Subject: [fem-women2000 480] Fw: [WWN-Plaza:567] 住友電工男女賃金差別事件・不当判決について
From: "Reiko Shoji" <hx7r-syuj@asahi-net.or.jp>
Date: Mon, 31 Jul 2000 23:54:31 +0900
Seq: 480
This is a multi-part message in MIME format. ------=_NextPart_000_0021_01BFFB4A.B0400300 Content-Type: text/plain; charset="iso-2022-jp" Content-Transfer-Encoding: 7bit wwnの正路です。住友裁判にご支援いただいた皆様、すでにマスコミ報道でご存知 のように7月31日の判決は不当極まりないものでした。採用区分が違うから比較でき ない、均等法よりまえに入社した人には均等待遇する義務はない、国際条約など関係 ないといった不当極まりない時代錯誤の内容でした。さっき見たニュースステーショ ンでも,久米ひろしさんが,なんでこんな企業よりの判決を出すんですかねとあきれ ておられました。判決文本文はwwnのホームページに入れるべく準備中ですが,とり あえず弁護士の意見をお読みください。出来れば,松本裁判長宛てに,あなたの言葉 で抗議のはがきなり手紙を書いてください。また一億円を超える損害賠償事件なの で,控訴する時の印紙代だけでも莫大なものだそうで,別途お願いするつもりです が,カンパでのご支援もよろしくおねがいします。 抗議先=530―0047大阪市北区西天満2―1-10大阪地裁第5民事部裁判長 松本哲泓裁 判長 WWNの振替口座=00910−6−73127ワーキング・ウイメンズ・ネットワー ク WWNのホームページ=http://www.ne.jp/asahi/wwn/wwin/ 住友電工男女賃金差別事件・不当判決について 弁護士 宮地光子 本日、大阪地方裁判所第5民事部は、住友電工男女賃金差別事件において、原告らの 請求を全面的に棄却する不当極まりない判決を下しました。 判決は、原告らの女性たちが採用された昭和40年代の被告住友電工の人事管理にお いて、「高卒の全社採用はすべて男子から募集し、女子を採用することはなかった。 また同じく高卒の事業所採用であるにもかかわらず、男子作業職には専門職への職種 転換をさせながら、女子事務職は専門職へ職種転換させることがなかった。結局、高 卒女子は、女子であることを理由に全社採用の対象から排除されていたのであり、専 門職への職種転換の対象からも排除されていたのであって、被告会社は、高卒女子に ついて、社員としての位置付けを通じて間接的には、男女別の労務管理を行っていた といわなければならない」とし、これは「男女差別以外のなにものでもなく、性別に よる差別を禁じた憲法14条の趣旨に反する」としました。 ところが裁判所は「しかし昭和40年代ころは、未だ、男子は経済的に家庭を支え、 女子は結婚して家庭に入り、家事育児に専念するという役割分担意識が強かったこ と」として、「現時点では、被告会社が採用していたような女子事務職の位置付けや 男女別の採用方法が受け入れられる余地はないが、原告らが採用された昭和40年代 ころの時点でみると、被告会社としては、その当時の社会意識や女子の一般的な勤続 年数等を前提にして最も効率のよい労務管理を行わざるを得ない」として公序良俗違 反とはいえないとの判断を下しました。憲法に違反することを認めながら、企業の多 くが男女別労務管理を行っていたことを理由に、現実追随の結論を導き出したもので す。 原告らは、裁判所が昭和40年代の男女別労務管理について、現実追随の判決をおこな う危険性を予測していましたので、仮に昭和40年代当時の男女別雇用管理が違法と いえなかったとしても、その後の社会意識の変化や法制度の変化を根拠として、被告 住友電工の是正義務を主張し、予備的請求を行っていましたが、この予備的請求につ いても裁判所は、ことごとく否定しました。原告らは、第1次的には、被告会社が男 女別定年制を廃止した昭和54年の時点で、第2次的には、均等法が施行された昭和 61年時点で、それまでの男女別労務管理を是正する義務が生じたと主張しました が、この是正義務についてすら裁判所は認めなかったのです。 その理由は、被告会社に課せられる是正義務は、「男女別の採用が公序良俗に反する 違法なものと評価されるに至った時点で、そのような男女別採用を改め、それ以後に おいて女子にも均等な機会をあたえるようにする義務にすぎない」ということです。 すなわち原告らと同期の高卒男性との間において、過去の男女別採用の結果として、 現在も仕事の配置や、職分や、賃金において著しい格差が生じていることについて は、そのままにしておいてよいということなのです。その理由は裁判所によれば、原 告らの主張する是正義務は、「被告会社が過去に行ってきた、当時としては違法とは いえなかった採用方法やそれに基づく処遇までも、現在の違法性の判断基準に照ら し、過去に遡って評価し違法評価をおこなうものというほかなく、法的安定性を害す る」ということです。 このように裁判所は、原告らが主張した是正義務についても、ことごとく否定し、そ の結果として、被告国に対する請求についても、大阪婦人少年室長が、原告らの調停 申請に対し、不開始の決定を行ったことを、何ら違法でないと言い切っています。原 告らは、全社採用・事業所採用の区分は、事務職においては、まさに男女別と同じ区 分であり、このような区分を理由に調停を不開始にすることは、女子差別撤廃条約 が、慣習や慣行も含めて、男女差別の効果をもたらすあらゆる形態の差別の撤廃をも とめている趣旨に反するものであり、ひいては男女別採用を違法とした均等法の趣旨 にも反するとの主張をおこないました。しかしこれについても、裁判所は、原告らの 主張は、「条約の批准以前、あるいは均等法施行以前に行われた当時としては違法と まではいえなかった採用区分に、右条約や均等法を当て嵌めて評価しようとするもの であるから、遡及適用以外のなにものでもない。条約や均等法に遡及効はない。」と 断定しています。 今回の判決は、まさに日本の司法の歪みを、もっともわかりやすい形で示したものと 言えます。ひとつは今の日本の司法に現実を変革する力は、まったくないということ です。今回の事案では、日本の多くの企業がおこなっているコース別雇用管理が争点 になりました。日本の多くの企業が、従来の男女別雇用管理をコース別雇用管理に置 換え、実質的には男女別雇用管理を温存させています。そのような男女別雇用管理を 形式的にではなく、実質的に転換させることを求めたのが、この裁判でした。ところ が裁判所は、被告住友電工の男女別労務管理は憲法に違反すると判断しながら、性別 役割分担意識を口実にした企業の雇用管理の現実の前に、憲法を具体化することを否 定したのです。私たちが裁判所に期待したのは、女性の人権が否定されている現実を 憲法の理念で変革することでしたが、そのような期待に裁判所は全く背を向けたので す。 そして、もうひとつは、日本の裁判所の条約無視の姿勢です。私たちは、この裁判に おいて、国際的なNGOである国際女性の権利監視協会会長マーシャフリーマン博士の 意見書を提出し、女子差別撤廃条約の内容を詳細に主張し、この条約の趣旨からして も、過去の差別の結果が現在も継続している場合には、企業はそれを是正する義務が あり、そして大阪婦人少年室長はそのような是正義務の履行を企業に果たさせる義務 があると主張しましたが、このようは主張に、裁判所は全く耳を傾けませんでした。 裁判所が判決理由のなかで、女子差別撤廃条約に触れたのは、条約に遡及効はないと いう結論に触れた部分の数行のみです。 私たちは、このような今回の判決理由を前にして、今の日本の裁判所に改めて深い失 望の念を禁じえません。しかし、この裁判をWWNが中心となってとり組む過程で得 た、国内外の多くの人の支援と良心は、企業の中で窒息させられそうになっていた原 告たちを励まし、原告の女性たちの人生を確かな手応えのあるものにしてくれまし た。残念ながら、裁判所から返ってきた手応えは、凍える程に冷たいものでしたが、 皆さんの厚い支援を支えに歩み続ければ、いつかその氷もとける日がくると思いま す。 今回の不当判決にめげずに、これからも歩み続けましょう。 ------=_NextPart_000_0021_01BFFB4A.B0400300 Content-Type: text/html; charset="iso-2022-jp" Content-Transfer-Encoding: quoted-printable <!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.0 Transitional//EN"> <HTML><HEAD> <META content=3D"text/html; charset=3Diso-2022-jp" = http-equiv=3DContent-Type> <META content=3D"MSHTML 5.00.2014.210" name=3DGENERATOR> <STYLE></STYLE> </HEAD> <BODY bgColor=3D#ffffff> <DIV><FONT=20 size=3D2>=1B$B!!=1B(Bwwn=1B$B$N@5O)$G$9!#=3D;M':[H=3D$K$4;Y1g$$$?$@$$$?3'= MM!"$9$G$K%^%9%3%_JsF;$G$4B8CN$N$h$&$K=1B(B7=1B$B7n=1B(B31=1B$BF|$NH=3D7h= $OITEv6K$^$j$J$$$b$N$G$7$?!#:NMQ6hJ,$,0c$&$+$iHf3S$G$-$J$$!"6QEyK!$h$j$^$= ($KF~<R$7$??M$K$O6QEyBT6x$9$k5AL3$O$J$$!"9q:]>rLs$J$I4X78$J$$$H$$$C$?ITEv= 6K$^$j$J$$;~Be:x8m$NFbMF$G$7$?!#$5$C$-8+$?%K%e!<%9%9%F!<%7%g%s$G$b!$5WJF$= R$m$7$5$s$,!$$J$s$G$3$s$J4k6H$h$j$NH=3D7h$r=3DP$9$s$G$9$+$M$H$"$-$l$F$*$i= $l$^$7$?!#H=3D7hJ8K\J8$O=1B(Bwwn=1B$B$N%[!<%`%Z!<%8$KF~$l$k$Y$/=3D`HwCf$G= $9$,!$$H$j$"$($:J[8n;N$N0U8+$r$*FI$_$/$@$5$$!#=3DPMh$l$P!$>>K\:[H=3DD908$= F$K!$$"$J$?$N8@MU$G935D$N$O$,$-$J$j<j;f$r=3Dq$$$F$/$@$5$$!#$^$?0l2/1_$rD6= $($kB;32Ge=3D~;v7o$J$N$G!$95AJ$9$k;~$N0u;fBe$@$1$G$bG|Bg$J$b$N$@$=3D$&$G!= $JLES$*4j$$$9$k$D$b$j$G$9$,!$%+%s%Q$G$N$4;Y1g$b$h$m$7$/$*$M$,$$$7$^$9!#=1B= (B</FONT></DIV> <DIV><FONT = size=3D2>=1B$B935D@h!a=1B(B530=1B$B!=3D=1B(B0047=1B$BBg:e;TKL6h@>E7K~#2!=3D= =1B(B1-10=1B$BBg:eCO:[Bh=1B(B5=1B$BL1;vIt:[H=3DD9!!>>K\E/]w:[H=3DD9=1B(B<= /FONT></DIV> <DIV><FONT = size=3D2>WWN=1B$B$N?6BX8}:B!a#0#0#9#1#0!]#6!]#7#3#1#2#7%o!<%-%s%0!&%&%$%a= %s%:!&%M%C%H%o!<%/=1B(B</FONT></DIV> <DIV><FONT size=3D2>WWN=1B$B$N%[!<%`%Z!<%8!a=1B(B<A=20 href=3D"http://www.ne.jp/asahi/wwn/wwin/">http://www.ne.jp/asahi/wwn/wwin= /</A></FONT></DIV> <DIV style=3D"FONT: 10pt =1B$B#M#S=1B(B =1B$B#P%4%7%C%/=1B(B"> <DIV> </DIV></DIV> <DIV><BR></DIV> <DIV><FONT size=3D2> =20 <P class=3DMsoNormal><SPAN=20 style=3D"FONT-FAMILY: '=1B$B#M#S=1B(B =1B$BL@D+=1B(B'; 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