636. 岩佐寿弥さんが逝去。(2013/05/12掲載)
映画作家の岩佐寿弥さんが、5月4日、脳内出血で逝去されました。78歳。1959年、岩波映画入社。羽仁進、黒木和雄、土本典昭さんなどの助監督を経て1964年独立。小西反軍裁判闘争を記録した『叛軍No.1』
(1970年)なども製作されました。後、TVのディレクターとして「プチト・アナコ〜ロダンが愛した旅芸人花子〜」など海外取材によるTV作品も多数ありあます。
岩佐さんのベ平連との関連では、1966年春〜暮のフジテレビ・『ある青春の模索――平和運動のなかで――
』の問題がありました。フジテレビは、ベ平連の4人の活動家を被写体としてドキュメンタリー番組を作製しました。しかし、完成した後、放映予定の10月7日に放映の中止を決定しました。理由は、「取り上げた運動は偏っている」「主人公の青年たちは日本の青年を代表していない」などの理由でしたが、この問題について、4人の青年をはじめ、ベ平連は強い抗議を続けました。しかし、フィルムはついに放映されなかったし、試写すら行なわれませんでした。
このドキュメンタリーの監督が、岩佐さんで、岩佐さんもフジテレビに抗議し、同テレビとの関連も切ることをされました。当時、「ベトナムに平和を!青年連合」(ヤング・ベ平連)からは、この問題についての抗議のパンフレット『ある青春の模索――平和運動のなかで――
』も発行されました。4人の一人、笠井聖志さんの文章も含め、4人の抗議文は、『資料・「ベ平連」運動』上巻155〜159ページに出されています。
岩佐さんへの追悼の意を表します。