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『久野収集』(全5巻)完結 (98/10/13) 今年の6月、88歳の米寿をむかえられた哲学者、久野収さんの選集『久野収集』全5巻(佐高信 編、岩波書店刊)がこのほど完結した。最終巻「時流に抗して」(3,800円+税)には、かつて毎日新聞社から出版された『市民として哲学者として』などが収められている。そこでは、2章にわたってべ平連運動についての記述があり、久野さんのべ平連に対する深い思いが、そこに参加していた多くの活動家個人の名前をちりばめながら、語られている。なお毎日新聞社版にかなりあった事実の誤り(たとえば「横浜べ平連の古屋能子さん」など。実際は新宿べ平連)がほとんど訂正されている。また、この巻には『となりに脱走兵のいた時代』(思想の科学社刊)に載った小田実さんとの対談「べ平連とは、脱走兵援助活動とは何だったのか」も収録されている。
久野さんはたいそうお元気で、『市民の意見30の会・東京ニュース』50号(98年10月1日号)のインタビュー(聞き手:田守順子さん)でも、べ平連や市民運動についておおいに語っている。