640. 鶴見良行さん「民間学」についての鹿野政直さん講演会の報告。(2013/07/31掲載)
前号でお知らせした立教大学の共生社会研究センター での7月12日の鹿野政直氏講演『民間学再考――鶴見良行に寄せて――』について、参加された高橋武智さんからのメールによるご報告です。左の写真をクリックすれば、大きなポスターになります。
……講演冒頭に50年の「大学からのレッドパージ」を呼びかけたイールズの言葉で、ただ一つまともなものがあったが、それは「最後まで立ってしゃべれ」ということで、今日もそうします、と言われたあと、実際2時間を超える講演中、腰をおろすことなく、終始お元気で話されたのには感心しました。
演題には若干の変更があり、「民間学再考ーー鶴見良行に寄せて」でした。以前から「民間学」を提唱されたことがあり、その立場を考え直しながら、良行さんの学問の質を具体的に考える、という内容です。誤解のないように言っておきますと、ベ平連時代の良行さんの思想は、鹿野さんの考察対象からは除かれています。
鹿野さんが挑発的に言われた言葉を借りると、ベ平連の「残党」としてアジア研究に向かった、ということになり、『マラッカ物語』以後の研究とその深まりを詳細に検討することがこの日の講演の主題だったといえるでしょう。
主催者によると、100名を超える聴衆が集まったとのこと、講演後の質問でも、水俣問題を研究している若い人からの発言があり、とてもよい雰囲気でした。
やはり、主催者によると、立教共生社会センターに寄贈された良行資料の整理はまだまだ済んでいないとのことです。
ベ平連関係者としては、埼玉大で、この民間資料収集を始めた藤林泰さんはもちろん、国際文化会館で図書室長をしていた小出いずみさんにも出会いました。彼女に聞いたら、その就職の保証人は鶴見良行さんだったそうです。
高橋武智……