2003.04


 

拝啓 身のまわりに急に春のうごめきを感じられる日々がやってきました。

さて、私こと
この度、3月末日をもって千葉大学を辞し、4月からは名古屋のNPO「まちの縁側育み隊」で市民・行政協働のまち育て活動に赴くことになりました。

ふりかえってみますと、大学教員の職に就いて以来、36年間、住民の参画のプロセスをエネルギーにしつつ、ソフト・ハード両面の生活空間の質を高めるハウジングとコミュニティ・デザインの研究と教育と実践にかかわってきました。実践としての参加のデザインに対する私の情熱は、学問への情熱にまさるとも劣らず、今回、定年3年前に研究・教育面で若い世代に道をひらき、市民まち育て活動に転進する決断に至りました。人生の峠をこしてしまった身ですが、これは、単なる無謀な企てになるのか、ありうるかもしれぬ「もうひとつの生」にむけての新しい旅になるのか、全く予断を許しません。ともあれ、自らの限界を外にひろげる生き方をめざしたいと念じています。

千葉に在りました6年間にわたって、とりわけ、NPO千葉まちづくりサポートセンターの活動におきましては、温かい励ましや貴重なお教えをいただきましたおひとりおひとりに深い感謝の意を申し上げます。千葉のみなさまから触発された市民主体のまち育てへの思いとスキルは、今後必ず生かしたいと思います。ボーンセンターの代表はおりることになりますが、理事はあと1年つとめさせていただくこととなり、これからもみなさま方との出会いがあろうかとも思いますので、その節にはどうぞよろしくお願い申し上げます。

末筆ですが、みなさまのご多幸を念じてやみません。

敬具

2003年 春

延藤 安弘




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