□ 事業報告(受託) 
○ 千葉市(緑土木事務所)委託事業「おゆみ野遊歩道点検調査業務」
おゆみ野遊歩道・探検発見ウォーク

平成16年11月14日、千葉市緑区おゆみ野地区にある遊歩道で、ウォークイベントを開催した。当日は気温も低く、生憎の小雨模様だったが、老若男女70人を越える住民参加があり、元気いっぱいで楽しいイベントとなった。
特にこの準備と実行にあたっては、自治会の豊田洋祐会長をはじめ自治会役員及び、福谷章子さん(ボーン会員)をはじめ「こどもまちづくりクラブ」のメンバーのご協力が大きな助けとなったことを明記しておきたい。

 

□背景と狙い

現在、おゆみ野遊歩道では環境整備のために、ゴミ広いや点検活動等、自治会などを中心にさまざまな住民活動が行われている。
一方、遊歩道を日常生活のなかでさらに活用促進することで、安全安心な歩行環境を住民の手で作り上げる取り組みが重要との認識も、住民のなかでも高まりを見せている。
今回のイベントは、住民が遊歩道の魅力を発見し、遊歩道への認識を高めることを狙いとし、隔年で実施されている自治会主催の遊歩道安全点検作業の一環として行われた。
なお、このイベントは千葉市からの委託事業として、ボーンが企画実行を担当した。当日は千葉市、緑区、警察などからも13人が参加し、官民一体型まちづくりの雰囲気を盛り上げた。


 

図 -1地図つくり

図 -2 綿あめ

 

 

□探検発見ウォーク
ウォークのコースは地区をリング状に走る四季の道(春,夏,秋,冬の道)と、縦横に配置された中の道とおゆみの道。参加者を予め4つのチームに分け、それぞれが春夏秋冬のいずれかを歩き、途中で発見したものをデジタルカメラとメモで記録する。約1時間半のまちあるきから帰ると、リーダーを中心に発見マップの作成をし、最後は各チームの発見したものをマップを使い、参加者全員の前で発表してもらった。
実はまちあるきから帰った後のマップ作成では、参加した子ども達が退屈し、動き回って、作業の足手まといになることが心配された。そこで予め綿アメつくりとポップコーンの機械を用意した。会場の泉谷中学校体育館に帰ると綿アメとポップコーンを渡し、綿アメは自分たちで作らせるなど、子ども達に飽きさせないようにした。退屈なはずの発見マップの発表の時も、食べ物を与えられた子ども達は比較的おとなしくイスに座って、大人の話を聴いていた。発表する大人達も、子ども達に興味を持ってもらえるように、ユーモアを交え熱演をふるい、和気藹々の発表会となった。


 

□市民が使えるマップ作り
今回のイベントでは、地区を4箇所に分けた情報マップが出来たわけだが、今後これらを合体し、一つの遊歩道マップとする作業が待っている。

A3の大きさのマップを作り、それを手に住民が遊歩道を巡るようになってもらうことが最終目標である。これまで住都公団(現、都市再生機構)が地区マップを作成しているが、予算をつけ、計画的に整備された施設や植栽の紹介に終始している。一方、住民は日々の生活のなかで、遊歩道を利用し、もっとさまざまな楽しみを見付けているはず。子ども達も、大人が忘れてしまっている好奇心や感性で、いろいろ楽しみを発見しているはず。これら住民独自の視点から、遊歩道とその周辺の環境を見直してみる必要があると考えた。このような遊歩道の楽しみ方を住民が共有すれば、遊歩道はもっと多くの住民に利用され、それが住民のコミュニケーションを高め、子どもへの目配りなど犯罪抑止に繋がればと考える。
現在、このマップ作成は、手書きのイラストで親しみの持てる、手作り感覚いっぱいのマップに出来ればと、「こどもまちづくりクラブ」のメンバーと一緒に作業を進めている。出来れば1月中に完成し、2月のおゆみ野コミュニティセンターまつりでお披露目出来ればと考えている。



 
 

図 -3 こども達の発表

図 -4 熱心に聴く参加者

 

□参加者の感想・意見
最後に、探検発見ウォークに参加した方々のご意見をいくつか紹介したい。

a. ウォークイベントに参加して感じたことなど
・鈴木優子(ボーン運営委員、グループリーダー)さんは子ども達が喜ぶような話題をつぎつぎと出すので、子ども達も飽きずに喜んで歩いていた。また、環境の指標となる植物や生物の話を丁寧にするので、大人も勉強になった。
・最初に作られた夏の道などとくらべ、秋や冬の道には彫刻などが少ないという印象があった。だんだんお金がなくなってそうなったのかと思っていたが、自然の植物などのしつらえに重点が置かれたデザインとの話で納得した。
・富士山が見える場所や花火が楽しめる橋などがあることが分かり、住民がひそかに楽しみを持っているのが微笑ましい。
・シジミ、カワセミなど大自然に行かなければ発見できないと思っていた生物がいたことに本当に驚いた。人が作った団地の人工的な環境が徐々に本当の自然になってゆくのだと感動した。

b. 意見や要望など
・全体的に遊歩道には、休憩スペースが少ない印象がある。もっとベンチやお茶を楽しめる設備が欲しい。
・愛煙家のための喫煙コーナーも考えてあげたい。
・もっと歩き回るようにするには、自転車は原則どこでも走れるようにして欲しい。実際には住民は、禁止とわかっていても便利だから走っている。
・夏の道のグループには、地元でよく散歩をしていて詳しい方がおられた。植物や季節の変化などみんなに話すことが楽しそうだったのが印象的。次回はこのようなシルバーなど、地元に詳しい方々の意見交換も兼ねたウォークイベントが出来ると、もっといろいろな発見ができると思う。
・市や警察など役所も大勢で参加して、裏方を務めていた姿に非常に好感が持てた。
・体育館を快く貸して頂き、準備に積極的に関わってくださった、泉谷中学校の教頭先生に感謝したい。・綿アメやポップコーンはけっこう大人も楽しんでいたようで、とても好評だった。
・今回のようなウォークイベントを四季ごとにできないだろうか?四季それぞれに楽しみがあると思うし、そのイベントを通じて、地域のコミュニケーションがもっと図れると思う。

(事務局長・宮田 裕介)

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