべて子供たちに押し付けられていきます。

 こうした現場の状況ひとつとっても『心のノート』編集に携わった人たちの責任は厳しく問われるべきだと思います。

 『心のノート』を責任をもって回収すべき立場にあった河合隼雄氏がなくなられた今、臨床心理士や教育現場にいる人たちはこの問題に真摯に取り組むべきではないでしょうか?

 今後もこの問題については一市民の立場から監視していくつもりです。

                                   (内田正人)