87 解放30年を迎えたサイゴン(ホーチミン市) より (越充則) Tue, 3 May 2005  (2005.05.04掲載)

ベ平連の皆さま
 解放30年のサイゴンから、在サイゴンが5年になった越です。
記念式典などの様子がニュースなどで伝わっていると思います。

 サイゴンは、30日の1週間ほど前からやたらと国旗や看板が多くなり、よくわからない飾りをつけた車が市内を走っていたり、中心街にステージが準備されたりしていました。
式典では、さすがに戦勝、解放を思わせるものがあったようですが、その他のものは、見た感じは戦争とあまり関係なく、むしろ現在の平和と発展を強調したものが多く見られました。そして、市民はといいますと、夜になると例によって用もなくバイクで街にくりだしグルグルと……。 いい加減「他にすることないのか」と言いたくなりますが、クリスマスや大晦日とまったく変らない様子でした。
 テレビなども、この日ばかりは解放の偉業を称える番組が続くのかと思ったら、それはそれであったものの、よくわからないお笑い番組や最近人気のクイズ番組などもいつものように放送されていて、私には、総じて特別な日という感じはしませんでした。
 国民の半数以上が戦争を知らない世代になり、ふだん政治の話を禁止しておいて、「今日は解放の意義を考えましょう」と言っても無理でしょう。そんな世相を反映した統一記念日だったようにも思えます。

 今年は、翌日のメーデーと振り替え休日で4連休になることもあって、けっこう遊びに行く話をしていた人も多く、28、29日あたりは、旅行会社の外国人用バスが、ベトナム人に占領されて出て行くのを見ましたが、これはある意味象徴的な光景かもしれません。
 余談ですが、中部のホイ・アンでガイドをしている卒業生は、「日本語を仕事で使うことが少ない。お客さんはベトナム人が多い」と言っていました。

 添付写真は、市内にある看板です。ホーチミンの誕生日を祝ったものが意外と多いです。

越 充則 / Mitsunori KOSHI

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