第53回 ボーンセンター露天風呂番外編 「浜金谷のまちづくり活動」
露天風呂の番外編として、東京湾横断フェリーの千葉側発着港である「浜金谷」で、地元の方を交えて、街づくりについて話し合った。
 東京湾横断道路の建設以降、フェリーの利用者は激減し、また、千葉から館山方面へも高速道路が開通して、浜金谷港は素通りされ、閑古鳥が鳴く状態になってしまった。かつては、鋸山登山の拠点としても、植物園やレストラン、ショッピングセンターさらにはホテルなどがあり、多くの観光客を囲い込み、一大拠点となっていたが、今は見る影もなく寂れてしまっている。町の案内は、自らもボーンの会員で、ショッピングセンターや金谷美術館のオーナーでもある鈴木さんにお願いした。
 初日は、午後、現地集合。まずは鋸山から東京湾を展望する。あいにくの強風でロープウェイが使えず、車で中腹まで行き、そこから各自頂上を目指した。登山道途中に鎮座する野仏も可愛らしい。山としては高くはないが、頂上から見晴らす東京湾や太平洋沿岸の景観はなかなか雄大で素晴らしかった。


 浜金谷港から鋸山を遠望

 鋸山山頂から眼下に浜金谷を眺望する

山頂石切場跡・ライオンの顔に見える「地獄のぞき」

ピザレストラン「GONZO」の房州石で作った窯
房総は江戸時代から、一寸した遊行地として親しまれてきているが、時代とともにその姿は変貌して来た。現在は美術館が在ったり、ショッピングセンターには、魚介類の商品のほかに、バウムクーヘンが売られていたりする。かつて土産物売り場とホテルであった建物「KANAYA BASE」には若い芸術家が集まり製作活動に励んでいた。今は寂れて観光客も少ないが、東京湾に沈む夕日を眺めたり出来る、海沿いの遊歩道を整備して海とのつながりを取り戻すことや、また房総石の出現する断層現場は、地球の変貌を垣間見れるジオパークとして整備すること、などが提案された。街づくりは、街の資産を発掘、評価し、そして自信を持って観てもらうこと、暮らしの姿を知ってもらうこと。1泊2日の短い滞在であったが、地元の方の熱意を感じた、充実した露天風呂「合宿」であった。         
                                (文責 泉宏佳)
 金谷美術館(外壁の一部に房州石が張られている)  房州石で造られた塀
 若い芸術家が集まる「KANAYA BASE」
日没前の富士山のシルエット

 

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