1983年11月17日
コスタリカ国大統領

コスタリカ「永世」「積極的」「非武装」中立宣言

仮訳:竹村卓

 私は国民を代表して、他の諸国に影響を及ぼす可能性のある、すべての(戦争をもたらすような)武力紛争に対し、「コスタリカの中立」を宣言する。
中立は以下の特徴を持つ、
  1. 「コスタリカの中立」は「永世中立」であって、暫定的なものではない。この中立は他の諸国に影響を及ぼす、すべての武力紛争に適用される。

  2. 「コスタリカの中立」は「積極的中立」である。積極的中立とは、イデオロギー的あるいは政治的分野において、不偏不党であることを意味しない。したがって、西欧デモクラシーとこれまで共有してきたし、今後も共有して行くであろう政治的および社会的な物の考え方に対する、コスタリカの信条を、再確認するものである。この積極的中立は、国際連合加盟国として、米州機構加盟国として、また米州相互援助条約当事国としてのコスタリカが、以下の事柄に対して持つ権利と完全に一致する。それらの事柄とはすなわち、国際の平和と安全の維持に関し一致し、また紛争の平和的解決をもたらし、より公正な経済社会秩序を獲得し、かつ人権と基本的自由を促進し尊重するための活動に関しても一致する。

  3. 「コスタリカの中立」は「非武装中立」である。コスタリカの対外安全保障は、今後とも引き続きコスタリカ国民の自由な意志に、国際法の規範に、そしてコスタリカが参加する(複数の)集団安全保障体制に基礎を置く。コスタリカが参加する集団安全保障体制とは、いずれも常設の機関としての軍隊を維持すること、他国の武力紛争を解決するために武力を行使することを、コスタリカに関する限り、要求しないものである。


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