Subject: [fem-women2000 641] 3/14 50対 50フォーラムから
From: lalamaziwa <lalamaziwa@jca.apc.org>
Date: Wed, 21 Mar 2001 08:45:17 +0900
Seq: 641

lalamaziwa です。

2001/3/14 の 50/50フォーラムの様子を紹介します。
50対50キャンペーンは、WEDO(女性環境開発機構)の ジェンダーと
ガバナンスチームが担当しており、今回のフォーラムは、今後の活動
について参加グループと意見交換する相談会という位置付けでした。

参加者
======
CSWの前半に 50対50キャンペーンの説明会を英語、フランス語、ス
ペイン語の3ヶ国語で開いた後の集まりだったので、それほど人が来て
いませんでしたが、それでも都合20名は参加していました。

・WEDO から Gender and Governance team を中心に6名
・ナイジェリア--アフリカ女性議員連盟?、民主主義のための学校自治
・米?--ジェンダー研究所
・米国社会開発のためのカソリック連合(?)
・国際ペンクラブ女性ライーター委員会
・日本--ジェンダー研究所、Win Win 
・日本--弁護士
・ジンバブエ--自治体の女性参加の活動をしている。
・ドミニカ共和国--
・北欧--女性省大臣室
・あと数名


これまでの活動のシェアリング
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50対50キャンペーンは発足から9ヶ月。北京+5でスタート。これま
でに世界の53カ国から参加表明が届いている。すでにトリニダードト
バコ、ガイアナなど、3カ国でキャンペーンが始まっている。アルゼ
ンチンでも開始、上院で30%クオタを目指している。

アフリカ、ナミビアでは自治体で42%、現在、国レベルでパリテを
導入する方向で調査している。

でも、50タイ50の主張はクオタではなく、女性の人権としての参
政権を主張する人権キャンペーンというアプローチをとるもの。女性
の数がクリティカルマスに到達したら、世界が変わるという考えに基
づくキャンペーンと位置付けている。

ブルガリアのキャンペーンでは、市町村レベルで50対50を目指し
ている。

アジアでは来週7カ国が集まり、会議を持つ。北はモンゴルから南は
インドまで、 mongolia, tunisia, thai, korea, japan, bangladesh,
india の7カ国、 cida idea (sweden), aid, undp, escap などのド
ナーも参加して、アジア地域でキャンペーンをスタートさせる方法を
検討する予定だ。

活動推進のために50対50のキャンペーン用パッケージを製作した。
・50/50 参加グループ一覧
・アクションカード:
・2冊のプライマー:
 1.昨年6月の発足ワークショップの記録
 2.ケーススタディ=スウェーデン、南アフリカ、フィリピン、
   トリニダードトバゴ、フランスなどの先進例を紹介。

IPUのデータや、世界指導者(各国の国連代表?)の集合写真が入っている。
#この写真はCSW期間中の 50/50 コーカスの広報に使われていたもので、
「この世界指導者の写真に写っている女性は何人?」というキャッチ
 と共に掲載されていた。
(実際は○○人の女性が居り、写真に映っているのは○人。)


各国のシェアリングから
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ナイジェリアでは、若い女性たちに働きかけて、彼女たちが民主主義
に参加できるようにするプロジェクトを進めている。女性はシャイで、
政治は男性のものだと感じている。だから意思決定の場にいけないし、
政党に属する女性は社交目的に利用されている。学齢民主主義(
school age democracy)という名称で、学校の自治に参加するように
働きかけている。クラス代表、house(寮?)の代表、衣服の代表など、
異なるグループを代表する人たちを推薦させる。通常、男子がトップ
になり、女性がアシスタントになるので、女性だけを選ぶ選挙も実施
する。学校の委員会活動を通して、男の子の社会役割に対する感受性
を回復させ、男の子が女性が重要なポジションに就くことを心理的に
受け入れるようにするわけだ。ナイジェリアでは、40州中2州だけが
女性の首長という状態だ。女性は十分に利用されたと思う。もう二次
的なポジションでは不十分。スポークスパースンとしてではなく、存
在と声(visibility=presence and audibility=voice)を持つことが必
要だ。

日本では、しばらく前から女性と政治の動きが活発になり、バックアッ
プスクールという形で女性の政治参加を支援する地域ネットワークも
動いている。日本で50対50の取りまとめをしている女性連帯基金がこ
の動きを支援しており、50対50キャンペーンと連動した活動になると
思う。より広い範囲で経験交流するような企画があるようだ。

台湾では、女性と政治について激しい闘いがある。現在議員の1/4 が
女性。副大統領も女性。閣僚のうち数人が女性。保守党:17%の議
員であり、1/4クオタを求めているところだ。昨年は閣僚1名だった。
政党にクオタを求めるには、パートナーとなる政党を探すのが大変。
前政権の50年の統治の間に保守メディアが女性の役割を家に縛りつ
けていた。この遺産が壁になっている。だが、フェミニストtheoryの
教員として、以前は「子供の面倒を見る。障害者の面倒を見る。は女
性の問題ではない」という風に考えていたが、意思決定の場に就いた
女性が子供が生まれても仕事を続けていることや、意思決定の立場に
参加することで子供の教育をしていることがプラスに働いていること
に気が付いた。彼女らの参加が一般の人信頼を得ることにつながって
いる。フェミニストがラジカル(=不信)の目で見られていた状況が
変わってきた。
女性の社会進出を支援する地域活動をベースにした総合的なプログラ
ムも始めており、 50のコミュニティが協力する姿勢を見せている。離
散家庭の子供の面倒を見たり、金持ち女性と協同して仕事を作るなど
もしている。社会的なPOOLをつくっている。裕福な層が参加できるよ
うになれば貧しいものも参加できる。これが女性に対する票につなが
っていくと考えている。


WEDO 50対50キャンペーンチームから相談
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★女性に関心を持ってもらうのが難しい。男性優位の分野だからだろ
う。キャンペーンをより魅力的なものにしていくためにはどうすれば
良いだろうか?

☆中央アジア(キルギスタン)の市民社会では、市民活動に基づく蓄
積があり、政治的なポジションに立候補する資質のある人材が多い。
だが、ドナー側に、男性の政治家だけを支援して女性はNGOをやってい
れば良いといった体質があることに苛立ちを感じている。女性参加を
真剣に考えることをドナーに求めていくべきだろう。

☆政府国連代表部189カ国のうち女性が代表となっているのは11カ国だ
け。 UNDP でも、シニアの職員は30%だけ。USAIDに至ってはワシント
ンベースの職員のうち 98% が男性だ。このアンバランスがキルギスタ
ンの民主主義に悪い影響を及ぼしているとしても不思議は無い。

☆キャンペーン以前に女性が全く関心を持たない状況がある。

☆政治を非神話化するのが一つの方法。多くの女性が政治は男性のも
のだと思い込んでいる。ジンバブエでは、女性なら誰でも支援すると
いう女性連合を作って支援活動をした。ジンバブエで見られる主な反
対は女性が立候補することに対する反対だからだ。しかし、選挙では
負けた。女性たちのキャンペーンが有効に機能しているのを見て慌て
た男性たちも一層頑張ってキャンペーンしたからだ。財政的な問題の
壁は厚い。現在、3000ある議員職?(councellors)のうち、女性は20人
しか居ない。

☆基本的な情報提供がひつよう。その意味ではインターネットの役割
は大きい。既存情報をネットに載せていくことは役に立つ。
    ☆ネットではアクセスできない場合が多い。
    ☆ネットは、配布条件を copyleft にして資料置き場と位置付ける。
      アクセスできる人が情報を広めていくことが重要。印刷物だけでは
      アクセスのしようがないこともあるし、散逸してしまう。

★国際の立場から、どんな支援ができるだろうか?例えば 50対50キャ
ンペーンをどう展開するかといったガイドラインは役にたつか?

☆さまざまなアドボカシーのあり方、憲法改正などは、参考になる。

☆「人権としての政治参加」という主張は重要。人権アプローチで行
くことで幅広い関心を喚起できると思う。

☆各地のクオタの動きをダイジェストしたものがあると使えるかも。

☆議席に立候補したい女性は多いが、支援ネットワークが不足してい
る。子供のケアをする施設も必要だ。

☆「女性の政治シェルター」があると良いのでは?
   :
   :

と、盛り上がったところで時間切れになりました。

   ***

50対50キャンペーンについては下記を参照してください。

女性連帯基金 (日本の50対50呼びかけ元)
    http://www02.so-net.ne.jp/~wsf/

WEDO http://www.wedo.org

fem-net
 (WEDOの最初呼びかけの翻訳版と2000/6 の発足ワークショップの
  ビデオをリンクしてあります)
  http://www1.jca.apc.org/fem/senkyo/numbers/5050campaign.html
  http://www1.jca.apc.org/fem/senkyo/numbers/5050wedo.html





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