50. . 藤本義一さんの近況――620人の大ワインパーティ (99/02/04)
すでに、この「ニュース」欄の No.10, 16 などで、元中年べ平連の中心メンバーだった藤本義一さんのガンによる入院、手術、退院などの情報はお伝えしましたが、その後の経過と近況をお知らせします。お伝えしたように、藤本さんのガンは手術では取りきれておらず、すでに腹膜やリンパ節に転移しており、いつ悪化するかわからないという不安な状態が続いているわけです。そこで、適宜、抗癌剤などによる手当てが必要だったわけですが、昨年末から今年にかけての検査では、白血球の数値が低く、副作用のある抗癌剤の投与はいまのところ無理という診断が下されました。そこで、現在、丸山ワクチンの注射を試みようとされています。丸山ワクチンは、ご承知のように、西洋医学の上では、その効果についてはっきりした統計的な結果が出ておらず、利く場合もあるようだという程度のことしか言えないようです。
病気の近況は以上のようななわけで、必ずしも見とおしは明るくありません。
しかし、ご本人は非常に元気で、サントリーには非常勤で出ており、昨年暮には、軽いジョッキングまで再開されました。専門のワインについては、ワイン会が大盛況で、隔月で開かれる50〜60席のワイン会は17コースも設けられています。その準備、出席日の割り振りから案内状の発送にいたるまでを一人でやられています。ご本人は「ずいぶんと手がかかります。でも、そのお蔭で頭もボケません」と言われています。
そして、2月3日(水)には、そのすべてのコースのメンバーを集めた大イベントが、品川の新高輪プリンスホテルの大ホールで開かれました。出席者はなんと620人という大パーティでした。各界のワイン愛好家をはじめ、藤本さんと親しい人びとが一堂に集まったのでした。挨拶、祝辞は一切なし。ただ、藤本さんの幼少のときから、青年時代、サントリーでの多彩な仕事ぶり、べ平連での活躍、そして各地マラソンへの参加やワインを楽しむ数々のイベントの企画や参加の場面を映し出すスライド上映が、藤本さん自身の解説で行なわれたのと、最後にワインの大オークションが行なわれました。(写真はパーティの会場。中央は藤本義一さん、右隣が小中陽太郎さん、クリックすると大きくなります。下へ戻すには、上の「戻る」ボタンを押してください。)
ワインは、藤本さんがこれまで愛蔵してきたものをすべて放出したもので、1945年のシャトーブリオンや82年のロマネコンチ(!)までが出品されました。愛好家の垂涎のまとです。シャトーブリアン45年は、5万の声から始まり、8万、10万とあがり、15万円で落ちました。ロマネコンチのほうは20万円でした。市価よりはずいぶんと安い落札値でしたが、総計は68万5千円となりました。そして、驚いたことに、このオークションの売上げ金は、藤本さんが参加されている反戦市民運動――「市民の意見30の会・東京」に全額を寄付するという発表があり、全員の拍手のうちに、その場に出席していた同会の吉川勇一さんに手渡されたのです。
吉川さんは、お礼の挨拶の中で、私事にわたるが、どちらもガン仲間で、いまのところは元気、どっちが先にあの世に行くかはわからないが、元気の間は、いっしょにデモも続けるでしょうといい、藤本さんも、これからもワイン会と反戦運動は続けて行くと話されました。2月14日(日)には、日比谷→東京駅への各労組・団体・市民運動が連合した反ガイドライン・関連法案のデモが予定されています。藤本さんの姿もそこにあるでしょう。ぜひ、この行動にご参加ください。
藤本義一さんの連絡先 151-0053 東京都渋谷区代々木2‐22‐3‐503 電話 03‐3379‐2428
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