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小中陽太郎著『青春の夢』出版記念会 (98/09/27)
挨拶にたった鶴見俊輔さんは、小栗喬太郎が残した日本共産党の官僚主義についての提言を引用しつつ、官僚主義は、党に限らず、あらゆる機構に伴う弊害だが、べ平連がひどい官僚主義に陥らなかったのは、小中さんの小説『ファック』のように、運動の過程で、運動の中心的当事者の一人が、運動自体の内部を赤裸々に小説に書いてしまうのを許すような自由さがあったからだ、と述べた。栗原幸夫さんも挨拶で、およそこの方面ではまったくの素人だった小中さんが、この労作を通じて、いまや戦前の国際共産主義運動のすぐれた研究者になってしまって、一驚しているとのべた。