2002年2月3日午前10時〜午前11時30分
バイリンガル科学中学・高校(COLEGIO CIENTIFICO BILINGUE)にて
[選挙監理委員の一人である女生徒(高校2年生・最終学年)と校長先生にインタビューを行った]
<選挙管理委員:ケイラ・メルメデス(Keyla Bermedez)の談話>
今日は大統領等の選挙の日なので、同時にこの高校でも子ども選挙を行っている。方法、投票用紙などもすべて本当の選挙に準じる形となっている。
子ども選挙は、子どもが大統領選を選び、民主主義を実感するために行われる。子ども達は、授業の中で、国の安全を守ってくれること、清廉・公正であること、社会的経済的に
貢献できる確信があることなどが重要であると思っている。3歳―15歳くらいまでの子ども達が選挙に来るが、まず、1週間くらい前に登録し、今日選挙に来る。また、1週間前に選挙登録できなかった人は、今日登録することもできる。
ここに投票に来るのは義務ではなく、子どもの意思による。この高校は、今回子ども選挙をしている唯一の学校である。この学校だけで3000人が在籍しており、それ以上、投票に来る可能性がある。高校5年生(最終学年)が選挙監理委員会を運営中。これは、「地域社会の勉強」という科目でやっている。選挙のための印刷費、運営費用、委員の食事の費用などは、選挙に参加する子ども達の寄付で行っている。
子ども選挙の始まりは、子ども達が自分たちも選挙に参加したいと直訴したのを学校側が受け止めたからだと思う。私の学校の校長先生が手を挙げたと聞いている。
今日の投票時間は午前8時―午後5時で、夕方6時に記者達に対して選挙結果を公表する予定である。社会的にも注目されていると思う。この選挙結果は、子どもの意見の集約ということで、政府の施策、例えば、売春、麻薬、ストリートチルドレンなどの子ども特有の問題について、影響を与えていると思う。今回有力な3候補とも、この3つの点の改善についてそれぞれ公約を掲げている。2か月前から準備して、高校最終学年で責任者、会計などを選ぶ。生徒達で当日何が必要かを考えて、選挙の説明ガイド、監視員なども要請した。
投票の際には、両親の意見の影響もあるが、独自の意見を持った子ども達もたくさんいる。
学校はもちろん、宗教、経済、政治の話は、家庭でしばしば話題になっているから、子ども達も意見を持つようになるのだと思う。
<校長先生:フェルナンド・セペタ(Fernando Zepeda)の談話>
私が、私の高校で子ども選挙を行うべきだと考えたのは、生徒達が子ども達に民主主義を教えるよい機会だと思ったからである。投票用紙の印刷など、この運営はすべて子どもの寄付でなりたっている。費用としては、3000$がかかっている。すべての国民が民主主義を学ぶよい機会として欲しい。
子どもにとって選挙体験を楽しいものとするために、今日、学校には、楽団と踊り手が来ているが、近所の楽団が半額で私たちに協力してくれている。楽団はこのお金もすべて踊り手にあげるというつもりであり、つまり、彼らは完全にボランティアとして参加していることになる。
この子ども選挙は16年前から始まり、今回が5回目である。16年前にこの学校の先生(今は退職)が始めた。今まで4回の選挙結果は本物の選挙と同じ結果となっており、午後6時の時点で本物の選挙の行方をうらなうものとして、みなが注目している。もし、今回決選投票になったら、決選投票の日に、もう一度子どもも決選投票を行うことになる。