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グェン・ティ・ビン前ベトナム副主席、まもなく訪日、広島など訪問。(03/07/28掲載)
グェン・ティ・ビン前ベトナム副主席が、まもなく来日する。7月28日付け毎日新聞(大阪本社版のみ)の記事は、以下のように伝えている。
ベトナム戦争(1960〜75年)の際、南ベトナム臨時革命政府の外相として活躍し、身に着けた女性の民族衣装から「アオザイの闘士」と呼ばれたグエン・ティ・ビンさん(76)が31日、来日する。今年は日越国交樹立30周年。8月6日に広島である平和記念式典に参加して被爆者と面会するなど、両国の平和の懸け橋として活動する予定だが、米国が敗北し、世界規模の反戦運動が起きた戦争の意味を改めて問い直す機会にもなりそうだ。
ピンさんはベトナム戦争後、昨年まで国家副主席など現政府の要職を歴任。現在は同国の平和開発財団の理事長を務めており、日本の民間平和財団が招待した。8月9日までの滞在中、大阪国際平和センター(ピースおおさか)で「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」を見学するほか、東京で講演会も予定されている。
ビンさんは、解放戦線が樹立した南ベトナム臨時革命政府の外相を69年から76年の南北統一まで務めた。この間、パリでの和平会議に、支援を受けていた北ベトナム代表とともに参加、米国、南ベトナムとの交渉に当たった。停戦協定は73年1月に締結、同年9月に日本と当時の北ベトナムとの国交が樹立されたが、戦闘は75年まで続いた。
元ベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)事務局長で、昨年ビンさんと会見した評論家の吉川勇一さんは「ビンさんは現在、枯葉剤による被害者救済にも取り組んでおり、念願の広島訪問でうるところは大きいだろう。日本の市民運動にとっても、今一度、ベトナム戦争の意味を考えるきっかけになる」と話している。
【鈴江康ニ】