2007年10月3日
国連拷問禁止委員会最終審査フォローアップに関する申入書
内閣総理大臣 福田康夫 様
外務大臣 高村正彦 様
(担当:外務省人道人権課長 木村徹也 様)
第38回国連拷問禁止委員会は今年5月22日、第一回日本政府報告審査の最終所見を公表し、日本における拷問その他の非人道的取り扱いについて重大な懸念を示すとともに、その是正のための具体的かつ詳細な勧告を示しました。
私たちはこの日本審査が、日本政府・国際機関・市民社会の建設的対話を通じて、拷問ならびに非人道的取り扱いの根絶へ向けた具体的一歩となることを期待し、このプロセスに積極的に参加し、あるいは関心をもって見つめてきました。最終所見が公表された今、私たちは日本政府が所見を真摯に受け止め、市民社会との継続的協議に基づき、速やかに是正措置をとることを期待しています。
しかしながら、最終所見の公表から4ヶ月以上が経った現在も、国会議員の質問主意書には答えたものの、これをどう受け止めどう対応していくのか、政府は前向きの態度を明らかにしていません。審査の冒頭、藤崎国連大使は、拷問ならびに非人道的取り扱いの根絶に向けた日本政府の取り組みの原則として「市民社会の参加」と「国際社会との協力」を掲げました。その言葉を口先だけのものに終わらせないために、政府はその決意を実行に移すため、最終所見を受けての具体的な行動計画を早急に示すべきではないでしょうか。
また最終所見はパラグラフ30において、特にパラグラフ14(難民・入管収容施設)、15(代用監獄)、16(取調)、24(人身売買およびジェンダーにもとづく暴力)に関して、1年以内に追加的報告を行うよう求めています。政府が実のある追加的報告を実行するためには、関係団体との連絡を含め、一刻も早く具体的な作業を始めなければならないはずです。
日本政府が、拷問ならびに非人道的取り扱いの根絶に向けて、国際社会の責任ある一員として誠実に取り組む姿勢を内外に示すには、拷問禁止委員会をはじめとする国連人権システムを尊重し、委員会の求めた改革を確実に実行に移す決意を今こそ示すべきです。
よって、以下の諸点について要請し、回答を求めます。
1. 国連拷問禁止委員会の最終審査を真摯に受け止め、指摘された問題是正のための具体的な行動計画案を早急に策定すること。その過程において、関連市民団体を含む市民社会と十分な協議を行うこと。
2. 最終所見パラグラフ30の要請(パラグラフ14、15、16、24に関する1年以内の追加報告)への対応について、早急に具体的な計画を示すこと。
申し入れ団体
監獄人権センター(東京都千代田区神田小川町3-28-13-8F 菊田法律事務所気付/Tel. 03-3259-1558/担当:秋山)
アジア女性資料センター(東京都渋谷区桜丘町14-10-211/ TEL:03-3780-5245/ 担当:本山)
入管問題調査会
東京精神医療人権センター
賛同団体
アムネスティ・インターナショナル日本/アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会/「慰安婦」問題を考える女たちの会/カラバオの会/国際人権活動日本委員会/「婚外子」差別に謝罪と賠償を求める裁判を支援する会/在日韓国民主女性会/死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90/市民外交センター/市民ネットワークさせぼ/社団法人自由人権協会(JCLU)/人身売買禁止ネットワーク(JNATIP)/世界女性会議ネットワーク関西/「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW−NETジャパン)/千葉県高等学校教職員組合男女平等教育推進委員会/統一獄中者組合/東京・生活者ネットワーク/日本キリスト教会横浜長老教会 靖国神社問題特別委員会/反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)/常陸24条の会/ヒューマンライツ・ナウ/COSMO/I女性会議中央本部/NGO人権・正義と平和連帯フォーラム/RAWAと連帯する会/SWASH(Sex Work and Sexual Health)
以上26団体
賛同個人112名