市民と行政など関係職員と双方向から意見交換をしながら政策提言していくタウンミーティングが、堂本知事の発案により、生物多様性ちば県戦略策定をめざして、県内で開催されている。
説明会では、県環境政策課、自然保護課から趣旨、スケジュールが示された。9月スタート、10、11月に県内7ヵ所で開催、専門家会議を同時並行で進め、07年2月までに素案をまとめ、パブリックコメントを経て、6月に策定のスケジュールに対して、NPOから危惧や反発する意見が多く出されたが、自然系の現場サイドから、現職の間に筋道をつけておきたいとの期待も高まった。その後のタウンミーティングは、雨上がりの竹の子のように次々と県民主催で自主的に20回の開催となった。関係行政も予想以上の自主的な盛り上がりに、その必要性を感じ、県民の熱意に対応している。
今後、各地のタウンミーティングからの提案は専門家会議の資料となり、素案が出されて、パブリックコメントを募集することになる。
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● 千葉市でのタウンミーティング(12月10日、県中央博物館)では、環境教育と環境基本計画の見直しを含め、3つの分科会を開催した。
第1分科会 生物多様性ちば県戦略策定
第2分科会 環境教育と環境基本計画の見直し
第3分科会 自然再生と環境基本計画の見直し |
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●私は、第1分科会の「生物多様性ちば県戦略策定」を担当した。その概要を記載します。
参加者
同日、印西市、四街道市と3市での開催、また、千葉市も3つの分科会を企画したので、人数は厳しいと予測されたが、参加者は全体で、68名。「生物多様性ちば戦略策定」へは34名の参加者があった。参加した顔ぶれは、職業、活動、年齢とも実に多彩で、お年寄りから、大学生まで、男女のバランスも良く、多彩な提案が出そうな予感がした。
テーマ
生物の多様性とは?戦略策定とは?全国的にも始めてのことなので、イメージを共有することが必要とされ、「命のにぎわいとつながり・生物の多様性でちば県づくり」をテーマとした。
流れ
目で見る生物の多様性を用意して、野菜グループ、葉っぱグループ、貝グループ、蝶グループと分かれて、少人数でじっくり話し合える体制とした。行政も各グループに参加して意見交換。
自己紹介は、「生物の多様性がなぜ大切か、必要なのか」を各自、自分の考えと言葉で、カードに書き、読み上げて価値観の多様性と共通するものを共有をした。
その後、中央博物館の倉西先生から、「千葉県の生物の現状」レットデーターブックからの報告
をいただいた。千葉の生物の現状はもう悲惨としか言いようがないようだ。特に、絶滅種と絶滅危惧種は水域の海、干潟、田んぼ、川、湿地といった棲息地の激減、埋め立てなどすべて人為によるものとのことであった。縄文の昔から、自然が豊かな千葉県との認識が揺らいでしまった。
つづいて、「生物の多様性ちば県戦略策定への提案、自分はどうかかわっていけばよいだろうか」
を話し合い、グループごとにまとめて発表をした。
今回のタウンミーティングの形式は自由とされたが、事前に話し合いシンポジウム、報告会、学習会スタイルにはしないで、少人数に分かれて参加者同士、行政も入ってじっくり話し合つたことから、多数の提案が出された。以下、自然保護課と確認しあつた概要です。
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●野菜チーム:「生物多様性のちば県戦略」は生命のつながり・大切さを掲げて、これを全てに貫き、また実効性を確保して欲しい。特に子どもたちを絶滅危惧種にしないようにして欲しい。個別意見として、環境としての農業の確立、農と市民とのかかわりをつくる、環境教育の重要性、意識改革(生態系を守る立場からの遺伝子組み換え作物等への警鐘、もったいない精神)が提案された。
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●葉っぱチーム:戦略に生かしてもらいたいこととしては、景観としての保全、外来種の輸出入制限、自然再生事業の実施、企業・NPO・市民で話し合える場作り、情報開示の徹底(主に安全面で)、無農薬農業の仕組み作り、環境ホルモン(水質浄化の必要性)、自然とのふれあいの場作り、NPO等の活動資金の援助、環境教育等。特に仕組み作りが必要。
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●貝チーム:合意形成(地域内、役所間、自然の大切さの共有等)が重要ではないか。個別意見として地域のコーディネーターを作る、時代設定(どの時代を目標として多様性を図るか)、場所・地域の限定(生息環境の分断化を防ぐ、谷津田保全)、自然再生(川を元に戻す、冬水田んぼ、有機農法)が出た。 |
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●チョウチーム:キーワードは若者と社会への拡がり。若い人にも農林水産業の魅力を知ってもらい後継者を育てることが重要。自然に優しい農林水産業の構築、絶滅種・危惧種の多い水域、干潟の保全条例、行政の役割の再認識が必要。 |
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「干潟展との関連」では、千葉県の生物の絶滅種・絶滅危惧種は、棲息地別では1位が海の
生き物、2位が干潟の生き物となっている。 |
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(生物多様性タウンミーティング実行委員会 鈴木優子)
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