468. 小田実さん、胃がんで入院・加療の予定。 (2007/05/02掲載)
小田実さんが、最近、親しい知人に送った手紙で、自分がガンにかかり、しばらくは講演、その他の活動を中止し、入院・加療をすることになったと伝えました。
それによると、3月、オランダで開催されたフィリピン問題に関する国際民衆法廷に判事の一人として参加している間に、体の不調を感じ、帰国後、検査を受けた結果、ガンがかなり進行していることがわかり、それもかなり深刻な状態であるようです。
小田さんの手紙は、国際民衆法廷の報告から始まるかなり長いものですが、その最後につけられた部分で、「私個人のみにかかわること」だが「あえて書かせていただく」として、自分の病状を以下のように書いています。
……英語の言い方で、「 His days are numbered 」(サイト管理者注―余命は限られている)というのがありますが、私の状態はまさにそれで、あと、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、あわよくば1年――というぐあいに考えています(検査を受けた病院は、大阪の大阪駅近くの福島の病院でしたが、福島は私が生れた場所です。今年6月2日に私は75歳になりますが――生きていればの話ですが――75年、人生を一巡してもとのところに戻ってきた感があります)。短いあいだですが、デモ行進に出ることも、集会でしゃべることももうありませんが、書くことはできますので、できるかぎり、書き続けて行きたいと考えています。五月に手術して、あと、化学療法などやりますが、できるかぎり自宅にいようと考えています(この手紙も、病院からいったん出て、自宅でかいています)。……
上の手紙には、「五月に手術」とありますが、その後、手術(胃がんの摘出)は中止となり、病院に入って抗がん剤などによる化学療法だけをしばらく続けたあと、西宮の自宅に戻り、そこで、執筆活動に専念するとのことです。
改憲の動きが早まっている中で、これまで「九条の会」で大活躍をされてきた小田さんの回復を祈るのみです。
なお、6月初旬には、NHK出版から、最近著『中流の復興』が刊行される予定とのことです。