Subject: [fem-women2000 342] 国連総会特別会期報告 〜6〜
From: Junko Kuninobu <kjunko@asu.aasa.ac.jp>
Date: Fri, 9 Jun 2000 14:35:51 +0900 (JST)
Seq: 342

やっと決議文書、合意にいたったとのこと。午前2時に終了とのことです。
でもまだ翻訳作業、微調整がいくつかの項目にあるようです。
まいあさCONGO事務局が9:00〜10:00に開催するbriefing が全体状況を
はあくするためにはベストの機会です。
今日は北京行動綱領の内容の後退をくいとめることに腐心してきた結果、なんと
か強力な反対表明諸国の思う壺にははまらずに済んだといった状況でしょうか。

しかし環境領域は明らかに表現も、内容も後退したとその領域をモニターしてき
た人は大変落胆していました。環境保護のために市民社会と政府は強力するとい
う文も削除、安全な水、食料の確保、有機的農業の促進というのも削除、第10
6項は残ったけれども、そのspiritは失われた。今後どうするかを今日午後から
日本の国会議員の
堂本暁子さんなどと討議するといっていました。

性志向性の多様性:sexual orientationについてはこの項目だけで3時間の討議
があったとのこと、しかし合意にはいたらなかった。第44項です。しかし性志
向多様性ということばは第20項にはのこっているとのこと。つまりあちこちの
項目に課題としてあげておけば一カ所でけずられても、合意のあったことは残せ
るという戦略をとるようです。
また
globalisation,human rights,family ,health ,VAW,forced prostitution,
marrital rape in DV,については合意形成できた。VAW,FGM,については政策とし
て禁止政策を実施することも合意された。つまりVAW,DVについては進展がみられ
た。
しかしpornography についての表現は削られた。つまり言論の自由という表現に
とどまった。これはイスラム文化圏のいくつかの国がfreedom of expression と
いうことばがpornographyを想像させるのでけずれといったということと関係ある
でしょう。pornographyの規制について実施を要求する先進諸国がある一方、そう
いうものの存在さえない、(と思っている、あるいはないことを建前としている
国)では規制について表現も全くことなり、言葉さえいれないことになってしま
うと、結果として規制は全くなくなるという逆説的な効果がでてくるわけです。
皮肉なものです。

午前2時まであった決議文作成委員会に多くの傍聴者がずっとねばって討議を監
視したことが大変な圧力となっていた。特に若い女性たちが最後までねばってい
たので感謝、感謝。です。傍聴してどこの国がどんな発言をしているかを目撃し
それをNGOの間で共有することが非常に重要です。こうした情報は GOは絶対だし
ませんから。バチカン、キューバ、スーダン、レバノン、などが反動の最前線の
ような発言をします。キューバは特にアメリカ攻撃を盛んにしていました。

バチカンはいったい国として国連負担金も支払っているとのことだけれど。国と
同レベルで発言をする。基本的には金のあるNGOは大きな声がだせるのか?
そんなのありかなー。国連は政教分離させないのかなー?

会場から障害をもつ女性たちが、自分たちへの言及がすくない、また農村女性に
ついて言及がないなどの、指摘がありました。

あした完成文書がでて、そして、閉会式です。

国信潤子






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