Subject: [fem-events 1139] 【賛同要請】緊急!ホームレス自立支援法案
From: 酒井たかえ <sakai-ta@kcn.ne.jp>
Date: Sat, 18 May 2002 00:24:45 +0900
Seq: 1139

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【賛同要請】緊急!ホームレス自立支援法案

下記の転送希望メールが来ました。
賛同期限は20日まで、個人の場合は肩書きを付けて hzl03637@nifty.ne.jp に
送って欲しいとのこと。

私がバイトをしている近所のスーパーは卸値市場ですが、時に「人の最低限の生
活を守ってるんだ」と感じることがあります。
それは、ホームレスらしき人たちが時々来られるからです。
奈良は大阪と比べてもホームレスは全くいないと思われがちですが、やはりおら
れます。
真っ黒な手で、衣服も汚れて、でもその日の食事を買って行かれます。
「この人は行政に対してもっと怒って良いのに」と思いますが、私も忙しさにか
まけてそれを見過ごしたままです。
近鉄学園前駅で前に見かけたホームレスらしき年輩女性はどうしたんでしょう?

近鉄奈良駅で見かけたホームレスの年輩男性は父に似ていて、本当に気の毒でし
た。
イギリスでのホームレスを自立させる政策をTVで見て、なんで日本はと思い新
聞に投書もしましたが、理論が未完成なせいかボツでした。
今のホームレスの現状は憲法違反だと思っていました。
今動こうとしておられるのがやはり憲法の先生だというのも納得できます。
私(肩書きを今、考え中)と母(カウンセラー)も賛同します。
酒井孝江
酒井たかえのページやねん!! http://www1.kcn.ne.jp/~sakai-ta/

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【転載可】
皆様
 静岡大学教員(憲法専攻)の笹沼と申します。
 現在国会では有事法3法案はじめ重要法案が目白押しですが、その陰に隠れた
地味なものですが「ホームレスの自立支援に関する法案」があります。
 人を無情にも使い捨てるリストラ社会の中で、職も家もなく、日々の食にも事
欠く状況にあるからこそ、逆に最低生活保障すら受けられず、さらにはやっと見
つけた寝場所からさえ排除されている人々、野宿者がいます。
 今まさに、野宿者にも憲法で保障された健康で文化的な最低限度の生活や就労
を国が保障すべき義務を改めて確立することができるか否かが現在問われている
のです。
 失業や家族崩壊、あるいはいじめや虐待、その他様々な不幸を乗り越えて生き
延びている野宿者の人権を保障できるか否かは、このリストラ地獄の中での弱い
者いじめの連鎖を断ち切り、生きにくい世の中を生きやすくするためにも大きな
意義を有しております。
 賛同受付の期日まで時間がありませんが、是非とも皆様のご賛同をお願いいた
します。
 また、是非多くの方にこの呼びかけを転送し協力を呼びかけてください。
 よろしくお願いします。
 
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  「ホームレス自立支援法に関する要望書」賛同呼びかけ

                      全国地域寄せ場懇談会事務局

 これまで国は、「ホームレス」の人々が職も家もなく日々の食事にさえ事欠く
状態におかれ、就労も困難で、生活保護さえ受けられずにいた状況を知りなが
ら、何ら最低生活保障のための責任をとらず、放置し続けてきました。最近にな
ってようやく国は、都市部で始められた自立支援事業に財政援助を行うという形
で、その責任を認め始めました。
 昨年民主党がホームレス自立支援法案を提出し、今年4月には与党三党が独自
のホームレス自立支援法案をまとめました。
 今国会で法案制定が見込まれる状勢の中、全国各地の野宿者支援団体があつま
る懇談会(全国地域寄せ場懇談会)で法案に関連して、法案に対する賛否はさて
おき、野宿者の人権保障を最優先すべきであるという点を柱に現場からの要望書
をまとめ提出することといたしました。
 提出先は、衆参両議院議長・内閣総理大臣・衆議院厚生労働委員会委員長およ
び各委員・参議院厚生労働委員会委員長および各委員・各党党首です。
 現在、野宿者支援団体を中心に賛同を募っているところですが、野宿者の人権
保障に関心を寄せる団体、個人の方のご賛同も募ることとなりました。
 締め切りまでほとんど時間がありませんが、要望書をご検討の上、ご賛同を頂
けましたら幸いです。
  
 誠に勝手ながら、5月20日夕方までに全国地域寄せ場懇談会事務局「神戸の
冬を支える会」まで、メール(hzl03637@nifty.ne.jp)または電話・ファックス
(078-271-7248)でご連絡ください。
 なお、個人の方の場合には、所属肩書き等を付記していただくようにお願いし
ます。

 ご協力のほど是非ともよろしくお願いします。

             *****   

    「ホームレス自立支援法に関する要望書」


「ホームレスの自立支援」に関するいくつかの法案(以下、「自立支援法」とい
う。)が既に議員立法として衆院厚生労働委員会に上程され、ないしは上程予定
とされておりますが、法案の審議においては、以下の点にご留意いただきたく、
要望いたします。
 また、自立支援法の制定に当たっては、法文または付帯決議等に以下の諸点を
明記するよう併せて要望します。

1、野宿者の人権尊重と尊厳確保を第一の目的とすべきである。
 「自立支援法」は、何よりもまず住居もないほど困窮しているがゆえに、就労
が困難で、生活保護をはじめとする福祉サービスさえも受けられずにいる野宿者
の人権保障を目的としたものでなければなりません。野宿者に対するあらゆる差
別、とりわけ行政による差別的扱いを禁止することを「自立支援法」に明記する
必要があります。

2、「ホームレスの自立の支援等に関する施策」は強制を伴うものであってはな
らない。排除は重大な人権侵害であり、決して許されないものである。
 「自立支援事業」は野宿者自身の自己決定権を尊重して進められるべきです。
野宿者自身の意に反して野宿場所である公共施設等から野宿者を排除したり、ま
た施設入所を強制したりしてはなりません。排除は、憲法および国際人権法によ
って保障された人権を侵害する許されない行為です。
 地域住民と野宿者との間で軋轢が生じるというのであれば、国や自治体はまず
野宿者の人権に関する啓発活動を積極的に行い、地域住民の理解を得るように努
力すべきです。

3、施設管理は野宿者の人権尊重を第一とすべきである。
 現在、野宿者が「自立」のために収容される施設では、多くの場合、野宿者各
個人が二段ベッドの一床とロッカー一棚しか利用できないなど、設備・空間・プ
ライバシー確保に人権上の多くの問題点を残しています。そうした中で、実際に
「施設よりはテント」を選ぶ野宿者がいても不思議ではありません。「自立」の
ため施設入所を強要するようなことはあってはならず、ましてや自立支援の諸施
策が排除の受け皿であってはなりません。人権の尊重と尊厳の確保を第一の旨と
することを確認してください。
 また、施設管理においては入所者自身の自己決定権を尊重し、入所者の施設管
理参加権を保障する制度的仕組みを確立してください。

4、「自立」のあり方、「自立支援」のあり方の多様性に留意すべきである。
 多様な価値観・生き方が受け入れられ、広がっている現在においては、「自
立」に至る経路および「自立」のあり方も多様な形が認められるべきです。十分
な住環境や安定的雇用の確保が困難な現況においては、野宿を強いられ続ける
人々も残らざるを得ません。野宿者が日々の糧を得るための雑業等の多様な就労
形態やテント生活を含む多様な居住形態を、地域住民が受容しうるように理解を
求めていくことがまず必要です。その上で、野宿者個々人が無理ないペースで
徐々にそして着実に「自立」に至るための多様な経路を整備すべきです。
 すでに一部の都市で開始されている「自立支援事業」を無批判に踏襲するので
はなく、野宿者の実態と既存「自立支援事業」の実績を客観的かつ詳細に把握す
るところから施策を構想してください。

5、生活保護法との十全なる連携に留意すべきである。
 「自立支援法」は、健康で文化的な最低限度の生活を保障する生活保護法に野
宿者のための特別施策を加えるべきものであり、生活保護法を下まわるものであ
ってはなりません。無理ないペースで野宿者各個人が「自立」へと至るために
は、その過程の要所要所で生活環境の不安定さを補完する生活保護法の柔軟かつ
迅速な適用が不可欠です。「自立支援法」と生活保護法の密接な連関、生活保護
法の柔軟かつ迅速な活用に十分留意してください。

6、保護実施機関による生活保護法の違法な運用を禁止し、即刻是正させるべき
である。
 保護実施機関の多くは、職も住居もなく、日々の食にもこと欠くほど生活に困
窮した野宿者に対して、「住所(住居)がない」とか「65歳未満で稼働能力が
あるから」といった理由で生活保護を適用しないという、甚だしく違法かつ差別
的な運用を行っています。これは生活困窮者に対して無差別平等に最低生活を保
障することを定めた生活保護法に違反するものです。
 また、居宅で生活することに特に支障のない野宿者を、居宅ではなく救護施設
や更生施設に入所させるといった収容主義をとっている地域もありますが、これ
は生活保護法30条の居宅保護の原則に反するものです。
 これら保護実施機関による違法で差別的な生活保護法運用を禁止することを
「自立支援法」に明記すべきです。

7、住居保障のための実効的施策をとるべきである。
 野宿から脱するために第一に必要なことは住居の保障です。生活保護法上の宿
所提供施設の増設整備、公営住宅への野宿者の優先的入居保障や住宅賃貸契約に
おける公的保証などにより入居支援政策の実施を行うことを「自立支援法」に明
記すべきです。

8、野宿者が安定した稼働収入をあげ得るような就労を保障すべきである。
 野宿を強いられている多くの人々は就労を希望しています。国には、就労を希
望するすべての人に自らの稼働収入で生活を支えていくための安定した就労の場
を提供する義務があります。野宿者が望む就労の形態に応じた多様な支援を行う
と同時に、職業訓練や技能修得のための機会を提供し、かつ安定した収入を得ら
れるような就労の場を創出することを「自立支援法」に明記してください。

9、大都市だけでなく地方においても野宿者の生活保障や自立支援のための施策
を行うことを義務づけるべきである。
 東京都特別区や横浜市、名古屋市、大阪市などの大都市に限らず、それ以外の
地方においても少なからざる人々が野宿を余儀なくされています。大都市部にお
いては「自立支援事業」などが推進されていますが、地方では「自立支援事業」
も行われていない地域がほとんどです。また、大都市に比べ地方では野宿者への
生活保護法の適用が厳しく、より甚だしい違法な運用が常態化しています。大都
市だけでなく、地方でも野宿者の生活保障と自立支援のための施策を積極的に行
うよう義務づけることを「自立支援法」に明記すべきです。

10、自立支援施策の事前手続と不服申立て手続きを整備し手続的権利を保障す
べきである。
 「基本方針及び実施計画」等によって「ホームレスの自立の支援等に関する施
策」が具体化していく中で、野宿者の人権が蹂躙されることのないように、事前
手続と不服申立て手続きを整備し、野宿者の手続的権利を保障することを「自立
支援法」に明記してください。
 また施設の閉鎖的な管理・運営によって入所者の人権が侵害されたり、不服申
立ての権利が奪われることなどを防ぐためにも、独立した第三者機関による客観
的なチェックが制度的に保障される必要があります。

                           以上
2002年5月


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      笹沼 弘志
  静岡大学教育学部
〒422-8529静岡市大谷836
ebhsasa@ipc.shizuoka.ac.jp
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