Subject: [fem-events 1857] パレスチナ;ビデオ上映と報告会
From: stkm@jca.apc.org (suto K)
Date: Fri, 30 Jan 2004 03:15:02 +0900
Seq: 1857

                   http://www.jca.apc.org/fem/news/events/
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首藤と申します。

パレスチナ、イラクなどアラブ圏をめぐる情勢について
精力的に活動・発言を行ってきている若手研究者・田浪亜央江さんが
イスラエルから一時帰国したのを機に
以下のような集いをもつことになりました。

ビデオは労働問題を通じて、「占領」の実態を伝えるものです。

イラク戦争が直接的な暴力の被害にとどまらず、
失業率の増加というかたちで人々の生活を圧迫している今、
あらためて「占領」「植民地化」とはどういうことなのか、
考えるきっかけになるのでは、と私も楽しみにしています。
30人ほどの会場ですが、ぜひご一緒に。

*********

パレスチナ/イスラエルの現在を考える−−ビデオ上映と帰国報告の集い

○日時:2月4日(水)午後6時半〜
○場所:文京シビックセンター
    地下2F・消費生活センター内/研修室A
 (最寄り駅:地下鉄丸の内線・南北線後楽園駅0分/地下鉄大江戸線・三田線
  春日駅1分/JR水道橋駅徒歩8分)

○ビデオ上映:『早朝五時』
       (制作:Video'48/ドキュメンタリー作品/55分/英語字幕)
       http://www.hanitzotz.com/video48/film%20workers.htm

○報告:岡田剛士(派兵チェック編集委員会)
    田浪亜央江(インパクション編集委員)

○参加費:500円(資料代込み)
○連絡先:tokada@jca.apc.org(岡田)
      ※「2月4日の集い宛」とお書きください。

▼パレスチナ人を取り囲む情勢は、最悪だとしか言えない事態が続いています。イス
ラエルによるパレスチナ人の家屋破壊の続行、「分離壁」の建設はパレスチナ人の日
常生活の維持を不可能にし、占領の続行による抵抗運動の中でパレスチナ経済は破綻
しつつあります。イスラエル・シャロン政権の狙いは、政治的・経済的・社会的集団
としてのパレスチナ人の力を奪い、周縁化していくことにあるでしょう。

▼一方で、イスラエル国内も建国以来の不況が続く中、占領政策の維持の矛盾があら
われ、高失業率や社会不安へのイスラエル国民の不満が噴出しています。こうした現
象がすべてパレスチナ人との対等な共存を望む声に集約されるわけではありませんが
、イスラエル政府のあり方に批判的な国民の声やオルタナティブな取り組みへの注目
は、自衛隊のイラク派兵が強行され戦争国家化する日本に生きる私たちにとっても、
重要な視点を含んでいるのではないでしょうか。

▼そこでこの企画では、一昨年日本を訪れたユダヤ人のハダス・ラハブさん、パレス
チナ人のサーミヤ・ナーセル・ハティーブさんたちの、イスラエル国内での労働者支
援活動の中で作り出されたビデオを上映(国内初上映!)します。また、イスラエル
のハイファ大学に留学し、一時帰国中の田浪亜央江、「派兵チェック編集員会」のメ
ンバーとしてパレスチナ連帯運動と日本の反戦運動の両者に関わってきた岡田剛士の
報告を予定しています。

************

【参考1】以下は、http://www.hanitzotz.com/video48/film%20workers.htmにある
、ビデオの紹介文の全訳です。
【参考2】また、以下に出てくる「ワーカーズ・アドバイス・センター/WAC」につ
いて、および上記の2月4日の呼びかけ文中に出てくるハダス・ラハブさんとサーミ
ヤ・ナーセル・ハティーブさんたちの活動と一昨年の来日の際の交流については;『
パレスチナ/イスラエルの女たちは語る−−オリーブがつくる平和へのオルタナティ
ブ』(同書刊行委員会・編/つげ書房新社・発行)を参照してください。
【参考3】ビデオに関しては、「パレスチナ・オリーブ」のHPにも、以下のアドレ
スに、昨年のテル・アヴィーヴでの上映会についての報告文(翻訳)が掲載されてい
ます。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~polive/news/challenge80b.html

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ドキュメンタリー・ビデオ
『早朝五時』
制作:Video'48/55分/英語字幕

制作スタッフ:
監督および撮影:Shiri Wilk
制作よび調査:Nir Nader
脚本:Yonatan Ben Efrat、Nir Nader、Shiri Wilk
編集:Yonatan Ben Efrat
音楽:Yoel Ben Simhon

 政治的危機とグローバリゼーションが、35000人ものアラブ人建設労働者たちの仕
事を奪ってきた。しかしこの労働者たちは今、建設現場に戻りつつある−−しかも組
織化されて!

 この55分のドキュメンタリーは、1990年代に仕事を失ったイスラエル内の建設労働
者たちがどうなったかを伝えるものだ。こうした労働者たちが、「ワーカーズ・アド
バイス・センター/WAC」の支援を受けながら、仕事を取り戻すべく取り組んできた
闘争の記録である。

 1995年以降に、35000人のイスラエル内〔に住む〕アラブ人建設労働者たちが仕事
を失った。こうした労働者たちは、2つのプロセスの犠牲者なのだ。その最初のプロ
セスとは政治的なものであり、1992年に始まった。この年に〔当時の〕ラビン政権が
、パレスチナ占領地に封鎖措置を押し付けた。ヨルダン川西岸地区とガザ回廊のパレ
スチナ人たちは〔イスラエル内での〕仕事に就くことが不可能となったのだ。彼らと
その家族たちにとって、結果は破滅的だった。イスラエル側で起きたのは、建設労働
者の不足だった。ここで第二のプロセスが始まった。つまり、イスラエル政府は建設
業界に対して、外国人労働者の導入を可能とするための許可を発行したのだ。

 当初、外国人労働者たちは、締め出された〔占領地からの〕パレスチナ人労働者た
ちの代替手段であった。しかし、美味しい食べ物があれば食欲が進む、というものだ
。外国人労働者たちは数千ドルを「袖の下」として事前に支払う。これは違法なこと
ではあるが、イスラエルで働くという恩恵を受けるためなのだ。こうした労働者は安
価であり、組織化されてもおらず、たやすく搾取できる。それまで建設現場での主要
な労働力を構成していたイスラエル内のアラブ人たちは、こうした外国人労働者に対
して競争力を持つことは不可能であった。建設業者たちはアラブ人たちをもお払い箱
にして、より多くの労働者をルーマニアやポーランド、中国、その他の国々から導入
しはじめたのである。ほんの数年の間に、この新しい労働力が、地元の〔アラブ人の
〕労働力に完全に取って代わってしまった。

 今日の、混乱のただ中にある労働市場で、建設業界に関わる複数の力関係を「Vide
o'48」は明らかにする。カメラが追うのは労働大臣、建設業協会の代表、雇用サービ
スのマネージャー、建設現場の監督たち、そしてとりわけ仕事のない労働者たち。

 もう一つの別の力は、「ワーカーズ・アドバイス・センター/WAC、アラビア語で
は“Ma'an”」だ。カメラは、WACによる「勝ち取られる仕事」と呼ばれるキャンペー
ンの最初の取り組みを描写する。撮影時点でのWACは、あらゆる困難にも関わらず、4
00人のアラブ人建設労働者の復職を実現していた。このように再び仕事を手にしたア
ラブ人労働者は現在500人に上っており、さらに400人が組織化されて仕事を手にする
日を待っているのだ。◆




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