所沢高の単位制導入・問題

<ふじみ-ねっと>の#11会議室より


・96年1月28日更新

【目次(見たいタイトルをクリックして下さい)】


0010 (95/06/09) ウロウロ・アイリー      単位制導入について
0011 (95/06/11) ウロウロ・アイリー      所校に単位制
0014 (95/06/24) ウロウロ・アイリー      単位制導入について
0015 (95/09/23) ウロウロ・アイリー      所沢高校・単位制導入断念
0016 (95/09/23) 【MINAMI】     単位制についての『毎日新聞』詳細(抜粋)
0017 (95/09/24) ウロウロ・アイリー      所沢高校への単位制導入問題 報告1
0018 (95/09/24) ウロウロ・アイリー      所沢高校への単位制導入問題 報告2
0019 (95/09/24) ウロウロ・アイリー      所沢高校への単位制導入問題 報告3
0020 (95/09/24) 【MINAMI】     単位制、浦和北高の場合(毎日新聞の記事)
└0022 (95/09/25) ウロウロ・アイリー      Re:20)浦和北高(毎日新聞の記事)
0021 (95/09/24) ウロウロ・アイリー      所沢高校への単位制導入問題 報告4
0024 (95/09/25) やす           単位制導入の延期
0025 (95/09/26) 【MINAMI】     現状をふまえたうえでの高校教育論議をすすめるべきだと思う
0026 (95/09/28) ウロウロ・アイリー      所沢高校への単位制導入問題 レス
├0027 (95/09/28) 【MINAMI】     Re:26)所沢高校への単位制導入問題 レス
└0028 (95/09/28) つとめてCon    Re:26)所沢高校への単位制導入問題
0029 (95/09/28) よーちゃん     高校教育問題の感想
0031 (95/10/01) ウロウロ・アイリー      所沢高校への単位制導入問題 レス2
0032 (95/10/02) ランナー       所高単位制導入問題



【本文】


目次)(↑)(
Message  #  10 is from: GKD0033 ウロウロ・アイリー
Time: 95/06/09 21:30:15 Section 11: 教育なんでも
Subj: 単位制導入について


 6月8日の毎日新聞朝刊に「単位制導入に待った」というタイトルで、
埼玉県立所沢高校に96年4月より単位制を導入することに関する記事
が掲載されています。サブタイトルは、「埼玉県立所沢高校 PTA、
署名を提出」です。

=============記事引用===============
 同高PTAの馬場敏美会長は「この時期になっても教職員が反対して
おり、実質的に無理ではないか。準備期間を置き、現場でプランを練っ
て万全の態勢で始めてほしい」と訴えている。
 一方、金子武男・県教育局高校教育改革推進室長は「予算もついてお
り、保護者の方は単位制そのものに反対ではないので、今後、話し合い
の場をもち、理解を求めたい。」と規定方針通り導入する構えだ。
 「単位制高校」 3年間に必要な単位を取得すれば卒業できる制度。
必須科目を絞り、生徒が自由に選択できる科目を増やしている。文部省
の高校教育改革の柱の一つに位置付けられ、今年度までに全国で26校
(全日制)で実施している。
=============引用終わり==============

 この記事の前文には、今までの経過が記載されていますが、このこと
に関しては、この2月よりアップしてきたことと、ほぼ同じです。但し、
4月22日以降のアップしか残っていませんので、以前のものが必要な
方はご連絡ください。但し、現在使用している私のマシンにはありませ
んので、ディスプレイが修理されてから、お送りします。
                                                        ウロウロ・アイリー



目次)()(
Message  #  11 is from: GKD0033 ウロウロ・アイリー
Time: 95/06/11  0:00:41 Section 11: 教育なんでも
Subj: 所校に単位制


 「所沢高校に単位制導入の動き」(1)
 
  先の毎日新聞に掲載されていたように、所沢高校に単位制を導入しようという
 動きがあります。
  これについて、所沢高校PTAとして、「単位制特別委員会」を発足させるこ
 とになったようです。以下、その案内文をアップします。
 
 ====================================
 PTA会員各位                    1995年6月9日
                       所沢高校PTA会長 馬場敏美

      「単位制特別委員会」発足のお知らせ

 日頃はPTA活動へのご協力ありがとうございます。
昨年度から取り組んでまいりました、所沢高校への96年度単位制導入の「再考」
を求める署名への埼玉県教育局からの回答のお知らせは、すでにお手元に届いてい
ると思います。この回答についてPTA総会で話し合いました結果、私たちの要求に対して不十分であり、今後も引き続きいろいろな角度から単位制について考えていきたいとの声があがり、「単位制特別委員会」を設置することが決まりました。
 つきましては、第一回「単位制特別委員会」を下記の通り開きます。関心のある方はどうぞご参加下さい。
 参加申込書は会場の準備もありますので、6/13(火)までに担任の先生にご提出ください。

   ------------------------- 記 ----------------------------
   日時  6月15日(木) PM7:00〜
   場所  所沢高校 (当日玄関に掲示します)
 ====================================

 ということなので、都合が悪くならない限り、参加する予定です。

                                  ウロウロ・アイリー



目次)()(
Message  #  14 is from: GKD0033 ウロウロ・アイリー
Time: 95/06/24 16:59:12 Section 11: 教育なんでも
Subj: 単位制導入について

 所沢高校に単位制を導入しようとする県教育委員会の方針について問題ありと、
「単位制特別委員会」が設置されることになり、その第1回目の会議が6月15日
に開催されました。
 この第1回会議で「単位制特別委員会ニュース」を発行することになりましたの
で、アップします。

=====================================
        「単位制特別委員会ニュース」
                      第1号(1995年6月20日)
                         PTA会長  馬場 敏美
                         委員会委員長 森 フミ子

 5月27日のPTA総会の決議にもとづき設置された「単位制特別委員会」の第
1回目の会合が、参加申し込み47名中33名(保護者:27名、教職員:6名、
オブザーバ(管理職):3名)の出席を得て、6月15日に開催されました。本会
合における主な討議の内容を要約してお知らせします。

1.委員会の位置づけについて
  「単位制特別委員会」は所沢高校PTA組織の専門部会とする。
  (会則7条による)
2.委員会の目的について
 1)署名運動の延長として、「96年春の単位制導入に反対する」活動。
 2)単位制高校についての学習。
3.委員会の組織について
 1)委員会のメンバーは、PTA会員の中より希望者を募集しました。
   次回(6月23日)までの申し込み、参加をもって確定します。
 2)委員長と副委員長(2名中1名)は、PTA常任理事より選出し、残る副委
   員長1名をPTA役員以外より選出することになりました。
   委 員 長:森 フミ子(3ー5) TEL 0429-23-9355
   副委員長:加藤 裕道(2ー5) TEL 0429-62-6980
   副委員長:(次回選出)
4.学校長・教職員について
  学校長はオブザーバとして参加、決議には加わりません。
  (会則9条による)
  教職員は委員会のメンバーであり、職員会議の決定に拘束されることなく、決
  議に参加します。
5.理事会との関係について
 1)「単位制特別委員会」の決定をPTA常任委員会は尊重する。
 2)「単位制特別委員会」がPTA組織以外に対して働きかける場合は、理事会
   と協議の上決定する。(これに関し、総会で承認された委員会であるから理
   事会との協議は不要ではないかとの意見が出されました。再度検討する必要
   があるかも知れません。)
 3)「単位制特別委員会」と理事会が合意できない場合は、臨時総会を開催して
   決定する。

『今後の具体的な活動について』
1.学校側の「経過説明会」の開催
  2月17日の説明会あるいは総会に出席していない人には、その後の経過がわ
  からないとの意見が出されました。単位制の問題について保護者に対する学校
  側の「経過説明会」の開催をお願いします。(6月17日、文書にて学校長に
  依頼済。)
2.6月定例県議会の利用
  本校の顧問である4名の県議会議員に対し、署名活動の結果および本委員会の
  設置経過を報告します。(6月21日〜23日、26日〜28日および7月3
  日より適当な日を選んで実行します。)
3.県教育局による説明会への対処
  PTA会長より、金子・県高校教育改革推進室長から「説明会」の開催につい
  て日時を指定して依頼されていることが報告されました。これについて、県当
  局側の”実績”としてとられす危険があり受けるべきでないとする慎重意見と、
  依頼を受けて議論を戦わせるべきとする積極意見が出されましたが、とりあえ
  ず学校側の説明会を先に行い、問題を整理した後で検討することにしました。
4.その他
  5月19日以降に集まった署名の取り扱い、マスコミを利用した活動など、時
  間の都合で検討できず、次回の委員会で話し合うことにしました。

6月8日付毎日新聞の報道について
 毎日新聞の朝刊に、「単位制導入に待った・・・埼玉県立所沢高校PTA署名を
提出」という記事が、馬場PTA会長および金子・県教育局高等学校教育改革推進
室長のコメント付きで掲載されました。これについて、同日朝会後に、金子室長か
ら栗田校長にあて”PTA会長にお聞きしたいことがあるので、一両日中にお会い
したい”との電話があり、これを受けて、同日午後6時30分、学校長、馬場PT
A会長、土屋・飯能支部長の3人が金子室長に面会したことが報告されました。
 金子室長の”新聞記事を見た来年度の受験生およびその保護者からの電話が殺到
しているために混乱をきたしている”との話を受けての面会でしたが、結果的には
県側の「説明会」開催の要請を受ける場になったようです。金子室長の話(受験生
や保護者からの電話・・・)について、出席委員から”そんなに朝早い時間に中学
生が電話ができるはずがない”との声が上がりました。また、”会長のコメントに
は、PTAが導入に反対していないようにとられる箇所がある”との指摘がありま
した。これに対し馬場会長より”電話での取材であり、真意が十分に伝わらなかっ
た”との説明がありました。さらに、他の委員より、金子室長の”保護者の方は単
位制そのものには反対していない”とのコメントについて、”事実と異なる”とし
て抗議の電話をした旨の報告がありました。
=====================================

 「単位制特別委員会ニュース」をアップしましたが、この委員会設置の経過につ
いては、記載されておりますので省略します。

 6月15日の会議に参加して、この「単位制特別委員会」がPTA総会で負託さ
れた委員会であることを、認識したしだいです。参加するまでは、単なる勉強会の
一つ位にしか考えていませんでした。

 この「単位制高校」については、臨教審の答申もあり、文部省の方針なので、単
に埼玉県とか所沢高校だけの問題ではありません。全日制の高校で単位制を実施し
ているところは、「94年度2校」でしたが、毎日新聞によると「95年度26校」
と、急に増えました。

 現在、第15回臨教審が行われております。当初、有馬委員長の談話としては、
「理数系の飛び級」など単位制を意識した(?)内容でしたが、オーム事件の後の
談話で「理数系の人にも社会科が必要」となっておりました。これなどが、どのよ
うに影響するのかわかりませんが、「行政の継続性」を重視した官僚の方針なので
変更はないでしょう。

 しかし、今年度から実施した高校では、何の問題もなくスタートしたのでしょう
か。また、スタートしてから3ヶ月が経過するわけですが、順調にはじまっている
のでしょうか。これらについても調査する必要がありますが、ご存じの方は教えて
下さい。

                                    95/06/24(土) 13:39:22 ウロウロ・アイリー



目次)()(
Message  #  15 is from: GKD0033 ウロウロ・アイリー
Time: 95/09/23  1:23:05 Section 11: 教育なんでも
Subj: 所沢高校・単位制導入断念


 9月21日の毎日新聞朝刊の見出しです。
各紙で報道されましたので、この記事についてはご存じと思います。
新聞により若干の違いはありますが、とりあえず、「96年度から、
所沢高校に単位制を導入する」ということはなくなったようです。

 突然の報道(毎日は20日の夕刊)だったので、ビックリしている
ところもあります。前から予定していた会議ですが、今日(22日)
開催され、この件について話し合ってきました。
 できれば後日報告したいと思います。
とりあえず、『所沢高校・単位制導入断念』のお知らせです。

                                95/09/23(土) 00:53:31 ウロウロ・アイリー



目次)()(
Message  #  16 is from: GKD0010 【MINAMI】
Time: 95/09/23 19:25:00 Section 11: 教育なんでも
Subj: 単位制についての『毎日新聞』詳細(抜粋)

> できれば後日報告したいと思います。
>とりあえず、『所沢高校・単位制導入断念』のお知らせです。

 ウロウロ・アイリーさんのアップより先になってしまいますが、以下の記事です。
 
『毎日新聞』(夕刊)1995年9月20日付

埼玉県教委県立高への学位制導入
反発受け見送り

 埼玉県教委は二十日、来年度から予定していた県立所沢高校(栗田憲昭校長)への単位制導入を断念することを決めた。高校への単位制導入は文部省が進める教育改革の一つだが、「十分な議論もなく、導入を押し付けるのは疑問」とする職員、PTAの反発を受け、異例の方針転挨に追い込まれた。

(中略――詳細は21日付と同じ)

 金子武男・高校教育改革推進室長は「無理に導入すれば、単位制そのもののイメージに傷がつく恐れもあり、判断した」と話している。


『毎日新聞』1995年9月21日付

「強引すぎた県教委」
所沢高・単位制導入断念
現場教職員らが指摘

 県教委が二十日踏み切った「所沢高への単位制導入断念」は、苦渋の末の結論だった。現場の声を受け入れて導入を断念すれば、来年度に導入を予定している浦和北高の準備作業に水を差す恐れがある。一方、強行導入すれば、単位制そのもののイメージダウンにもつながりかねないからだ。結果的には時間的制約から断念が決まった形だが、現場の教職員や関係者の聞からは「すべては、県教委の強引なやり方が招いた結果」との指摘が出ている。
 高校への単位制導入は文部省が進める教育改革の柱のひとつ。県教委は昨年秋、所沢、浦和北二校へ導入する方針を打ち出した。
 これに対して、浦和北は受け入れ方針を決めたものの、所沢の職員会議は今年一月、体制づくりが間に合わないとして来年度の導入見送りを決議した。
 ところが、県教委は「導入のための予算案が県議会で可決された」などの理由を挙げ、方針を変えなかった。これに対し、同校PTAも教職員に同調。来年度導入の再考を求める署名約七千五百人分を県教委に提出するなどの運動を続けた。
 このため、準備の進む浦和北とは対照的に準備作業が手付かずの状態が続き、時間的に難しい状況となって見送りが決まった。
 県教委はすでに予算化されている準備費用の処理について、引き続き厳しい対応を迫られる。
(以下、埼玉高校教職員組合と所沢高校PTA単位制特別委員会委員長の談話)

                                  -=- Written 1995/09/23 19:26:44 【MINAMI】-=-





目次)()(
Message  #  17 is from: GKD0033 ウロウロ・アイリー
Time: 95/09/24  1:49:29 Section 11: 教育なんでも
Subj: 所沢高校への単位制導入問題 報告1


 【MINAMI】さん、ありがとうございました。
おかげで、毎日新聞の記事についてはアップしなくてもよくなり、助かりました。

 ところで、先にアップした
》新聞により若干の違いはありますが、とりあえず、「96年度から、
の若干の違いとは、この予算の取り扱いの部分と97年度以降についてのことです。

 毎日新聞の
》県教委はすでに予算化されている準備費用の処理について、引き続き厳しい対応を
》迫られる。
 からは、あまりハッキリしませんが、読売新聞では「事実上、同校への導入は白紙
に戻ったことになる」と、もう一歩踏み込んだ内容になっています。
 今、このあたりの正確な情報を入手すべく動いているところです。
 ただ、毎日新聞がスクープし、他紙がおっかけたということになりましたが、かな
り注目されていることだという事はわかります。
この注目されている「全日制における単位制高校」とは、どのようなものかを、所沢
高校での学習から報告したいと思います。

 『所沢高校・単位制導入断念』の新聞報道前に出されたニュースです。
このニュースと同時に、「単位制問題特別委員会の中間報告」および「経過について
のまとめ」が発行されましたが、「報告2」・「報告3」として独立させています。

 いまさらという気がしないでもありませんが、新聞報道に載っていないPTAの
動きがわかると思いますし、新聞報道にもあるように「文部省の重点施策」なので、
埼玉県だけでなく全国に導入していく予定のようですので、何等かの参考になればと
思います。
 今の教育行政のなかで、一般父母(住民・国民)の意見を教育施策に反映させる機
会はほとんどありません。従って、今回の「所沢高校の件」がどれだけ参考になるか
わかりませんが、「全日制での単位制高校」とはどのようなものか、知っておく必要
があると思っています。過去の例から、一度導入されてしまえば、元にもどすことは
非常に困難であるとも思います。
 このニュースの中にもありますが、今現在「自分の子どもには関係ない」というの
ではなく、明日の日本を担う子どもたちの教育だと関心を持って頂ければと思います。

======================================
                           1995年 9月18日
      単位制問題特別委員会ニュース   第6号
                           PTA会長 馬場 敏美
                          委員会委員長 森 フミ子

 8月25日(金)に第7回目、9月4日(月)に第8回目の会合が開催されました
ので、その内容についてお知らせ致します。尚、9月22日(金)午後7時より、所
沢高校・会議室に於いて、第9回目の委員会があります。委員の方以外でも参加でき
る方は、ご出席ください。

 「所沢高校に単位制をH8年度から導入するということに対して、単位制高校につ
いて検討し合う」ということで、PTA総会において付託されたかたちで「単位制問
題特別委員会」が設置されました。併せて、「単位制の高校とは、どういうものか」
という学習と議論をしてきました。
 今回の委員会では、今までのまとめと今後の方向性について、話し合いました。


1.これまでの経過について。
 今までの経過については『単位制問題特別委員会ニュース』でお知らせしてきまし
たが、まとめましたのでお読み下さい。
 当初、この問題に関して、校長先生と話し合えばいいのか、県教育局と話し合えば
いいのかが、はっきりしませんでした。しかし、7月26日の県教育局との話し合い
のなかで、「所沢高校への単位制導入の問題は教育課程の編成権の範囲の問題ではな
く、教育委員会の職務権限内のことである」との笠原部長の見解がありましたので、
県教育局に白紙撤回を求めていくことになります。

2.所沢高校への単位制導入の問題について。
 「所沢高校へ単位制を導入する」ということに関して、この導入をめぐる経過が非
民主的であるということで反対してきましたが、「単位制高校」についての学習と議
論をしていくなかで、色々な問題があることもわかってきました。

(1) H8年度入学について、中学への説明は教頭先生がされていますが、単位制につ
いては特別に本校より説明はしていないということです。但し、質問があった場合は
「単位制導入の予定校である」と回答しているとのことです。

(2) 「県教育委員会としてH8年度導入を決定し、県議会で了承されたことであり、
これを見送ることはできないことです。しかしながら、県教育委員会・県議会・財政
当局の納得が得られるだけの理由があれば、H8年度導入を見送り1年延期もあるか
も知れません。1年延期の理由書を提出して下さい。」と連絡がありました。
県教委は「H8年度導入に関する回答は、理由書が提出されたらPTA会長に返事を
する」と明言しています。

(3) PTA会長への回答がないなかで、何等かの働きかけをするかどうかを、話し合
いました。
 今のままだとズルズルと日にちだけが経過し、「H9年度に導入する」という方針
が出される可能性があります。もちろん、「H8年度導入を強行する」ということも
考えられます。PTA会長にお願いして、「H8年度導入か否か」の返事を催促して
もらい、その返事によって、対応することになりました。

3.今後の方向性について。
 これまで、委員会のなかで話し合ってきましたが、PTA会員の皆さん全員と取り
組んでいく必要がありますので、理事会と話し合っていくことになりました。
 また、委員会内の役割を全員で分担してすすめていくことになりました。
 (1) 渉外 (2) 広報 (3) 学習会 (4) 情報公開/住民監査検討
 (5) 署名/アンケート (6) 会計
 理事会と話し合った結果、「単位制の高校とは、どういうものか」について、全P
TA会員を対象とした「学習会」を開くことになりました。10月7日(土)を予定
していますが、詳細については別途ビラがだされますので、そちらをご覧ください。

4.その他の話し合いの内容
◎子どもが小学生のときには小学校、中学生のときには中学校、高校生のときには高
校と子どもに応じて関心が移っていく。子どもが小・中学生のときには、高校につい
てはあまり関心がない。
 確かに、単位制は大きな問題だということは分かるが、自分の子どもが直接かかわ
らないと、自分には関係ないという人も多いのではないだろうか。現在の所高生は、
単位制が導入されても直接は関係ないことになり、現在の所高生とかその親にどのよ
うに関心をもってもらうかが難しい。
 単位制そのものに反対するということになると、単位制は臨教審以降の大きな流れ
のなかから出されてきているので、全員に説明するのは難しい。

◎「単位制高校」は大学の組織そのものだ。なぜ、大学の形態を高校にもってくるの
か。社会の形成者としての人間をつくらせないようにしてきているとしか思えない。
企業に役立つ人間をつくることを目的としてきている。自治活動をなくしていいので
しょうか。集団活動をなくしていいのでしょうか。単位制高校は高校教育をする形態
としてベストなのでしょうか。
 民主的な手続きをしていないという問題もあるが、民主的な手続きをすればいいの
かといえば、そうではなくて、単位制高校は高校教育にふさわしくないということを、
言っていかなければならないと思います。
 条件さえ整えば充分かといえば、そうではないでしょう。今は高校教育も義務教育
にしてもいいのではないかと言われている中で、青年期最後の教育として単位制はふ
さわしいと思われません。単位制高校で実施するような教育は、大学でやればいいの
です。
 県教委は悪いことがわかっていて推進しているわけなので、県教委に「こういう理
由で悪い」と説明するのではなくて、「単位制は悪いのだから反対だ」と言っていか
なければならないと思います。

◎H8年度導入の手続きが民主的でなかったわけだが、では手続きが民主的なら導入
してもいいのかといえば、そうではなくて、「単位制について検討した結果、この制
度はよくないので、導入はだめだ」と言えるのが民主的なことなのではないか。
 学校も親も生徒も“NO”と言っており、この“NO”という意見を受け入れるの
が、民主的なことではないか。学校も親も生徒も望まないものを、どうして導入しよ
うとするのか。
 県民だよりの「男女共学について」というコラムに、「浦和とか浦和一女とか川高
とか川女は男子高・女子校でどうして男女共学にならないか」という質問が載ってお
り、これに対して県教委は「在校生・卒業生・職員の立場・地域・伝統などを考える
と、男女共学にするのは難しい」と回答している。単位制については、学校も親も生
徒も反対しているのに、どうして強引に導入しようとしているのか。男女共学のよう
に、いまでは当たり前で、どこでもやっているようなことを、難しいと言っていなが
ら、単位制高校のように全国でも一部の高校しかやっていないことを強引にやろうと
するのはどういうことか。
======================================

                                    95/09/23(土) 23:57:47 ウロウロ・アイリー



目次)()(
Message  #  18 is from: GKD0033 ウロウロ・アイリー
Time: 95/09/24  1:49:37 Section 11: 教育なんでも
Subj: 所沢高校への単位制導入問題 報告2

 『単位制問題特別委員会』の性格は「報告1」の「ニュース第6号」に載っていま
すが、PTA総会で決定した特別委員会です。第1回の委員会で「対外的な活動につ
いては、理事会と協議する」ということでスタートしました。
 対外的な活動が必要だということで、『単位制問題特別委員会としての中間報告』
を出し、理事会と協議しました。

======================================
    『単位制問題特別委員会』の単位制高校に対する見解

 単位制問題特別委員会は、月3回程度の議論を経て、新たな段階に入ったと確認し、
次の行動に移るべく、一定の結論をだして理事会に報告いたします。

 委員会の議論のなかで「所沢高校へH8年度単位制高校導入にあたって、教育委員
会や学校管理職が、職員に対しても、親に対しても手続き的に非民主的であった」こ
とを確認しました。単位制を導入することが生徒にとって良いか悪いかを判断する余
地がないまま、導入することを前提とするかたちで進められてきたことは事実であり
ますし、H8年度導入に関しては昨年度からのPTAでの反対の行動は「行政施策は
住民の要求にそって行われるべきである」という理念にたって、正当な行動だったと
言うことができましょう。当然のことながら、改めて教職員・父母・生徒に単位制に
ついての内容の検討を求め、結論を出すことが必要になっているわけです。
 さて、H8年度導入を回避するために現在出されている教育委員会の考え方は、
「H9年度導入を前提としたH8年度の導入見送り」というものです。これは、問題
を先送りするだけでなく、私たちに単位制の善悪・是非についての検討する余地を与
えない提起に他なりません。教職員・父母・生徒が単位制について認識を深め判断す
る機会を設け、H9年度以降についての判断をできる形で、H8年度導入を回避すべ
きです。そのため今後も、PTAとして行動していかなければなりません。
 私たちの委員会では単位制の学習会や幾度の議論をして、単位制そのものに対する
一定の結論を得ましたので、今後の検討の材料にして頂くために、以下記述いたしま
す。

 単位制そのものを所沢高校に導入することは、所沢高校の未来に禍根を残すことに
なると判断し、現時点で所沢高校に単位制を導入することに反対します。
 私たち父母や教師は、子どもたちの健全な発達の保障を高校教育に望んでいます。
わが子・わが教え子には、高校教育の中で人類の文化遺産である学問をしっかりと学
んでほしいと願っています。また、仲間を大切にしながら豊かな生活をする中で、心
身ともに発達して、人間性の豊かな社会人としてのすべてのことを学んでほしいとも
願っています。さらに、学歴偏重や様々な問題があっても、わが子にはその競争にさ
えも打ち勝ってほしいと願っています。しかし、単位制高校は私たちの願いに逆行し
た制度であると判断します。
 今の教育課程は、2〜3割りの生徒が理解できればよく、その他の生徒はそれなり
におもしろおかしく学校生活を送れれば良いとの考え方です。しかし、その教育課程
で学校教育を送っている児童生徒のうち、不登校の児童生徒がなんと全児童生徒の
0.1%増になっていると、文部省の発表がありました。実際にはそれ以上の児童生
徒が不登校になっていると推測されますし、不登校にならないまでも多くの悩みを持
ち続けている子どもたちがますます増えていることは明らかです。単位制高校の真の
ねらいはその受け皿として高校を変えていこうというものです。教育局も「今の教育
を受けている子どもを考えて、単位制の問題は考えなくてはいかない」と述べたこと
は、そのことを証明しています。
 さて、単位制の最大の特徴は学年制の廃止にあります。学年ごとの履修については
先送りにすることができ、留年もなくなります。一見よさそうですが、その皺寄せは
卒業年度にあらわれ、4年目5年目の生徒が出てくることは明らかです。そして、必
然的に学年意識や、学級意識がなくなってきます。いま所沢高校の生徒が力をあわせ、
本当に充実していると感じている学級や学年そして全校の行事への取り組みが徐々に
失われ、ついにはなくなっていくことは明らかです。単位制の導入によって所沢高校
の良さが失われていくことになります。すなわち、単位制導入は所沢高校の自由・自
主・自立が失わしめる制度の導入であると考えます。
 さらには、教科の選択についてです。選択が増えるということはどういうことでしょ
うか。ある教科が苦手な生徒は必履修のみしか履修せず、あとは好きな教科しか選択
しないことが考えられます。好きとか嫌いとかでなく、科学的に体系化された学問を
しっかり学ぶことがその人物の人間形成の役に立つわけです。多くの分野をきちんと
学ぶことが前提になってこそ選択の意味があるわけです。単位制高校は、高等学校の
専門学校化であり、予備校化でもあるわけです。
 最後に、単位制に移行する祭の行政の予算措置についてです。あれやこれや様々な
ことが言われていますが、現時点で教員の加配についても施設の改善費についてもな
んら保障がないことも付け加えておきたいと思います。
======================================

                                    95/09/23(土) 23:57:47 ウロウロ・アイリー



目次)()(
Message  #  19 is from: GKD0033 ウロウロ・アイリー
Time: 95/09/24  1:49:49 Section 11: 教育なんでも
Subj: 所沢高校への単位制導入問題 報告3

 この経過に「行政の動き」を付け加えると、また違った分析もできます。
例えば、予算編成などです。「1月27日に予算の知事査定」が行われており、
その翌日に「読売新聞」に単位制導入の記事が掲載されています。

 「報告4」として、この間の資料のなかから、重要と思われるものをまとめたい
と思っています。

======================================
     所沢高校単位制導入に関する主な経過
1994年
10月20日 校長より、職員会議に単位制高校導入について検討して欲しい旨の提
              案あり。
10月27日 校内研修会
11月28日 校内研修会(他県単位制高校視察報告会)
12月 5日 県教育局より、鈴木・芹川両氏来校。質問多数、疑問点解消されず。
12月20日 再度県教育局より両氏来校。質問多数、なおも不十分。
1995年
 1月12日 職員会議で校長が単位制導入を提案。結論出ず、継続審議。
 1月19日 職員会議で長時間審議の上、単位制導入を否決。
 1月25日 校長が県教委に単位制導入を受託。この時点では教職員には知らされ
       ず。
 1月28日 読売新聞に「1996年度に、所沢・浦和北の両校へ単位制導入の方
       針を県が固めた」旨の報道が載る。
       同日の緊急職員会議で校長が単位制を受諾していたことが判明し紛糾
       する。長時間の会議の末、校長も判断ミスを認め、県へ「白紙撤回依
       頼」を持参することを決定する。
 1月30日 校長が「白紙撤回依頼」を県教委に持参する。
 2月 3日 県教委より校長に「平成8年度、所沢高校で単位制設置へ向け進める
       こと」との指示。
 2月 4日 朝日新聞で単位制導入の方針が固められたことが報じられる。
       同日の緊急職員会議で校長は、教育局指導部長から単位制導入の
       「指示」を受けたと報告。
       さらに、11月後半に県レベルでは所沢高校への単位制導入が決定し
       ていたことが分かる。
       教職員には1月末頃までが最終回答期限と明言していた校長と、県の
       認識とに大きなズレがあったことが判明する。
       職員会議で「指示撤回を求める決議」を採択し、県知事・教育長他に
       送付する。
 2月 7日 生徒会本部、校長・職員会議長に単位制についての公開質問状を提出
       する。
 2月13日 生徒会本部へ回答(校長・職員会議長)する。
 2月19日 単位制に関する保護者対象の説明会があり、保護者80名以上が参加
       する。
       校長の説明と職員会議の説明とがある。
       今後の対応については、PTA理事会で協議することになる。
 2月25日 単位制に関する保護者へのアンケートを実施する。
 3月 6日 アンケート結果が出される。
          導入の延期・計画の白紙撤回・・・・・79.5%
          県教委への意思表示をすべき・・・・・65.9%
 3月15日 アンケート結果を受け、PTA理事会で署名活動実施を決定する。
 3月23日 署名用紙文案を最終決定する。
 4月27日 校長が職員会議で「単位制導入と、そのための委員会設置」を提案す
       るが、賛成ゼロで否決。
 5月10日 職員会議で「話し合いのため来校したい」との県教育局の意向を連絡。
 5月18日 提案審議。
 5月19日 PTA会長以下7名(P4名・T3名)で署名7,439名分を県教
       委に持参し、提出する。
       5月27日までに、「要求項目」についての文書による回答を
       山下PTA会長に提出して頂くように依頼する。
       予算が通ったことを主張する県側(金子室長・鈴木・芹川・内田氏)
       と、現状を訴えるPTAとの話し合いは平行線に終わる。
       教育長は「前例がないので会わない」とのことであった。
 5月27日 PTA総会で山下会長が単位制高校に関する署名活動について報告し、
       合わせて県教委からの回答を提示。(新役員選出)
       3時間半に及んだ総会で、「回答内容が不十分であること」・「今後の
       ことを考えると、PTA役員は手一杯であろう」ということで、「専門
       委員会をつくる」ことを賛成多数で可決する。
       (反対:1、保留:5、賛成:76)
 6月 8日 毎日新聞で「単位制導入に待った。埼玉県立所沢高校PTA、署名提
       出・・・」の報道。
       県教委から電話があり、校長・PTA会長・PTA役員1名が県教委
       へ行く。
       「受験生から、問い合わせの電話が殺到し困っている」とのこと。
 6月 9日 「単位制特別委員会」への呼び掛けをする。
 6月15日 第1回「単位制特別委員会」開催。
                36名参加(保護者27・教職員6・管理職3)
       * 委員会の位置付け、目的、組織、理事会との関係について。
       * 今後の活動について。
         1.経過説明会の依頼を学校側にする。
         2.本校の顧問である県議会議員との面談について。
 6月17日 学校長宛に「単位制についての保護者への説明会」開催の依頼をする。
 6月23日 第2回「単位制特別委員会」開催。
                31名参加(保護者20・教職員8・管理職3)
       * 委員会の名称を「単位制問題特別委員会」に変更。
       * 各学年・教職員から各1名の世話人を選出。
       * 県議会議員との面談は6月26日11時半に。
       * 5月19日以降に届いている署名を7月15日でしめる。
       * 単位制の中身についての議論。
        ・なぜ、所沢高校なのか。
        ・導入の経過が非民主的であり、H8年導入に反対。
        ・単位制そのものに問題があるので導入に反対。
        ・教育課程編政権の問題か。
 7月 3日 第3回「単位制問題特別委員会」開催。
                32名参加(保護者20・教職員9・管理職3)
       * 学校側の説明会は7月15日に。
       * 県議会議員との面談結果報告。
       * 生徒会が独自署名に取り組み、7月1日現在944名。
         未提出クラスが5クラスあるので、最終的には1,000名を
         越える。
         「小委員会」メンバーを公募している。
       * 単位制に関する意見交換。
 7月13日 第4回「単位制問題特別委員会」開催。
                30名参加(保護者18・教職員9・管理職3)
       * 学校長より「これ以上の混乱を招いては」と「H8年度導入はし
         ないように、県教委に申し入れる」旨の話あり。
 7月15日 「単位制導入に関する保護者への説明会」開催。94名参加。
       7月17日に行われる校長と県教委との交渉に、教員・保護者が同行
       するということで、4時間にわたった説明会が終了する。
 7月17日 学校長、笠原部長と交渉。所沢高校側は校長と教頭で県側は不明。
       笠原部長は、教員と保護者の同席を拒否する。
       「議会で予算も通り、充分審議されたことなので、今そのようなこと
       を言われても困る。しかし、校長がそこまで覚悟をしてこられたので
       あれば検討させて頂きます」との部長の話があり、回答は文書でお願
       いしたとのことでした。
       H8・H9云々の話は双方から出なかったとのことでした。
 7月18日 県教委より学校長に「県教育委員会として平成8年度導入を決定し、
       県議会で了承されたことであり、これを見送ることは出来ないことで
       す。しかしながら、県教育委員会・県議会・財政当局の納得が得られ
       るだけの理由があれば、平成8年度導入を見送り、1年延期もあるか
       もしれません。1年延期の理由を提出して下さい」との電話がある。
       *7月26日の県教委との交渉で、この件について話があった。
 7月19日 職員会議で県教委からの電話の件を討議する。継続審議となる。
 7月20日 職員会議で討議した結果、「1年延期の理由を書くことは妥当ではな
       い」ということで、決議文を校長に提出。
 7月26日 保護者16名で県教委と交渉。「部屋が狭い」・「6名としか聞いて
       いない」ということで、入室できたのは8名。県側は、笠原部長・大
       沢次長・金子室長・芹川氏の4名。
       部屋の外で、鈴木氏・内田氏に保護者8名が訴える。
       *部長交渉でしたが、金子室長がほとんど発言。「議会で審議され、
        予算も通っている」ということで、なぜ所沢高校に導入するのかの
        説明と、単位制が結び付かない発言でした。
       *当事者である生徒の署名については、「生徒は修行中の身である。
        そういうことをされては困る」と大沢次長談。
       *生徒・学校・保護者が反対している現状で、この単位制を導入する
        ということは、あまりにも非民主的で納得がいかないこと、現在の
        所沢高校の本当の良さ(伝統)が何かを訴えました。そして、導入
        が前提の話であっては困るということも訴えました。
 7月26日 第5回「単位制問題特別委員会」開催。
        41名参加(保護者25・教職員8・生徒会3)・管理職は不参加
       *管理職の不参加について。
       *支部懇談会の様子について。
       *1時半からの県教委交渉の報告。
       *県教委からの電話連絡による「1年延期の理由書」について。
       *住民監査請求について。
        *単位制の学習会について。
 8月11日 第6回「単位制問題特別委員会」開催。
                  27名参加(保護者20名・教職員7名)
       *単位制についての学習会。
        講師:高野哲郎先生(都立大・大東文化大の講師)
 8月25日 第7回「単位制問題特別委員会」開催。
 9月 2日 PTA理事会への報告
 9月 4日 第8回「単位制問題特別委員会」開催。
 9月22日 第9回「単位制問題特別委員会」開催。
======================================

                                    95/09/23(土) 23:57:47 ウロウロ・アイリー



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Message  #  20 is from: GKD0010 【MINAMI】
Time: 95/09/24 11:00:21 Section 11: 教育なんでも
Subj: 単位制、浦和北高の場合(毎日新聞の記事)

 ウロウロ・アイリーさんの詳細なアップがありましたが、浦和北高校で実施されている単位制
高校についての記事がありましたので紹介しておきます。
 ここに出てくる校長は、去年まで私の息子の高校の校長でした。入学にあたって一
度話をもってもらったことがありますが、こんなところでお目にかかるとは。

『毎日新聞』1995年9月24日付

《さいたまの高校'95》C

初の単位制導入――豊富な講座で自主性を――

「普通の高校の授業を『定食』にたとえると、単位制は『フランス料理専門店』。
ワイン、オードブル、サラダ、メーンディッシュ、デザートを選ぶように、科目を
選ぶのが単位制です」
 県立浦和北高校の来年度パンフレットに書かれた説明文。同校は来年度から単位
制を導入するため、現在、準備の真っ最中。県内の全日制公立高校の中では初めて
のケースとなる。
 単位制とは学年ごとの履修科目を定めず、三年間で必要な単位を修得すれば卒業
できる制度。選択科目を大幅に増やすことで生徒の自主性を高めようと、文部省の
高校教育改革の柱の一つに位置付けられている。
 「今まで以上に生徒一人ひとりに目を向けることで、学校の質がもっと高まると
期待できる」。松田輝夫校長は導入の理由をこう話す。職員間でも「単位制検討委
員会」を作っている。
 一年次は必修科目を中心に履修するので、現行とさほど変わらない。が、二年次
の五月ごろ、生徒は自分の将来や希望に沿って卒業まで二年間のカリキュラムを自
分で組む。学校側は「メニュー」を豊富に取りそろえる。現在の四十六講座は約七
十に増える予定。小人数授業や習熟度別授業も展開しやすくなる。
 しかし、将来の希望や取りたい科目がはっきりしている生徒ばかりではない。そ
んな生徒のために学校側はガイダンスの時間を週に一時間設ける。「メニューを選
ぶ時のアドバイザー、つまりソムリエやディレクトールの役が先生です」(パンフ
レット)
 八月中旬に行った学校説明会には中学三年生七百人が集まったが、単位制に関す
る質問はあまり出なかった。
(中略)
 来年度の導入に当たって同校では県教委にいくつかの要望を出している。教員の
増員、セミナー室、更衣室、ロッカーの設備の充実など。「初めてのケースだけに
教員の間には不安もあるが、一つひとつクリアしながら進んでいきたい」。すべて
が最初から満たされなくても、松田校長ら学校関係者の成功に懸ける意気込みは大
きい。
 同校と同時に単位制を導入する予定だった所沢高について、県教委は今月二十日、
導入見送りを決めた。
 「十分な論議を尽くしたい」という現場教職員らの要望に方針転換を余儀なくさ
れた形だった。それだけに、浦和北高には県内の教育関係者から熱い視線が注がれ
ている。

                                  -=- Written 1995/09/24 10:52:40 【MINAMI】-=-





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Message  #  22 is from: GKD0033 ウロウロ・アイリー
Time: 95/09/25  0:28:30 Section 11: 教育なんでも
Subj: Re:20)浦和北高(毎日新聞の記事)

 毎日新聞の記事アップ、ありがとうございます。
この時間のアップだと、NYFTYからのダウンはできませんので、手入力か
スキャナ入力と思いますが。

 後で、読みなおしたところ、記事の内容に矛盾したところが、ありました。

》 一年次は必修科目を中心に履修するので、現行とさほど変わらない。が、二年次
》の五月ごろ、生徒は自分の将来や希望に沿って卒業まで二年間のカリキュラムを自
》分で組む。学校側は「メニュー」を豊富に取りそろえる。現在の四十六講座は約七
》十に増える予定。小人数授業や習熟度別授業も展開しやすくなる。

 私たちが学習した限りでは、次のようになります。
──────────────────────────────────────
 次年度の選択希望調査の時期は6月頃が一般的です。県の使用教科書調査がこの時
期であり、この時期の申請と実際の教科書購入数とが極端に違うと県からクレームが
つきます。従って、2年次の選択希望調査にあわせて入学してまもない1年生は、
4月下旬から5月に、2年次・3年次の選択科目の内容と将来の進路希望との関係の
説明を受けることになります。進路について早い時期から考えるのはよいことですが、
入学したばかりの生徒に進路希望や興味関心に基づいて、実際に自分が学習する科目
を選択させることは、よいことなのでしょうか。また、選択した後に進路希望や興味
関心が変わることはないのでしょうか。
──────────────────────────────────────

 実際、2年次の5月ごろにカリキュラムを組むということは、既に2年次はスタート
しているので、3年次の1年分しか組めないはずです。
 また、1年次のカリキュラムですが、中学3年生の5月に組めるはずもありませんし、合格発表後にすぐ組んでも、教師・教科書・時間割が手当できません。従って、1年次
は、必然的に「必修科目を中心に履修する」ことになります。

 また、県教委はしきりに自己責任といっております。このことは、選択した後で、
困ったことになっても、「自分で選んだのでしょう」ということです。

 ついでですが、フランス料理のことで「バイキングだと栄養に偏りがでてしまう」
ことを、問題点としてあげました。今回の記事を読むと、ソムリエやディレクトール
を登場させております。

 「新しいことを実施する場合、いろいろ困難なことがある」ということは分かりま
すが、教育に関することです。「実施してみました。よくないので止めます。」では
すまない問題です。最も、「よくないので止めます」とはいわないでしょうが。
この間に教育を受けた子どもに対する責任はどうなるのでしょう。事前に、問題点が
分かりませんでしたとはいえないでしょう。私たちが調べたのは、短期間でしたが、
非常に問題が多く、しかも(私たちにとって)まともな回答はありませんでした。

 ついつい、興奮する悪いくせが出はじめましたので、これくらいでやめます。

                                    95/09/24(日) 23:29:02 ウロウロ・アイリー



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Message  #  21 is from: GKD0033 ウロウロ・アイリー
Time: 95/09/24 13:09:12 Section 11: 教育なんでも
Subj: 所沢高校への単位制導入問題 報告4

 単位制高校に関する資料をまとめようと思っていましたが、9月24日毎日朝刊に
「初の単位制導入」ということで浦和北高校のことが載っており、一部誤解されると
問題だなと思いましたので、関連部分のみアップします。

 この記事は「さいたまの高校 '95」で連載しているものです。
======================================
「普通の高校の授業を『定食』にたとえると、単位制は『フランス料理専門店』。
ワイン、オードブル、サラダ、メーンディッシュ、デザートを選ぶように、科目を
選ぶのが単位制です」
県立浦和北高校の来年度パンフレットに書かれた説明文。
======================================
 これが県教委で作成した「単位制高校についてのパンフレット」のようです。
ものの例えとして、分かりやすいのかもしれませんが、私個人の意見としては「もっ
と、他に方法はないものか。教育の例として、食事のことをもちだすのは?」です。
この例は所沢高校の校長先生も述べられていたので、どうも県教委の統一見解のよう
です。この例えのことでは、講習会で高野先生も「『定食』ではなく『バイキング』
のほうがいいというのは、発想が貧弱だ。本当の金持ちは、『フルコース』の食事を
している。」といわれましたが、身体のためには『定食=フルコース』がいいと思っ
ています。

 さて、『フランス料理専門店』の結果がどのようなものになるかの具体例を紹介し
ます。
======================================
     94年度 2年次生の時間割の例(分系)     いわき光洋高校
┌─┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┬─────┐
│ │  月  │  火  │  水  │  木  │  金  │  土  │
├─┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│1│総合英語 │国語U演習│ 日本史 │(空時間)│総合英語 │ 日本史 │
├─┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│2│ 世界史 │ 日本史 │(空時間)│ 日本史 │国語U演習│西洋文学演│
├─┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│3│(空時間)│総合英語 │西洋文学演│ 世界史 │ 世界史 │ クラブ │
├─┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│4│総合英語演│日本文学演│総合英語演│(空時間)│日本文学演│     │
├─┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│5│国語U演習│(空時間)│ 世界史 │ 保 健 │(空時間)│     │
├─┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│6│ 体 育 │国語U古典│国語U現国│家庭一般 │国語U古典│     │
├─┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┤
│7│ 体 育 │総合英語演│ LHR │家庭一般 │ 体 育 │     │
└─┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
                         (週間教育資料 94.6.27より)
======================================
 この例が一般的とも思いませんが、現にこのような選択をしている生徒がいるとい
うことです。
(1)空時間が毎日のように発生しています。
   このことは、選択科目の種類が多くなれば、発生します。
   単位制の場合、教師を増員していますが、更に増やさないと、空時間は無くな
   らないと思われます。(どれくらい増やせばいいのかは、選択科目の種類・生
   徒個々の選択状況などのいろいろな問題から、簡単には出せない)
(2)今までと、同じ位の単位履修をしようとすれば、7時限まで必要になる。
   このことは、クラブ活動の時間も少なくなることを意味します。
   尼崎稲園高校の場合は、学年制と単位制との併設校なので6時限だそうです。
   従って、履修する単位数は学年制より少ないことになります。
   学年もなく、クラブ活動もままならない、さらにクラスはあるとのことですが、
   皆であつまるのはLHRの1時限。3年間で必要単位が取得出来ないばあいは、
   翌年に必要な単位数だけとればいいとのことですが、この生徒のクラスはどう
   なるのか。
(3)これが、一番問題だと思いますが、理数系の科目は一つもありません。
   私個人の意見ですが、これで「全人格的成長」を望むのは非常に困難であろう
   ということです。(教育に何を求めるかは、個々人で違うのでこれでいいと
   いう人もいるかもしれません。)

 さて、同じ毎日新聞「さいたまの高校 '95」の9月23日では、埼玉第一高校
音楽科コースのことが載っています。このコースは音楽の分野で活躍する人材の育成
を目的に開設されたものです。
======================================
しかし、一方では、コースのため普通科目の授業もこなさなければならないという制
約もある。この兼合いについて、渡辺主任は「一般教養も専門性も得ることを志向し
ている。専門バカにはしたくない」と説明する。
======================================
 私は、これが本当なのではと思います。

                                    95/09/24(日) 11:52:46 ウロウロ・アイリー



目次)()(
Message  #  24 is from: GKD0014 やす
Time: 95/09/25 21:33:53 Section 11: 教育なんでも
Subj: 単位制導入の延期

 私も新聞で所沢高校の単位制の導入の延期のニュースを見ました。
このコーナーでもたびたび書き込みがあり、大きな運動になっているとは
思っていましたが、ついに世の中を動かしてしまったことに、驚かされました。
このような、父母の熱意が学校教育の歪を直していく力になるんだろうなと
感じてしまいました。アイリーさんをはじめ、皆様、ご苦労さまでした。

    95年9月25日(月)  やす



目次)()(
Message  #  25 is from: GKD0010 【MINAMI】
Time: 95/09/26 12:29:47 Section 11: 教育なんでも
Subj: 現状をふまえたうえでの高校教育論議をすすめるべきだと思う

 単位制高校の問題について、これまで新聞記事のアップしかしてきませんでした。記
事の内容が正確かどうかは正直いってよくわかりません。別にこれらの記事を擁護する
つもりはありませんので、私の感じているところを書いておきます。
 
 「単位制問題特別委員会ニュース第6号」の次の指摘にあるように、「単位制高校」
 は「大学の形態を高校にもってくる」ものと言えるでしょう。
-------------------------------------------------------------------------- 
◎「単位制高校」は大学の組織そのものだ。なぜ、大学の形態を高校にもってくるの
か。社会の形成者としての人間をつくらせないようにしてきているとしか思えない。
企業に役立つ人間をつくることを目的としてきている。自治活動をなくしていいので
しょうか。集団活動をなくしていいのでしょうか。単位制高校は高校教育をする形態
としてベストなのでしょうか。」
----------------------------------------------------------------------------
 こうした考え方が「臨教審」(文書はかなり前に読んだのでうろ覚えのことが多いで
すが)の線から出ているのもそのとおりだと思います。私たちが高校生になる前後に全
国各地で高等工業専門学校が作られましたが、あれは既存の高校の内部につくるのでは
なく、新設されたものであり、そこに入るか入らないかは、まったく受験する本人の問
題になりました。高専がうまく機能しているかどうかは評価が別れるところでしょうが
、とにかく今回のように、在校生がいるところに降ってわいたように話がもちあがるの
とは違っていたように思います。さて、今回の単位制高校の問題ですが、これは「高校
の現状をどうとらえるか」という立場によってかなり違ってきているように思います。

 以下のような「単位制問題特別委員会」の見解は、高校を、専門分化する前の人格陶
冶の場として位置づけているように思います。
-----------------------------------------------------------------------------
 私たち父母や教師は、子どもたちの健全な発達の保障を高校教育に望んでいます。
わが子・わが教え子には、高校教育の中で人類の文化遺産である学問をしっかりと学
んでほしいと願っています。また、仲間を大切にしながら豊かな生活をする中で、心
身ともに発達して、人間性の豊かな社会人としてのすべてのことを学んでほしいとも
願っています。さらに、学歴偏重や様々な問題があっても、わが子にはその競争にさ
えも打ち勝ってほしいと願っています。しかし、単位制高校は私たちの願いに逆行し
た制度であると判断します。
-----------------------------------------------------------------------------
 しかし、こうした人間の知育も体育も徳育もといった総合的な発達を考える立場にな
いものにとっては、その生徒の能力を最大限に引き出す、ということに主眼を置いてい
ます。こういう人たちにとっては、理数系の人間に、無理に古典文学など学ばせる必要
はないと思っているのでしょう。 逆に、 アイリーさんの紹介された「いわき光洋高校」の
「94年度 2年次生の時間割の例(分〔文?〕系)」などは、文系を選ぶ人間にとっ
ては、数学や物理などは苦痛なものであり、それをおしつけることその生徒の能力を伸
ばすことにつながらない、というような含みがあるのではないでしょうか。

 これは私の勝手な推測であり、県教委や文部省がどこまで考えてのことかは、どなた
かに教えていただきたいと思います。しかし問題は、現行の高校に通っている生徒たち
がどのような現状に置かれているかということをふまえての論議でないと、不幸は渦中
の生徒にふりかかってくるということでしょう。
 
 制度がどうあるべきかを論じることから離れて、息子の行っている高校の実態からこ
の問題を考えていみたいと思います。私の長男は、上福岡市にある県立福岡高校に行っ
ています。彼は、進行性の筋ジストロフィーであるため、歩行ができない状態になって
おり、私たちが送り迎えをできる範囲の学校ということで福岡高校を選択しました。ご
存じの方も多いと思いますが、福岡高校は偏差値で比べると低いほうに位置づけられて
いるようですが、私や妻は(本人も)そのこと自体にあまりこだわってはいませんでし
た。しかし、最近の福岡高校の授業に対する姿勢からは「ちょっとひどすぎるのでは」
という印象をもっています。以下の、9月に入っての日程を見てください。

 9月4日〜7日 文化祭準備のため3時間授業
      8日 大掃除・机の移動
      9日 文化祭
      11日 後片付け、大掃除
      16日 9日の代休
      18日 授業/応援練習
      19日 体育祭予行・応援練習
      20日 応援練習・会場準備
      21日 体育祭
      22日 後片付け・大掃除(午後代休)

 授業という文字があるところでも2時間か3時間の授業です。さすがにどの月もこう
いう日程ではありませんが、7月、12月、3月(1、2年)は月初めに期末テストが
あり、その後は夏休みや冬休みに入るまで特別時間割ということでほとんどが2〜3時
間授業です。授業さえやっていればいいとは思いませんが、そもそも必要な授業時間が
確保されているかどうかも疑わしいような日程です。この点について先生と話をしたわ
けではありませんが、文化祭や体育祭のためにそれぞれ1週間、授業をさいての特別時
間割というのは、こうした取り組みをもって、授業にはあまり乗り気のない生徒たちを
燃えさせてやろうということなのでしょうか。私たちの高校のころは、こうした準備は
予行は一日、あとは体育の時間とか、どこかに半日時間を取るとかということだったと
思います。文化祭については、ほとんど放課後に準備の時間を確保した記憶があります
。(これも学校によってだいぶ違っていたのかもしれませんが)これまでの長男から聞
く授業の様子や学校の姿勢からすると、「学力の低い」と言われる生徒たちには、授業
はそれほど重視していないというような印象すら受けます。もちろん個々の先生をとれ
ば熱心な人もいるでしょう。でも、長男の場合、本格的な勉強は、けっきょく本人の自
覚と家庭での学習にゆだねられているとしかいえない状況です。予備校にいくわけでも
なく、家庭教師もつけているわけでなく、家で読書と数学や英語等、好き勝手なことを
やって、来年のセンター入試に挑むようですが、それはそれでの良さもあります。しか
し、学校でほんとうに学んだという実感を持たないで卒業するとしたら、これは誰のせ
いといえるのでしょうか。かなり否定的なことを並べました。高校の教師というと、教
科のみならず生き方そのものでも大きな影響を与えることのできる立場にあります。私
の高校時代に接した教師の一人は、他校の先生でしたが、そういう教師でした。今でも
「青年教師」の時の情熱と誠意を失わないで教育実践をしています。きっと彼のような
教師は全国に多数いるでしょう。ですからまったくの不信感のかたまりではないのです
が、これまで接した感じでは、福岡高校の教師からはそういう印象を受けたことがあり
ません。(修学旅行には介助で同行したので、そういう時に話もしましたから、まった
く外からの印象でものをいっているのではありません。)
 
 何がいいたいのか、わからなくなるような文面になってしまいましたが、いいたいこ
とはこういうことです。
 
 ○「単位制高校」を推進する立場にある人たち (県教委、 文部省)は今の高校生の
    「学ぶ」ということについて、どういうとらえ方をしてるのか。
 ○大量に高校中退を生み出している高校教育の現状をどのようにとらえているのか。
 ○高校の教師たちは、「自分たちの思い」を、もう少し突き放してみて、生徒の学ぶ
  意欲のカリキュラムの問題について真剣に取り組む必要があるのではないか。
  (小学校や中学校の教師が十分にやっているといわないが、それ以上に自分たちの
   勝手で授業を進めている教師が多いような印象を受ける。例.古代史から中世史
   までしか進まない世界史や日本史。)
 
 所沢高校がどのようなところなのかはまったくわからないのですが、教師たちは、生
徒の現状や自分たちの授業をどのようにとらえているのでしょうか。別に「単位制高校
」化にの運動に水をさすつもりはありませんが、もし「科学的に体系化された学問をし
っかり学ぶことがその人物の人間形成の役に立つ」ということが、それ以上に深められ
ていないままに使われているとしたら、これもまた問題にしていく必要があるように思
います。
                                  -=- Written 1995/09/26 12:30:03 【MINAMI】-=-




目次)()(
Message  #  26 is from: GKD0033 ウロウロ・アイリー
Time: 95/09/28  0:53:24 Section 11: 教育なんでも
Subj: 所沢高校への単位制導入問題 レス

 つとめてCon さん、【MINAMI】さん、やすさんからアップがありましたので、
レスをださなければと思いますが、うまくまとまりません。

 そもそもの、始まりは「不当な導入経過」が発端であったということです。
「このような不当な導入はゆるせない」という思いがあり、また親の中には
「これを見過ごすことは、教育上よくない」という思いもありました。
世の中の不正な事に対しては、間違っているといって、正していかなければならない
ということです。ここで立ち上がらなければ、我が子・教え子に、今後どのような態
度で接するのかということです。この思いは特にお母さん方に強かったと感じました。
そういう意味でも、力が結集でき、96年度導入見送りとなったことは、よかったと
思っています。

 私には、「本来、環境整備であるべき教育行政が教育内容まで踏み込んできている」
という思いが強くあります。そして、【MINAMI】さんも指摘されているように、現在
の教育行政が「臨教審」の流れで動いてきていると思います。臨調行革路線であり、
新自由主義の一環で、競争原理が教育にも持ち込まれてきているわけです。
(大学教授の任期制もその一環です。最も毎日新聞の9月20日付社説のようだと、
任期制という問題がでてくるのも、わかるような気がしますがどうでしょうか?)
今回の「単位制問題」が、エリートをつくることにあるのか(?)、またはいわゆる
落ちこぼれ対策なのかはわかりません。しかし、どちらであっても問題だと思ってい
ます。(落ちこぼれ対策であれば、結果に対処するのではなく、原因をなくすことで
す。)
 世界は新自由主義で動いており、規制緩和をおしすすめ、どの国も同じ土俵で競争
しましょうということのようです。こんな中で、世界の競争に打ち勝つには、特許等
に代表される新しい知識がないと負けてしまうということでしょう。いわゆる、知的
所有権です。しかし、この知的所有権の問題に関しても、南と北の問題があり、NG
Oでは、共通の財産として誰もが利用できるようにすべきだといっていますので、遠
からず問題になってくると思います。
 しかし、現在は知的所有権を持っている方が有利ですので、「エリートをつくるこ
と」が目的かもしれません。(飛び級などといっていますので)
アップしましたように、例えば科学だけで他のことには興味がないという人間をつく
るのは疑問だと思っています。(自分が発見(発明)したことが、まわりにどのよう
な影響を与えるのか、まったく関心がないとしたら、恐いと思います。)

 さて、この新自由主義ですが、どうも環境という問題が忘れられているようで、
21世紀はどんな世の中になっているかというと心ぼそい限りです。現在のような
国益だのと言っている世の中では、この地球規模の問題に対処出来るとはおもわれ
ません。いまから教育といってどうかと思いますが、やはり自分だけがよければい
いというのではなく、回りのことが考えられる人間でなければならないと思います。
(こんなことがいえるのかな、という気持ちもしますが。)
地球市民としての、思考・行動ができる人でなければならないと思っています。
私自身が、子どもに期待しているのは、「日本国憲法を担う、世界の平和と人類の
福祉に貢献する」人間に成長して欲しいということです。
(難しいな!わたしの希望です)
【MINAMI】さん指摘の『「単位制問題特別委員会」の見解は高校を、専門分化する
前の人格陶冶の場として位置づけているように思います』と、いうことになります。

 このような思いから「単位制高校」をみた場合、問題があると思います。
特に、自治活動が制限される(というより不可能でしょう)というのは問題だと
思っています。(クラスなし・学年なしでどうするのですか。)この年代では、
特に友達関係がだいじではないでしょうか。

 また、【MINAMI】さんが言われている、
》文系を選ぶ人間にとっては、数学や物理などは苦痛なものであり、
ですが、そもそも高校はそれ程専門的に分化する必要があるのでしょうか。
もしも、高校生で文科系だの理数系だのといわれるようであれば、逆にそれまでの
小学校・中学校での教育がおかしいのではないでしょうか。
高校1年生(15才)で、「私は文科系だ」という生徒がいるのは、どうでしょうか。
(私の感覚がくるっていますか?古いのでしょうか?)

 つとめてCon さんの「生徒自身が選択する権利」という問題ですが、これは単位制と
は別の問題ではないでしょうか。もしも、生徒自身が希望した科目が自由に選択できる
ように保障すべきだということであれば、どうでしょうか。
バイキング料理ではありませんが、必須科目というものは必要と思っています。
(もう少し、考えたいと思いますが。)


 どうも、【MINAMI】さんのアップからは、はずれてしまったようです。ところで、
》とにかく今回のように、在校生がいるところに降ってわいたように話がもちあがる
ということは、私たちの委員会でも問題になりました。


 それから、教育の(行政からの)独立ですが、たまたま読んだ本に、ピッタリの
ところがありましたので、引用します。
=============引用S======================
 『日本の裁判』(岩波書店) 渡辺洋三.江藤价泰.小田中聴樹著 1995.5.2
 日本社会と裁判(p292)

 ・・・その職責上、自由と独立とが憲法上保障されているはずの司法と教育の領域
で、官僚制が確立し、裁判官と教員に自由がないということは、不自由社会・日本を
象徴するものである。一国の自由の水準を測るメルクマールは、裁判官と教員にどの
程度の自由が保障されているかという点にかかっている、とも言えよう。政治権力が、
裁判官と教員を管理統制するような国は、民主主義と自由の未成熟な国であるという
ほかない。
 この半世紀の戦後日本史を振り返ってみても、1945年から1960年代までの、
社会全体が比較的に健全で民主主義や自由の活気に満ちていた時期には、司法もまだ
ある程度健全であった。しかし、1970年代以降の政治反動の時期に入ると司法反
動も進み、今日、1990年代の民主主義の危機の時代にはいると、司法の危機もま
た深刻となっている、という政治と司法の動きの相関関係を検証できるであろう。
=============引用E======================

                                    95/09/28(木) 00:52:17 ウロウロ・アイリー



目次)()(
Message  #  27 is from: GKD0010 【MINAMI】
Time: 95/09/28 18:33:25 Section 11: 教育なんでも
Subj: Re:26)所沢高校への単位制導入問題 レス

[Response to No.26 written by ウロウロ・アイリー(GKD0033)]
>【MINAMI】さん指摘の『「単位制問題特別委員会」の見解は高校を、専門分化する
>前の人格陶冶の場として位置づけているように思います』と、いうことになります。
> このような思いから「単位制高校」をみた場合、問題があると思います。
>特に、自治活動が制限される(というより不可能でしょう)というのは問題だと
>思っています。(クラスなし・学年なしでどうするのですか。)この年代では、
>特に友達関係がだいじではないでしょうか。
 私もそう思います。
   どうもこういう政策を推進する人たちの頭の中には、対象はあくまでも個人であっ
  て、人びとが共同して何かを成し遂げるということは視野にないみたいです。ただそ
  ういうことを前提に置いても、現実の高校教育の場での自治活動とか友だち関係とい
  うものが、実際のところどういう状態なのか、ここのところは教育実践の現場にいる
  教師たちに考えてほしいところだと思っています。前回、長々と書いた福岡高校の問
  題にしても、教師の中に親ともう少し問題を考えていく姿勢の教師がいたら、ああい
  う書き方にはならなかったでしょう。 そういう教師が一人もいないとは思いません
  が、教師自身が親とも距離を置いてしまっているような場においては、生徒たちもそ
  うした関係になってしまうような気がします。もっとも、私たちのまわりの人間関係
  も、けっこう希薄な人間関係になってしまっていることが多いわけで、これを教師の
  せいばかりにしてしまっては無責任だと思いますが。

> また、【MINAMI】さんが言われている、
>》文系を選ぶ人間にとっては、数学や物理などは苦痛なものであり、
>ですが、そもそも高校はそれ程専門的に分化する必要があるのでしょうか。

  これは、文面を読んでいただければわかると思いますが、私の主張ではありません。
  時間割例を考えた人の発想をおしはかったらそういうことだろう、ということです。
   ただ、文科系、理科系という発想はかなりいいかげんなもので、「計算が得意だか
  ら理科系」といった程度の分類にとどまっているのが現状ではないかと思います。私
  などは、大学時代に地質学をやっていましたが、「理科系」に分類されたら困るくら
  い数学(受験数学)は苦手でした。これはかみさんにしてもそうです。ところがパズ
  ルなどは一家そろって夢中になるようなところがあって、そういうせいか、子どもた
  ちは数学に苦手意識をもっていません。問題なのは、現在の教育課程では、高校まで
  の段階にいくと「数学や物理が苦手」という生徒が大量発生することにあるように思
  います。この問題に真剣に取り組むことなしに、だから文科系と理科系に分けるとい
  う発想がこわいと思っています。

                                 -=- Written 1995/09/28 18:10:32 【MINAMI】-=-





目次)()(
Message  #  28 is from: GKD0041 つとめてCon
Time: 95/09/28 19:26:26 Section 11: 教育なんでも
Subj: Re:26)所沢高校への単位制導入問題

>生徒自身が希望した科目が自由に選択できる
>ように保障すべきだ
「生徒自身が選択する権利」を尊重すれば引用した部分のようになると思います。誰
しもその時々で熱中できることをやってみるのが身になります。
しかし、高校を出た後の社会では「個人の選択の幅」が質的には狭いともいえるので
「卒業後」のことを考えて「つまらなくとも儲かる勉強」を高校生のうちから、自ら
選択してしまう生徒が続出しそうです。そうなることを防ぐためには必須科目という
ものは必要なのでしょうか、うーん、困ったものです。また、科目の偏りはあっても
よく、むしろ学び方が問題だと思ってましたが、日本史も世界史もまったく知らない
というのでは大丈夫かなとも思ってしまいます。

それから、【MINAMI】さんのレポートで、
> ○大量に高校中退を生み出している高校教育の現状をどのようにとらえているのか。
これは私の考えてもいなかった問題でした。(これがあるので、パソコン通信はやめら
れない。マックの餌をつい買ってしまう。)



目次)()(
Message  #  29 is from: GKD0030 よーちゃん
Time: 95/09/28 23:02:11 Section 11: 教育なんでも
Subj: 高校教育問題の感想

高校の教育問題が熱心に論議されています。それに触発されて自分
の高校時代を思い出しながら感想を書いてみます。最近の高校の状
況には大変うといので多分的外れの書き込みになるとは思いますが。

一般論でいうと私は単位制の高校があってよいと思っています。き
らいな科目の授業ほど苦痛なものはありませんでした。きらいなも
のも我慢して耐えなくてはならないということを、身をもって経験
することに意味がある、程度にしか意義を見いだせません。高校は
たった3年間の貴重な時間です。その時期に自分の本当に好きなこ
とを見つけたり、熱中できるものを発見できればすばらしい事だと
思います。身の入らない、必修科目に耐えているよりも、自分で選
択した興味を持てる科目を勉強する方が貴いことだと思います。高
校生ですから、選択を間違えることもあるでしょう。それに備えて、
途中で変更できる柔軟性を持たせておけばすむでしょう。
むしろ単位制を本格的に導入するとなると、学校や先生の力量が
(当然行政側も)問われるのではないでしょうか。授業がつまらな
いと生徒は選択しなくなります。それに伴って、学校や、先生の機
能が変わってくるでしょう。
時間割に空白が出来ると心配だとの議論もあるようですが、逆に見
ると教室に生徒を閉じ込めておけば安心だとも受け取れます。自分
のお子さんが信用できないのでしょうか。空白の時間を有意義に過
ごすための施設を作れば良いと思います。図書館、運動施設等を充
実させればよいのではないでしょうか。
単位制が実際に導入されても、大学入試を念頭に置くと、極端な選
択はできないのではないでしょうか。そもそも、大学自体、従来の
学部や入試を変革する必要があると思います。理科系、文科系とい
う分け方もやめた方が良いと思います。(大学の問題は密接に関係
しますが、テーマからはずれるので止めておきましょう)
クラスや学年がなくても良いような気がします。むしろ同じ年代の
生徒が一斉に集められて教育される方に、違和感を感じます。この
ほうが効率的だからとられているのでしょうけど。教育を学校だけ
でなく、地域や社会全体で広く捉えなおすと、もっと異なる発想が
出てきそうな気がします。
教育の問題は、なかなか変えにくい部分があると思います。高校問
題は単位制だけでは解決出来ないもっと深い問題があるような気が
します。

どんどんまとまりがなくなっていくので、この辺で止めますが、難
しい問題ですね。

     よーちゃん(GKD0030) 



目次)()(
Message  #  31 is from: GKD0033 ウロウロ・アイリー
Time: 95/10/01 17:43:48 Section 11: 教育なんでも
Subj: 所沢高校への単位制導入問題 レス2

 勤め人としては、平日にまとまったアップとかレスを出すのは、なかなかキビシイ
ものがありますね。あれこれ考えると、1時2時を過ぎてしまい、翌日の仕事にさし
つかえてしまいます。今回もまとめたアップですみません。
(ということで、間隔があきました。)

 今までのところは、「96年度強制導入反対」という点で動いてきましたが、
この点では一致できました。
今後は、「単位制高校そのものについて、どう思うか」ということです。中間報告
にあるように、単位制問題特別委員会では、一致できますが、PTAとしてどの様
に取り組んでいくかということになります。
 「単位制高校」というものが、どんなものかわからないので、学習しましょうと
調べた結果が、今までのアップです。この会議室でも意見が別れると思います。
1月段階での所沢高校の職員会議では、単位制高校に賛成・反対の先生方がいらっ
しゃって、なかなか意見がまとまらなっかたようです。結局、96年度の導入はど
ちらにしても無理だということだったようです。(但し、強制導入には反対で一致)
教育の専門家である教師でも意見がわかれる問題ですので、全員が一致するのは難
しいかもしれません。
 教育に何を期待しているのかということから、始める必要があるでしょう。

》教育の問題は、なかなか変えにくい部分があると思います。高校問
》題は単位制だけでは解決出来ないもっと深い問題があるような気が
》します。

 そのとおりだと思います。「所沢高校・単位制問題特別委員会」に参加した父母
からも、教育に対する色々な思いが語られました。この会議室もにぎやかになって
きました。教育については、各人がいろいろな意見をお持ちと思います。一説には
100人いれば、100の意見があるとのことです。
 今度のことで感じましたが、親の意見を直接先生に話す機会はほとんどないです
ね。また、このような思い・願いを、直接受け止めて、実現する仕組みが、今の教
育制度にはないとも思いました。
 教育は、公共のものであり、現に利用している人は勿論、将来利用するであろう
人の意見が反映されるものであって欲しいと思っています。

》空白の時間を有意義に過ごすための施設を作れば良いと思います。
》図書館、運動施設等を充実させればよいのではないでしょうか。
という、よーちゃんの指摘ですが、所沢高校の検討のなかでも問題になりました。
これの回答ですが、「今の教室2つを3つに改造するとか、100年祭の寄付金で
施設をつくる」など、チョット現実ばなれしたお話でした。(校長の話から、改革
推進室長と打ち合わせた内容と受け取りました。)教員増員とか、施設の増設など
は、同時に予算化すべきでしょう。(『自分のお子さんが信用できないのでしょう
か』は耳にいたいお言葉です)
 さて、自主的に学ぶ生徒のことですが、確かにそのような生徒もいるでしょう。
(このような生徒が単位制を選ぶかどうかは別問題です。)このとき問題となるの
は、次のようなことです。いわき光洋高校の時間割で気が付いた方もあるかと思い
ますが、非常に「演習」が多いことです。多分、問題演習ではないだろうかと思い
ますが、現在の大学進学を考えると、この方が進学率がいいということでしょう。
問題を解くことによって、理解するということもありますので、全部を否定するわ
けではありませんが、それにしても多いなと思います。当初の「単位制」が意図し
ているものとは違うかもしれませんが、現在の社会情勢からいって、このような運
用が多くなるのでは、ないでしょうか。(塾に行かなくてもいいと、これを選択す
る人もいるでしょう。【MINAMI】さんの意見を誤解していて、すみません。私の文
章表現力に問題があるのはわかっていましたが、読解力にも問題があるようです。
今後も指摘して下さい。)

》  題にしても、教師の中に親ともう少し問題を考えていく姿勢の教師がいたら、
》ああいう書き方にはならなかったでしょう。そういう教師が一人もいないとは思
》いませんが、教師自身が親とも距離を置いてしまっているような場においては、
》生徒たちもそうした関係になってしまうような気がします。
 所沢高校の先生と今回じっくり話し合ったわけですが、生徒のことを考えた発言
で、親と教師で子どもたちのために何がいいのかを一緒に考えられたと思っていま
す。ただ、一般的にいって、教師のおかれている状況を考えると、今後は難しいも
のがあるのだろうなと思っています。
 今回の毎日新聞24日「浦和北高校・カリキュラム編成」の件で、25日午後に
間違いを指摘しました(訂正記事が26日でました)。このとき、担当記者と話し
たわけではないので、はっきりしませんが、電話を受けた人の様子ではビックリし
ていましたので、私が最初なのかなと思いましたが、最初(私だけ?)だとさみし
いことです。
 今後、日教組と文部省との和解(?)により、管理職の権限が強められると予想
されます。多分、職員会議は機能しなくなってくるでしょう。(今でも、「意見は
聞きました。しかし、私の考えるように実施します」という状況のようです。)


【MINAMI】さんのアップがありましたので、教師のことで思っていることを、少し
書いてしまいました。確かに、教育は人が人を教えるわけで、制度だけではなく、
教師の問題もあると思います。しかし、教師個人だけの問題でもなく、教師をとり
まく状況も影響してきます。
 「単位制」とは、別のテーマということで、アップした方がいいと思います。

 10月2日に、今後の展開について、委員会で検討することになっています。
今までのアップも含めて、一度整理する必要があると思っていますが、最初に書い
たように、なかなか苦しいものがあります。ROMが続くかもしれませんが、よろ
しくお願いします。
 どなたも、教育に関しては、お考えをお持ちと思います。別に、私や【MINAMI】
さんだけの特権ではないでしょう。すみません、つとめてCon さん・よーちゃんも
いらっしゃいました。
 どなたかのアップがあり、私がレスというスタイルになりつつありますが、どう
なんでしょうか?別に、私は教育の専門家でもなく、チョット関心が強いだけだと
思っています。


                                    95/10/01(日) 17:36:07 ウロウロ・アイリー



目次)()(
Message  #  32 is from: GKD0013 ランナー
Time: 95/10/02 23:22:16 Section 11: 教育なんでも
Subj: 所高単位制導入問題

このところ、ちょっと仕事を抱えていたのと、プラウザが不調でログの参照が困
難だったこともあり、いささか重いこのテーマへの発言はパスしていました。

ウロウロ・アイリーさん>
>> どなたかのアップがあり、私がレスというスタイルになりつつありますが、どう
>>なんでしょうか?別に、私は教育の専門家でもなく、チョット関心が強いだけだと
>>思っています。

この間、ウロウロ・アイリーさんが所沢高校の単位制導入問題に取り組んで頂いたから、わ
たしたちは、貴重な情報を入手出来たと考えています。おそらく、ウロウロ・アイリーさん
が この情報をアップされなかったら、高校で単位制が導入し始められていること
も、その問題性も、わたしたちは気付くのにもっと時間がかかったでしょうし、
現実の所沢高校における経過など、まずほとんど知ることは出来なかったものと
思います。

わたしの娘も所沢高校の出身です。娘は、所沢高校の自由な校風に憧れて、受験
しました。娘はウロウロ・アイリーさんのお子さんと同じみずほ台学童に通っていました
が、そこで1年先 輩にやはり所沢高校に進学した子がいました。その子を通して
所沢高校の校風を知ったようです。ウロウロ・アイリーさんのお子さんも同じような事情だ
と思います。通学には決して便利だと言えない選択をしているわけで、子ども達
を惹きつけているその校風は大事だと思います。その自由主義的な校風は、在学
中の活発なクラブ活動などに表れるわけですが、それは現在の受験体制の中では、
遅れをとる遠因になるようす。ですから、所沢高校の現役大学合格率はよくあり
ません。所沢高校に入学すると、入学式でPTA会長が「所沢高校からの現役で
大学進学率はよくないけれど、1年浪人すれば、なんとかなりますから」と挨拶
するのが恒例になっているそうですから、在学中、かれらが高校生活を大いにエ
ンジョイしているのは確かなようです。

わたしは、今回の単位制導入問題は
1)高校教育における単位制そのものの問題
2)県教育委員会の単位制導入の手続きの問題
3)高校教育の現状の問題
4)教育一般の現状の問題
などを考えていかなければならぬと思いますが、その時にどうしてもその人の教
育観が問われてくるだろうと思っています。

文部省=臨教審路線が単位制高校構想を推進しようとするには、次の2つの意図
があるのではないかと思います。

1)中途退学、登校拒否、学力不振などへの対応
高校教育だけでなく、日本の教育の現状は惨澹たるものがあるわけですが、その
対応として、学年制に縛られない単位制の導入は一定の効果はあるかも知れませ
ん。現実の高校教育で起きている問題に対処しようとする事は、それ自体として
は大事ですし、良い事だと思います。しかし、大学受験体制に集約された、教育
の現状が生み出してくるこれらの問題は、いくらか救済される生徒もあるだろう
と思いますが、単位制の導入によってはその根本的解決にはならないでしょう。
単位制高校がいくつもあれば、それでもいくらかの有効性があるでしょうが、県
内に1年2校導入というペースでは、その効果は21世紀に入ってからになるで
しょう。

2)選別教育の制度化と繰り上げ
選別教育という事で、わたしは2つの面があると思います。一つはエリートと非
エリートの選別、他は専門分野別の選別です。前者はすでに受験教育体制の中で
学校のランク付けの様な形で、現実的に機能しています。おそらく単位制の導入
はさらにそれを細分化するのではなかろうかと思っています。問題は後者ですが、
もはや工業高校とか商業高校というものは、大学進学率のアップと産業基盤の変
化で、ほとんどその存在意義を失っています。大学での専門教育をより効率よく
するために、高校教育での単位制の導入は産業界の要請でもあるのではないでしょ
うか。この点はかなり意見が別れようと思います。わたしは、教育をこのように
機能主義的には考えていませんので、否定的です。

これらの点を押さえた上で、所沢高校への単位制導入を考えてみる必要があろう
と思います。(浦和北高については資料もありませんし、一般論としてしか言え
ませんので、ここではふれません)

今回、県教育委員会が、所沢高校に単位制を導入しようとしたのは(1)と(2)
のどちらに比重が置かれていたのでしょうか。

これまで、娘の話や様子から所沢高校で中途退学が多いとか、不登校が特に多い
ということは言えないと思います。従って、所沢高校に問題が起きているから単
位制を導入するということではないでしょう。(1)を念頭に置いての導入であ
れば、それは、所沢高校の個有の問題としてではなく、教育行政の都合からの導
入でしょう。そうであれば、これまでかなり自由主義的な教育が行われてきた所
沢高校から、反発が出るのは避けられないでしょう。それは、所沢高校に限らず、
どこの高校もそれなりの校風と歴史を持っているので、既存の高校に急に単位制
を導入するといっても、それほど簡単なことではないのではないかという気がし
ます。それに至る丁寧な説明と準備時間が必要なのではないでしょうか。

(2)を念頭に置いての所沢高校への単位制の導入であれば、まさにそれは所沢
高校の自由主義的な校風の否定であり、高校生活をエンジョイしようとして所沢
高校に入学してきた生徒たちから反発を得るのは、当然のように思えます。これ
は、単位制がすでに導入されている稲園高校のある尼崎市の教師から電話で聞い
たことですが、稲園高校の場合は、地域のレベルアップを図るために、稲園高校
への単位制導入のために市会議員が裏で動いたというような話もあるそうです。
所沢市は近年県内でもいろんな意味でレベルアップの目立つところだと思うので
すが、教育に関しては、浦和市や川越市からは、多少水をあけられているという
事情も、あるような気がします。こんな裏の事情も案外あるような気がします。

本当の所は、結局闇の中で、何故所沢高校に単位制を導入しようとしたかは分か
らないと思いますが、少なくとも、県教育委員会が、勝手に決めたことであり、
十分な説明と、準備がなされなかったことは、これまでのウロウロ・アイリーさんのアップ
で分かります。少なくとも、高校教育で、単位制がいいのかどうか、さらに、仮
にいいとすれば、どこにどういう形で、いつ導入するのがいいのか、という民主
的な議論を一切抜きに、「はじめに単位制導入ありき」では、卒業生の父母の一
人として、やっぱり一言も二言も文句を言いたくもなります。

娘が卒業してから、すでに3年になりますが、娘の所属していたクラブからは、
未だに春夏クラブの発表会の案内が来ます。時には未だに顔を出してもいるよう
です。おそらく、単位制が導入されていたら、こんなクラブ活動もほとんど不可
能になるでしょう。あるいは、それでもあえてクラブ活動その他に精を出し、4
年も5年もかけて高校を卒業するという事態も生まれてくるかも知れません。

高校単位制の問題はこれからも考えていかねばならないテーマだとは思いますが、
とりあえず、娘の過ごした高校生活を思い出しながら考えたことです。


                                        ランナー=GKD0013
                                                10.02.95  /  23:27



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