438.公開寺子屋 ベトナム戦争って、なに?」(鶴見俊輔・吉岡忍・黒川創)のご案内(06/11/08掲載 )

 京都の「編集グループSURE」から刊行されていた「セミナーシリーズ《鶴見俊輔と囲んで》」が完結したのを記念して、「公開寺子屋 ベトナム戦争って、なに? ――自分で考える今の世の中――」が開催されます。以下に、その案内文を転載します。

セミナーシリーズ《鶴見俊輔と囲んで》完結記念
公開寺子屋  ベトナム戦争って、なに? ――自分で考える今の世の中――

ゲスト 吉岡忍 鶴見俊輔 黒川創(司会)
映画『イントレピッド号の4人』(35分)上映
日時 2006年12月23日(土・祝) 13:00〜18:00(12:30開場)
場所 Shin-bi(COCON烏丸3F 京都市下京区・四条烏丸下ル西側)
チケット 1500円 *ほかにもゲスト多数が飛び入り参加予定?
主催 編集グループSURE (tel./fax. 075-761-2391  メール info@groupsure.net
      ホームページ http://www.groupsure.net

 チケットのご購入は郵便局備え付けの払込用紙に、住所、氏名、イベント名をご記入の上、[00910−1−93863 編集グループSURE]宛に、代金をお払い込みください。チケットの発送は11月中旬からになります。

「ベトナム戦争」から考えてみる、今の世の中  
 ベトナム戦争って、映画などではよく見かけるけれど、いったい何だったのでしょうか? 1960年代後半から70年代初頭にかけて、東南アジア・ベトナムの見知らぬ戦地でたたかうことを命じられた米国の若い兵士たちが、日本駐留の米軍基地から逃げだす事例がつづいたそうです。
 彼らは、10代、20代の、ごく普通の米国の若者たちでした。遠いアジアの国で、自分が人を殺したり、あるいは殺されるかもしれない事態が目前に迫って、こわくなったのかもしれません。
 日本では、そうやって基地から脱走してきた若い米兵たちを、自分の家にかくまった人が大勢いたそうです。彼らはごく普通の家庭でくらしている日本人たちでした。けれど、互いの顔さえ知らないまま、その人たちは家族ぐるみで協力しあいながら、多くの脱走米兵たちを、戦争と無関係な第三国へと出国させました。(なかには脱出に失敗した事例もあったそうです。)
 ふだん、この社会では「人を殺してはいけない」と教えている。なのに、戦争では?
 米軍基地からの初めての脱走兵が現われたときには、彼らの存在を世間に伝えるために記録映画がつくられました。その映画『イントレピッド号の4人』('67、制作・ベ平連、35分)では、4人の若き米軍脱走兵自身が、みずからの考えを語っています。「イントレピッド号」とは、当時、横須賀基地から北ベトナム爆撃に向かうことになっていた、米軍の航空母艦の名前です。今回のイベント《ベトナム戦争って、なに?》では、まず最初にこの映画を上映します。
  ふだん、この社会では「人を殺してはいけない」と教えている。なのに、いったん戦争になったら、国は「敵を殺せ」と命令する。それはおかしいのではないか?
 この問いは、今のわたしたちにも、そのまま残されていると思うからです。
 今回、わたしたちは、当時の米軍脱走兵援助にも加わった、ジャーナリスト・作家の吉岡忍氏をお招きして、そのころ考えたことなどについて、うかがいたいと思います。
  聞き手は、同じくこの運動に加わった、京都在住の哲学者・鶴見俊輔さんです。
 1948年生まれの吉岡さんは、世界各地を旺盛に移動しながら取材活動を展開する一方、近年の仕事には、日本の若者に相次いだ幼児殺害事件を論じる『M/世界の、憂鬱な先端』などの著作もあります。
 会場にお越しいただく、特に若い世代のみなさまも交えて、それぞれの時代に発する疑問や問題を率直に応答しあえる集まりとしたいと思います。 飛び入りゲストの参加もご期待ください!            

   2006年晩秋
                           編集グループSURE(代表・北沢街子)

参考図書 『となりに脱走兵がいた時代』関谷滋・坂元良江 編、思想の科学社
『M/世界の、憂鬱な先端』吉岡忍 著、文春文庫

 

   ニュース欄先頭へ  ホームページ先頭へ