Subject: [fem-women2000 324] 国連総会特別会期報告 ー4−
From: Junko Kuninobu <kjunko@asu.aasa.ac.jp>
Date: Wed, 7 Jun 2000 12:57:28 +0900 (JST)
Seq: 324

行動綱領のfollow up は遅々としているようです。
起草委員会にもしばらく座っていましたが、まーなんと不毛な議論を
一語一語やっていることかと「うんざり感動」しました。
また総会にも出席しましたこれも形式主義の典型のようで、各国代表
がペーパーを読み上げるのみ。それも抽象的言語で、希望的観測を宣伝
するのみ、巨大な国際会議場がなんとも寒々としています。

それに対してCONGOの開催するpaneldiscussionのおもしろいこと。
各国の女性関連省の大臣が4−5人並んでどのような壁があったかを討議した
北欧5カ国のパネルは刺激的でした。
男女共同参画の実行のためには clear political willがなければ不可能だといっ
たデンマークの女性大臣のことばには納得。

また男性の役割についてパネルは男性が性暴力防止にできることをカナダの
Prof.Kaufmanが white ribbon運動展開を紹介。男性で性暴力防止のために行動す
ることを決意している人々が白いリボンを服につける運動を世界的に展開してま
す。沈黙は暴力の容認であるということです。

国連人口基金の性暴力についての会議で私はDVの報告をいくつかの地方自治体が
実施した報告書、アジア太平洋地区の事例調査を中心に報告。
堂本さんも国会内でのDV禁止法の検討が開始されたことを報告。しかし先進国と
はいえ、これほど女性への暴力にたいする法制が不備であり、また法制があって
もその行使能力がない社会というのはめずらしいことです。
「男女のpower unbalanceの原因には2種類ある。政治的決定への参画の欠落と経
済的自立の欠落である」Norwayの女性省大臣のことば。日本はそのいずれでも極
めて低いレベルを保持。この5年間の進歩は法制がいくつかできたこと。しかし
実施しにくい風潮に変化はあったでしょうか。
教育、マスメディアにおける性暴力防止の情報周知も全く不足しています。

男性がいかに命の再生産、ケア役割にはいれるか。これは男性性の強調がどこの
社会にもあり、そこから男性が自由になれない。これもいずれの文化でも共通し
ています。それでも実績をあげている国の女性たちの力には脱帽。

しかし先進の北欧でも男性が1〜2ヶ月保育休暇をとると仕事には意欲なしと
とられて出世コースからはずされるとのこと。Mummy TrackならぬDaddy Track
というそうです。

国信潤子




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