253. アデレードのデモについて、坂井龍彦さんからの情報と写真(02/11/05 掲載

 ベトナム反戦市民運動の仲間だった坂井龍彦さん(かつての「安保拒否100人委員会」のメンバー、現在、オーストラリアの大学で教授)から、10月5日のアデレードでのデモについての報告と、同国の情勢、および、デモの写真などが送られてきました。以下にその一部をご紹介します。写真は、その1枚を掲載しますが、ほかにも多くが「ヤフーフォトアルバム」に掲載されていますので、以下をご覧ください。
http://photos.yahoo.co.jp/tatchi777 

 なお、坂井さんのこのメールによると、かつてベ平連運動に参加し、脱走兵援助などでも活動したブライアン・ビクトリア・良潤さんが、今アデレード大学で、国際関係を教えているとのことです。
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 5日のデモは、2000人くらいで、アデレードとしては、最近ではかなり集まったと思います。市の中心にあるビクトリア広場に11時に集合し、目抜き通りのキング・ウイリアム・ストリートを行進し、州議会議事堂前の階段で集会をしました。最初と最後は、組合の合唱団の歌でした。最後にギターの伴奏で、バエズの「花はどこにいった」を歌い終わりました。スピーチは最初に英国国教会(アングリカン・チャーチ)のBishop(主教)の人が、挨拶し、その後、ベトナム戦争に徴兵された、元反戦兵士(労働党の選挙運動に制服を着てビラを配り、牢獄に入っていた)が、話しました。最後にフリンダーズ大学のアメリカン研究科(American Studies)の先生が、ブッシュ政権の政策に反対するスピーチをしました。なかなか歯切れの良いスピーチで良かっ
たです。
 オーストラリア政府は、今は保守・国民党の連立内閣であり、その姿勢はアメリカ一辺倒のかなり強烈なものです。労働党は、野党第一党ですが、次期政権を取った時のことがあるから、イラク問題については、歯切れが悪く、いつでも政府と、「挙国一
致」で戦争に行く用意があるとにおわせています。国連の支持なしの、一方的なイラク攻撃に対しては反対していますが、もし、アメリカが攻撃を開始して、政府がそれを支持して、軍隊を送ると決定したら、それは非常時であるから、協力するということです。国の非常時には、たとえ政治的に立場が違う反対勢力も、違いはさておいて協力するというのが、いままでの主流の考え方だったので、それから抜け出ることは難しいようです。
 一番きっぱりと、イラク攻撃に反対しているのは緑の党(Green Party)で、国会議員は上院に数人しかいませんが、2週間ほど前のウロンゴンの補欠選挙で、史上初めて下院議員を当選させ、意気が上がっています。この選挙に連立側は、勝ち目がないとして、候補をたてなかったのですが、緑の党は現職の労働党候補を、民主党等の選挙協力で、破りました。世論調査でも、イラク攻撃への反対は多数を占めているのですが、ハワード政権はタフな姿勢こそ国民の支持を得ると読んで、一貫してタフな姿勢をくずしていません。
 野党第二党は民主党(Australian Democrat)ですが、最近党首が交代になりその際の内紛が跡を引き、今は建て直しに精一杯で、元気がありません。イラク問題にもパッとした発言がみられません。(後略)」

 なお、11月3日にもアデレードで第2回のデモがあったそうですが、坂井さんはそれには参加できなかったそうです。

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