代表のぼやき

2004.2

     
 
議会よ、がんばって

2月7日土曜日、千葉市民ネットの定期総会の後のイベントに招かれ、「まちづくりNPOとネットの連携」というテーマをいただき4分間スピーチをしてきた。今年で14年目を迎える市民ネットの活動に敬意を表するとともに、ボーンセンターでは市民参加の話しの中でしばしば議会不要論がでてくること、しかし議会は民主主義の要と思うので、政治団体としての市民ネットには議会を少しでも有意義なものするようぜひもっと頑張ってくださいというようなことを話した(つもりだ)。

こんな発言をしたのは、最近市民のタスクフォースで町づくり条例案をつくるという経験をしたからである。場所は、千葉ニュータウンのある千葉県白井市。真鶴まちづくり条例(別名「美の条例」)にたずさわった野口和雄さんがアドバイザーをつとめていて頼まれたのである。地方分権の流れの中、さまざまな自治体で宅地開発指導要綱を条例化する動きが活発化している。白井の場合も、地区計画と建築協定をあわせてより総合的な町づくり条例をつくろうという試みであった。これらを核に、どこまで独自の工夫が盛り込めるかが勝負となる。制定されれば千葉県で一番乗りである。委員は15名、うち6名が「市民の代表」であった。

合併前に決めたいという市の意向もあって、かなりあわただしい日程となった。議事は、市が案をつくり、それに委員が意見を述べ、市が修正していくという方法で進行した。最初のうちは、なかなか実質的な議論にならなかった。途中から、元市議で副委員長の宮沢さんが市民委員に呼びかけ、何回かの勉強会を行った結果、活発な討議が繰り広げられることになった。しかし残された時間は少なく、せっかく議論が盛り上がったところで幕となってしまった。これは座長である私のミスリードであった。このような作業では、市に案を任せて意見だけを述べるという受け身の姿勢では前向きの議論を期待することは難しい。

さて、これが議会だったらどうなるだろう。議員なら自発的に調査を行うことができるなど、条例案づくりの環境は整っているはずだ。

議員も市長も選挙で選ぶ二元代表制の下では、市長サイドが市民タスクフォースに条例案づくりを任せることは大いにあり得る。市民に発言の機会が増えることそれじたいいいことだ。しかしこのやり方が一般化すると議会の存在意義はますます希薄になってしまう。多くの首長が市民参加を標榜するようになった現在、この傾向はますます強まるだろう。二元代表制に期待されているのは、相互の緊張関係によってより確かな選択を行っていくことである。議会は立法にもっと積極的な姿勢を示す必要がある。やはり市民ネットへの期待は大きいのである。

千葉まちづくりサポートセンター代表・福川 裕一

 
     

BACK