67. 「土師政雄さんを偲ぶ会」盛会。著書の復刻版も99/07/05)

 昨年6月9日になくなられた土師政雄さんを偲ぶ会は、没後約1年の、7月4日(日)午後、東京、新宿のヒルトンホテルで開催され、旧制高校時代の同級生から、戦後活躍した「世田谷懇談会」での仲間、数学者の仲間、そしてZ会、代ゼミ、河合塾、駿台など予備校関係者、講師、べ平連関係者など100人を超える人びとが参加して、盛会だった。

  会は渡辺一衞さんの開会の辞ではじまり、佐伯陽介、遠丸立、武藤一羊、牧野剛さんら、多くの人が土師さんへの思いを語った。途中では、産湯の中の土師さんや、教壇に立つ土師さん、妹さんらと登山する土師さんなどの写真がスライド上映された。最後に妹さんの土師慶子さんからお礼の挨拶があった。hajibook.jpg (57885 バイト)

 事務局を代表して、河合塾数学講師の諸橋実さんが経過の報告などをされたが、そこで紹介された記念の出版物には、参加者一同、驚きの声を隠せなかった。幻の名著『反数学教育論』(アレフ社版、右の図)の完全復刻のほか、土師さんが参加されていた同人誌『方向感覚』に第3号から最終巻60号まで、毎号書きつづけられた原稿が全文再録された624ページもの分厚い『私の戦後史』、そして知人、同僚、後輩たちが思いを記した追悼文集『土師政雄さんをめぐる44の断章』(書簡、年譜、著作目録つき、163ページ)の3冊のほか、1982年の春に放送された土師さんの数学ラジオ講座の録音CD(講座テキスト付)までが、立派なケースに入って参加者に手渡されたのだった。

 土師さんは,戦争中の旧制東京高校学生時代から、反戦思想の持ち主。戦後は、居住地の組織、「世田谷懇談会」で活動したほか、1965年2月の北爆以後は、ベトナム反戦運動にも熱心に参加した。また、「方向感覚」同人として、同誌の上に数々の文章を書いた。数学教師としては、代々木ゼミナール、駿台予備校、河合塾などで教壇に立ち、大学受験生に数学を教えたが、代ゼミでの「ベイシック数学」ゼミなど、その方法論は多くの生徒や後輩講師たちに大きな影響を与えた。

 この日配布された文集等等をご希望の方には、実費(5,OOO円)+送料で頒布される。お申し込みは下記まで。

連絡先  「土師さんを偲ぶ会」実行委員会事務局     

 なお、この『土師政雄さんをめぐる44の断章』の中の「ベイシック数学とベイシック英語の時代」(吉川勇一)は、吉川のホームページに掲載されている。→ 
    
http://www.jca.apc.org/~yyoffice/saikin15hajimasao.htm

   ニュース欄先頭へ   ホームページ先頭へ