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忍野パーティ2003春のご報告。(03/05/26掲載)
No.295でご案内した「忍野パーティ2003春」は、5月24〜25日、いつものように忍野村の吉田和可子さん宅で開かれ、主催者の戸井十月さん、吉岡忍さん、幹事役の遠藤洋一さんはもちろん、今回は、スロベニアでの大学講義から帰国したばかりの高橋武智さん、そして原田隆二・藤村早百合さん夫妻のお子さん二人などの初参加があり、総勢30名を超える盛会になりました。
いつものように、前庭での大きな焚き火を囲んで、談論風発。地元の吉田さんの友人たちからのおいしい郷土料理などを含めて、ワインやご馳走をぱくつきながらのメインの報告は、高橋武智さんによるイラク戦争下のスロベニアの状況についてでした。ヨーロッパ共同体への加盟を問う投票と同時に行なわれた同国のNATO加盟の国民投票では、加盟の結果にはなったものの、国民のあいだでのイラク戦争への批判は非常に強く、高橋さんが教えていたリュブリャーナの大学でも、教授陣も参加した反戦集会が開かれ、アメリカ帝国主義への批判演説に大きな拍手が寄せられていたとのことでした。ポーランドは今、アメリカ支持の方向を強く出していますが、それ以外の東欧小国は、アメリカの全一的世界支配への危惧と警戒心を強めていることなどが報告されました。高橋さんは、同大学で戦後の日本社会についての講義を担当しましたが、そこでは、小田実『HIROSIMA』、井上ひさし『吉里吉里人』なども教材にされたそうです。
また、吉岡忍さんからは、個人情報保護法が成立したことに関連して、市民的権利への侵害が極めて危ない状況になっていることが報告され、小沢遼子さんからは個人の私的情報が野放し状態で広げられている実情などが話されました。
吉川勇一さんからは、意見広告運動の報告とともに、6月15日の集会・デモにむけての「1万枚のはがき」運動についてのアピールがあり、ようやく出来上がったはがき(官製はがきで1枚60円)がその場で売られました。
当夜11時からは、戸井十月さんが企画、演出し、四位雅文さんが撮影したメキシコでの「アボガード」(弁護士)についてのドキュメンタリ番組がNHKから放映され、それを皆でみながら、戸井さんと四位さんから、製作の苦労話なども聞きました。
そのあとは、例によっていくつものグループが出来、さまざまな話題がとりあげられましたが、室内でのグループでは、最近のイラク反戦の「ピース・ウォーク」と称するデモの問題がとりあげられ、その長所や欠点などについて活発なやりとりがされました。その中で、『〈民主〉と〈愛国〉』の著者、小熊英二さんから旧ベ平連メンバーへの提言が紹介され、かつてのベ平連運動参加者の生き生きとした体験を募ってホームページに掲載し、若い人びとに当時の運動の実態を伝えてゆく作業を開始することなどが決められました〈この件については、追ってお知らせします)。
大木晴子さんは、24日(土〉の夕刻も、ずっと続けている新宿駅西口地下広場での反戦アピール行動に参加したあと忍野に駆けつけてきたのですが、その行動への参加者がますます増え、反響も広がっているという報告がされました。
以上、とりあえずのご報告です。次回の秋のパーティは、いつものように10月の土、日に設定されます。