312. 福富節男さんからのご挨拶。(03/09/09掲載)

 数学者の福富節男さん(10月31日で満84歳)は、ベ平連解散以後も、「日本はこれでいいのか市民連合」や、「市民の意見30の会・東京」などの運動で積極的に行動されてきました。そして「市民の意見30の会・東京」では、毎週金曜日の夜、定期的に開かれてきた事務局会議に、ずっと出席され、そこでの情報交換、議論のなかで指導的発言をされてこられました。『ニュース』の発送作業のときでも、ご高齢にもかかわらず、封筒につめる作業や切手貼りなどの仕事も手伝ってこられました。反戦運動の中では、単に長老としてだけではなく、旺盛な好奇心、登山、芸術、料理、読書など幅広い関心、そして人権擁護についての一貫した原則的姿勢、運動の中での表現方法についての提言などで、人びとの尊敬と敬愛を集めてこられました。
 しかし、先週の同会の事務局会議の際、そろそろ事務局は引退したい、と表明され、下記のようなご挨拶を配られました。長い間、ほんとうにお疲れ様だったと思います。


ご 挨 拶

                                2003年9月   
                                               福 富 節 男  

 私は、年のせいで、いろんなことに億劫になり、2003年9月5日、市民の意見30の会事務局を退きました。従って私は「市民の意見30の会」を所属団体名としては使いません。その団体名を私の所属として、お使い下さらぬよう、お願い申し上げます。
 知的刺激のえられるところや楽しい集まりには行きたいという気持ちや体力はまだ残っておりますので、皆様からのお誘いは、これまでと同様に頂きたいので、今後ともよろしくお願いします。

 追伸:8月3日の東京新聞で、次のようなものを見ました。
 日出生台での陸上自衛隊の演習に反対する集会に、陸自の西部方面総監の陸将が突然割り込んできて「なぜ反対するんだ。北朝鮮への抑止力になるのに」と叫んだ。
 という記事です。この記事は憲法第9条なきあとのことを想像させ、60年前を思い起こさせました。この陸将は自分の大義を主張したのでしょう。大義を唱えてすることは、何によらずうっとうしく感ずるのですが、それが力と結びついたときのの場合の怖さを感じます。私にとっての憲法改悪の怖さはそういう実感をも伴うものです。
 絶望に近い気持ちをもちながら、「反対」を主張する行動をし、それを続けたいのですが、体力の不安を感ずるようになりました。情けないです。
 

 なお、事務局の仲間たちに配られたご挨拶の中で、福富さんはこれからやりたい仕事 として、第二次大戦中、福富さんがさせられた対米暗号戦の記録をまとめることと、樺太・サハリンニ関する資料の整理をあげられています。こうしたお仕事で、福富さんが今後も貴重な貢献をなされることと信じております。以上、とりあえずのお知らせです。(吉川記)

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