備えあれば、うれしいな
大学法学部教授
非武装にとどまらない非暴力のコスタリカの伝統などを知り、深く考えさせられました。また、旅行が楽しかったので、もう一度コスタリカに行きたいと思っています。そこで、考えさせられたことと、旅行中の面白かった会話を、箇条書きにすることにしました。
考えさせられたこと
- 途上国に対する偏見
コスタリカの非武装については論文を読んでいましたが、半信半疑のところがありました。そこには途上国に対する偏見があったと思います。平和主義だけではなくコスタリカ憲法全体について、今後本格的に研究する必要があると思いました。
- 対話しにくい相手との対話
コスタリカで対話を重視していることは知っていましたが、複雑な関係にあるアメリカに対しても、反米闘争の態度をとるのではなく、コスタリカは上手に対話する努力をしてきたようです。対話しにくい相手と対話しようと努力するところにこそ、対話の意味があると考えさせられました。
- 教育の自由と平和教育の関係
日本の憲法学で、特定の考え方を教えることを強制されないという教育の自由と、憲法に含まれている特定の考え方を教える憲法教育の関係は、大きな論点になってきました。自由を尊ぶコスタリカで、平和という特定の考え方を教えることは、どのように説明されているのでしょうか。仮に軍備の強化を主張する教師が現れたとすれば、処分を受けるのでしょうか。それとも、市民の評価や批判に委ねられるのでしょうか。
- 経済活動と平和主義
日本で自衛隊の海外出動を容認する論調が強まっていることの基礎に、日本の海外での経済活動があると思います。コスタリカが平和主義を堅持していることの基礎に、国外での経済活動の不存在があるのではないでしょうか。勿論経済の問題と平和の問題が直結するわけではありませんが、日本がコスタリカの平和主義を受け止めるには、地球規模の経済のあり方も考えていかなければならないのでしょう。
旅行中の面白かった会話
- 弁護士
「仕事を片付けるために、徹夜をしましたので、飛行機に乗る前か
ら、時差ボケしたような状態で、旅行に参加しました。」
- 研究者(国際政治)
「コスタリカの出勤時間は朝6時頃で、早いものですから、ホームレスはその時間には未だ出勤していません。ホームレスといっても、どこかに家はあるみたいです。」
- スペイン語の通訳A(教育学)
「ペンタゴンの何とかと言っている部分が、よく分からないのですが。」。スペイン語の通訳B(生物学)、「『タカ派』って、言ってるんじゃないんですか。」
- 新聞記者
(コスタリカの元大統領へのお礼として、)「X新聞から『鳩サブ
レ』をお贈りします。鳩は、どこの国に行っても、平和のシンボルなんです。」
- コスタリカの医師
(日本語で、)「ようこそ、いらっしゃいました。どうもすみません。」(名古屋大学に留学した経験があった。)
- 弁護士
(帰りの飛行機の中で、)「私も映画が好きで、週に3本ほどビデオを借ります。ただ仕事が忙しいので、早送りして見ます。そのため、字幕のあるものを選んでいます。見ても、あまり感動はしませんが。」
(タイトルは、息子の中学生時代の友人の言葉を借りたものです。)
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