監獄人権センター設立趣意書
第1 目的
第2 活動内容
第3 構成
第4 当面の活動
第5 組織
- 第1 目的
- 1 わが国及びアジア地域の刑事拘禁施設並びに出入国管理拘
禁施設の人権状況を国際基準に合致するよう改善していく。
- 2 刑罰手段における不公正で倫理的でないあらゆる差別をな
くしていく。
- 3 死刑を廃止する。
- 4 不必要な刑事拘禁自体を減らし、刑事被拘禁者の社会復帰
に役立つよう拘禁刑の内容を改善していく。
- 5 建設的な被拘禁処遇(保護観察や社会奉仕命令など)の使用
を促進する。
- 第2 活動内容
- 1 刑事拘禁施設における人権侵害の事実を調査公表し、また、
これに対する弁護士紹介、訴訟支援などによって個別的な
救済を図る。
- 2 刑事拘禁に関する国際人権諸条約の批准を進め、国際人権
諸基準を研究し、人権侵害を防止するための法律制度の提
案とその実現のためのキャンペーンを行う。
- 3 刑事被拘禁者の自主的な社会復帰を援助するため拘禁刑の
内容の改善、被拘禁処理の導入についての政策的な提言を
行う。
- 4 出獄者の社会復帰のための職業訓練・就職・住居確保など
の支援を行う(将来的な課題)。
- 5 死刑廃止のために活動する。
- 第3 構成
- 既存の団体の存在を前提とするネットワーク的な構成をとるこ
ととし、事務局機能は独立させることとする。
主な呼びかけ対象は次のような個人とする。
- 1 これまで獄中者の処遇改善に取り組んできた市民
- 2 刑事拘禁施設における人権侵害に対する事件、弁護士会活
動などに取り組んできた弁護士
- 3 刑事法、国際人権法の研究者
- 4 刑事被拘禁者の人権・処遇に関心を寄せるジャーナリスト
- 5 その他
- 第4 当面の活動
- 1 日本の刑事拘禁施設における人権侵害の状況を調査し、内
外に公表していく。とりわけ、未決既決を通じた独居拘禁
処遇の問題点、死刑確定者に対する厳しい外部交通制限、
外国人に対する処遇上の差別などの顕著な人権侵害につい
て国際機関に対する通報などの活動に取り組みたい。
- 2 国際的な人権基準を導入した刑事拘禁の緊急改善プラン、
刑事施設法案に対する対案を提案し実現させる。
- 3 個別の人権侵害の訴えに対応して、弁護士の紹介、監獄訴
訟の経験交流、人権侵害に対するマニュアルを作成する。
被拘禁者が法的援助をより容易に得られることを確立す
るために、法律扶助制度の改善の提案をする。
- 4 出獄者の援助のための制度及び現状の研究と改善のための
提言をする。
- 第5 組織
- 国際的な監獄改革運動組織である刑罰改革インターナショナ
ル(Penal Reform International)と協力して活動し、国連
NGOの資格を目指す。
ヒューマン・ライツ・ウォッチのプリズン・プロジェクト及び
インターナショナル・プリズン・ウォッチと緊密な連絡を保つこ
ととする。